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by Mizutamari (From Japan)
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4/9(日) After Hours'17 後編

 

 

前編の記事はこちら

 

 

●mouse on the keys

 

彼らが出るなら観ないと、ということで2ヵ月ぶりのマウス。フロアは既にぎっしりと埋まっていて、

注目度の高さを感じさせた。正直言って、ワンマンの時よりも埋まっていたような……(苦笑)。

 

いつも通りの3人の姿ではあったが、中心人物の川崎氏はフェスということもあるのか、ワンマン時

とはまた違った、異様なテンションであったことが印象深い。開演時間になって照明が暗くなった

途端、「行くぞー!!!」と叫びながら演奏を始めたのには参った。我々にとっては、そのMCというか

煽りを聞いてしまうと、自動的に某月海のヴォーカル氏を思い出してしまうから(笑)。

 

フラッシュライトの演出、サックス奏者との共演もありつつ、2人のピアニストと1人のドラマーに

よる、緩急自在のグルーヴはやはり唯一無比であるし、いつ観ても凄まじい体験を味合わせてくれる。

言うなればキラー・チューン、"spectres de mouse"辺りでは大きな歓声も巻き起こっていた。

勿論、あの脱力感満点な川崎氏によるMCも健在。が、今回は遠慮していたのかそれほど喋っては

いなかったかな(笑)。「ギャップです」とまたも言い訳のようなことを口にしていたのが面白かった。

 

今回は、ワンマン公演の時ほどの衝撃を受けることは無かったが、ラスト曲の"Leviathan"まで

貫き通したmouse on the keys美学、それは何回でも味わいたい、格別な体験なのである。

ともあれ、今回のライヴが初体験だった方、そもそも彼らの事を知らないまま観た人達にも、

この強烈なアクトの存在は脳裏に焼き付いたはずだ。

 

●DJ KRUSH

 

さすがに一時離脱して飯を食らい、休憩後に再びO-EASTへ向かう。既にパフォーマンスが始まって

いたが、説明不要のレジェンド、DJ KRUSH御代である。彼の事を知ったのは90年代の頃、もっと

言えばちょうど20年前の事なのだが……当ブログを読んでいる方々なら察しがつくかとは思うが、

勿論LUNA SEA経由で知ったのである。90年代ビジュアル系育ち故の展開で申し訳ない(笑)。

 

JとGaZaをやったり、SUGIZOやINORANのソロ作に参加したり、LUNA SEAの楽曲においても、

"SWEETEST COMA AGAIN"でフューチャリングされていたので、名前だけなら知っている、と

いった感じで。その後調べてみると、改めて文章にするのも恥ずかしいほどの伝説的存在である

という事を知った次第であるが、こうして御代のソロ・ライヴ・パフォーマンスを観ることが

できようとは、夢にも思わなかった。こういう面白味も、フェスの醍醐味の一つであろう。

 

実際、しばらく観たらENVYを観に離脱しようと考えていたのだけど、結局最後までじっくりと

観てしまった。今回のイベントの面子的には、どちらかと言えばTHA BLUE HERBと同じように

アウェイだったことが災いしたか、オーディエンスの数がそれほど多くなかったのは残念では

あったが、観れて良かったと心から思えたな。何というか、あまり観たことの無いパフォーマンス

であった。ターンテーブルを楽器のように扱い、なんて前知識がぶっとぶ程の、本物中の本物が

魅せる一流のライヴ。世界を相手に何十年も活動しているアーティストだけが持つ凄味は、勿論

その手さばきから、その一挙一動から、それこそ全身から放たれていたが、結構ラフな雰囲気も

漂っていたのが印象的。無数のビートが入り乱れ、切り刻まれ、四方八方から迫りくる様は、

言葉で表現するのが難しい程の音体験で、これをたった一人の人間が表現しているのだな、と

思うと改めて驚愕してしまう。

 

MCは一切無かったが、最初から最後までノンストップで余裕綽々な態度で突っ走り、軽く手を

挙げて去って行く姿は、何処までもクール、自然体のダンディに満ち満ちていた。天晴れ。

 

●toe

 

いよいよ大トリ。イースタンユースも観たかったが、最新作(2015年)をリリースした後のtoeを是非

観たいと思っていたので、後ろ髪引かれつつもtoeを選んだ。結果論だが、選んで正解であった。

勿論、イースタンを選んだとしても同じような事を書いていた可能性は高いが……(笑)。

 

思い返してみると、toeのライヴを観ること自体、7年前のALBUM LEAFの来日公演でゲスト参加

した時以来であった。その前は9年前のDO MAKE SAY THINKの初来日公演の時。つまりワンマン

でのtoeの公演は未だに観たことがないのだが、今回、フェスとはいえトリを務める彼らのライヴを

観ることができたというのは、やはり僥倖と言えるだろう。

 

相変わらず、O-EASTの広いステージをフルに使う、なんてことは一切無く、中央に全員が向き合う

ように集まって、ライヴは"1/21"でスタート。一発でそれと分かる彼らの音は、今回のイベントに

おいて何度となく使ってしまったので安っぽい響きになってしまうが、やはり唯一無比、圧倒的な

オリジナリティである。勿論、影響源を挙げることは出来るが(PELEとかAMERICAN FOOTBALL

とかTRISTEZAとか)、もうそういったレジェンド達の影響からとっくに脱して、むしろtoe自体が

オリジネイターとなった今、クリーンなギターの音2本とリズム隊だけで、並のロック・バンドが、

ハードコア・バンドが泣いて謝る程の強烈なグルーヴを生み出す様に、観ている私も胸の中に

言い知れぬ熱い何かが込み上げてくるのを抑えることができなかった。素晴らしい。本当に凄い。

 

何度でも書くが、彼らがそもそもハードコア、パンク系のバンド出身であったということから

生じる独特の緊張感、これは今もって健在であって、音だけ聴けば、7THコードを多用した

お洒落なサウンドとも言えるのに、ライヴでの彼らはそんなものとは百万光年も離れた位置に

いる。時にアコギを抱えたまま立ち上がり、のたうち回る山嵜廣和氏。演奏中に天を仰ぐように

叫び、顔でギターを弾きまくる美濃隆章氏。見た目からして一番ハードコア〜パンク畑の匂いが

残っていた山根敏史氏(キャップにTシャツにハーフ・パンツ!!)。こちらも顔で楽器と対峙する

タイプ、激烈なエモーションと神業クラスのドラムスで空間を支配する柏倉隆史氏。スタジオ

作品では、隙の無い、緻密なバンド・アンサンブルで構築されたサウンドを鳴らす彼らだが、

ライヴでは4人が4人共、タガが外れたようなパフォーマンスをかますのだから、最高である。

 

ライヴ後半だったか、感極まった柏倉氏は演奏終了後にドラム・セットを離れて、シンバル

投げつけてたからね。お上品なポスト・ロック、インスト・バンドなどとはまるで違う存在

なのが、toeなのだ。

 

個人的には、1ST作の"past and language"をやっていたのが嬉しかったな。私が初めてtoe

を知ったアルバムだし。もう12年も前かと思うと吃驚するが。この文章を書きながら、

久々に聴いている……音源も当然カッコいいけど、ライヴだと更にカッコいいわ。

 

山嵜氏独特のゆるーいMCも健在。マイク通さずに喋ってたから(笑)。適当な事も、真面目な

事も、自然体で緩く喋る感じは、初めて彼らのライヴを観た時と何ら変わらず。

 

「皆さんは、明日仕事を休むんでしょ?」

「まあ僕らは50年くらいバンドやってるから慣れてるけど」

 

確かこんなような事を仰っていたのだが(笑)、オーディエンスから「休みたーい」と声が上がって

いたのには笑った。私もそう思いました。はい。

 

閑話休題、本編ラスト曲は"Song Silly"。山嵜氏がヴォーカルを担当する、ミニマルな佳曲

なのだが、ライヴで聴くと異様に美しく、涙が出るほどのエモーションにやられてしまった。

演奏が終わった後の、観客の拍手や歓声も一際大きかった。

 

が、それだけでは終わらない。「皆帰る前に早めに来た」みたいなことを山嵜氏が喋りつつ

(照れ隠しなのかな、という気もした)、アンコールは"グッドバイ"。ゲスト・ヴォーカル

として土岐麻子(EX:Cymbals)がサプライズ出演したものだから、フロアは騒然となった。

静かで上品な情熱を持った土岐麻子女史のヴォーカルと、遠慮無しの激烈パフォーマンスを

かますtoeの面々とのコントラストが実に面白く、そして泣けた。温かな感動を呼び覚ます、

見事な共演であった。

 

 

終わってみれば8時間以上があっという間に過ぎたAFTER HOURSというライヴ・イベント。

まだまだ素晴らしい可能性をたくさん秘めたフェスだと思うし、定期的に開催してくれたら

実に嬉しい。その都度、タイムテーブルに頭を悩ますことになるのだろうが……(笑)。

 

ともあれ、この素敵な音楽フェスに関わった全ての人に感謝したい。本当にありがとう。

at 23:59, 某スタッフ, Music(Live Report)

comments(0), trackbacks(0), pookmark

4/9(日) After Hours'17 前編

 

 

一週間経ってしまったが、鮮烈な、そして貴重な体験としてこれからもずっと記憶に

焼き付いて離れないであろうライヴ・イベント、AFTER HOURS'17に参戦してきたので、

ざっとではあるが、観たアクトについて全て書いていこう。

 

http://www.afterhours.live/ja/

 

●MONO

 

オープニング、即クライマックス。そう言い切ってもいいくらいに、およそ8年振りに観た

MONOのライヴ・パフォーマンスは、とんでもなく素晴らしかった。そうだよ、これだよ。

この轟音なんだよ。そんな事を今回連れ立った親友と、終演後に何度となく確認し合って

しまったほどに、私の知っている轟音POST ROCK(もうそんな乱暴な括りでは語れない存在

ではあるが、あえてそう呼称する)とはこういうものだ、と得心した次第である。

 

十分過ぎるほど大物である彼らだが、あえてオープニングに登場するというのが、実に

ダンディかつクールな態度であろう。前回観た時にはMCも一つも無かったし、まさにクールな

印象の4人だが、今回はお祭りということもあるのか、登場した時点で何だかリラックスして

いた雰囲気で、最初から笑顔も見せていた。美脚に視線を向けざるを得なかった紅一点の

Tamaki嬢による、イベント開始の簡単な挨拶さえあったのだから、きっとこの日を楽しみに

していたのは他ならぬ彼らであったのだろう。

 

私が彼らの音楽を聴いていたのは、実際のところ00年代の話(POST ROCK〜音響系を熱心に聴いて

いた時期自体もそう)なので、10年代以降の彼らが一体どのようなサウンドを鳴らしていたのかは

全く分からない。が、1曲目が"Ashes In The Snow"だったので思わずおお、と口走ってしまった。

セットリストを確認した限り、この曲以外は10年代以降の楽曲であったようだが、彼らは自身が

生み出し、磨き上げた基本的な音楽性から大きく外れることはなく、あまりにもストイックな

姿勢で、内に秘めたる情熱と共に、静寂と轟音を見事に操っているのだな、と感じた。

 

ギタリスト2人、Goto氏とYoda氏は座って演奏しているのが彼らの基本スタイルなのだが、特に

Goto氏はフェスならではのテンションなのか、何度も腕を振り上げ、時に立ち上がり、アンプに

向かってノイズを放出し、抑えきれないエモーションが、音に、立ち振る舞いに、全てに漲って
いたのである。

 

轟音の意味、アルペジオの美学、呼吸をすることさえ憚れるような緊張感、私が彼らのような音を

鳴らすバンドに望む全てが、此処には存在していた。但し、MONOの場合は静と動の方法論に決して

溺れることはなく、現実的な冷徹な視点が感じ取れるのが、耽美であったり夢想に逃げがちなこの手の

サウンドを鳴らすバンドの中でも、非常に独特であるなと思う。それでいて歓喜の光が垣間見える、

フィードバック・ノイズに包まれる幸福。好きな人にしか分からない、この感覚は、やはり得難い

ものがあるのだ。

 

小雨の降る渋谷の真昼間、イベントはまだ始まったばかりである。

 

●world's end girlfriend

 

こちらも私にとっては8年振りとなるライヴ。WEGのような音楽性でソロ・ユニット、というと

中心人物となるアーティストは黒子に徹するか(ライヴもやらない)、逆に全面に出てくるか、

といった2パターンがあるかと思うが、首謀者たる前田勝彦氏は確実に後者タイプなのだろう。

今回は、前回観たツイン・ドラム編成といったようなものではなく、オーソドックスなバンド

編成にヴァイオリン奏者とチェロ奏者(だったかな?)が加わっているといったものであった。

前田氏は立派にフロントマンといった雰囲気で、サムライ・ヘアーなロン毛も健在だったのが

個人的には嬉しかったな(笑)。

 

彼らに関しても、私はMONOとほとんど同じで、デビュー作から2010年リリース作品である

SEVEN IDIOTSまでしか聴いてないので、そこまでのイメージでしか語れないのだが……

今回ライヴを観て、正直なところ「?」と疑問符が付いてしまった。私がWEGの音楽で非常に

好きな、あの美と狂気が入り乱れた、毒気のあるファンタジックな音世界があまり感じられ

なかったというか……中原中也の詩の朗読も、私には全くピンとこなかった。好みの問題

でしかないのだが、8年前の感動を今も覚えていただけに、少々残念だったかも。

 

●THA BLUE HERB

 

今回、最も衝撃を受けて、最も感動したアクト。彼らの事は、日本のヒップ・ホップをほとんど

聴かない私ではあるが、昔、共に働いていた方(私より一つ年上で同じような音楽趣味を持つ)が

所謂アングラなヒップ・ホップを好んで聴いていて、アンチコンとかあの辺りの音を私に伝えて

くれたのだが、何より彼は熱狂的な熱烈なブルーハーブのファンで、やはり数回ほどアルバムを

聴かせてもらったことがあった。独創的なトラックに、独創的なMCが哲学的思想的ラップをする、

みたいな印象を持ったことは今も覚えている。もう10年以上前の話だ。

 

大体、私たちの世代でロック・サイドの人間が初めてラップなるものに触れたのは、ビースティか

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、またはラップ・メタルであって、その後EMINEMが登場して、

みたいなパターンが結構多かったように思う。日本に目を向ければ、スチャダラパー(というよりは

"今夜はブギーバック"だが)であり、ドラゴン・アッシュであったのかもしれない。言うまでもなく、

あくまでヒップ・ホップ畑ではない79年生まれの音楽人の回想であるが、私個人はEMINEM以降、

ヒップ・ホップという音楽ジャンルの作品も良いと思ったものはガンガン聴いていた。それはこの

ブログでも書いていることだが、それでも日本のヒップ・ホップを聴こうとは思わなかったし、

思えなかったのも事実ではある。そんな37歳もうすぐ38歳の私が、日本のヒップ・ホップの歴史

において最も重要な存在の1つであろう、THA BLUE HERBのライヴ・パフォーマンスに、これほど

感動できるとは。それが、何より嬉しい驚きであったのだ。

 

正直なところ、1MCに1DJという最小限のスタイルを20年貫き通し、今も最前線で走り続けるような

アーティストのライヴが、たとえそれほど詳しくない音楽ジャンルであっても、良くないと感じる

わけがないのだと、ライヴを観る前から私は考えていた。物凄いものを見せてくれる、新たな体験に

なる、長年のライヴ体験から生まれたそんな予感は、見事に的中したということだ。

 

純然たるヒップ・ホップのライヴというものに慣れていない人間の書くことなので事実誤認や誤解

も多くあるとは思うが、曲間の喋りですら、全てがライヴ・パフォーマンスであるかのような

BOSS氏のラップ、語りは、そんな私にも強烈なインパクトを与えた。言っていることに共感する

というのではなく、ミュージシャンとしての、MCとしての圧倒的な存在感、技量、好きでも嫌い

でも無理矢理振り向かせてしまうような、一流のパフォーマンスが、私の心を捉えたのである。

 

BOSS氏自身が述べていたように、"負けず嫌いが集まる"今回のイベント、弛緩した空気の中で

パフォーマンスするようなアクトはいなかったはずだが、それでも並のロック・バンド連中が

裸足で逃げ出すほどの覚悟が、40分という与えられた時間を1秒たりとも無駄にしてたまるか、

といったような気迫が、最も感じられたのもTHA BLUE HERBであった。既に大ベテランで

ありながらも、偉大なイノベイターでありながらも、常に挑戦者なのである。"楽器何一つ

弾けない代わりに メロディを凌駕する武骨な語り"と己のアイデンティティをはっきりと提示

しつつも、異種格闘技戦を望んで受けて立つ姿勢が素晴らしい。この熱量は、幾多の困難を

乗り越えて、今も生き残り、ステージに立ち、戦い続ける男だけが持つものである。それは

ジャンル云々は関係なく、彼らの音楽そのものにチャームされたわけではない、音楽狂いの私に

とっても、そんな男達が魅せる40分間を共に過ごせたことは、本当に幸運であったと思う。


矢継ぎ早に放たれるMCを支えるトラックは多種多様で洗練されており、LIVE DJのDYE氏に

よる手さばきも、この手の音に対する音楽的語彙を持たない私が言うのもなんだが、BOSS氏

というMCの事を誰よりも理解していないと出来ない芸当であるのだなと感じた。トラックを

作っているメンバーとライヴにおけるDJが違う、という彼ら独自のスタイルも、ちゃんと

意味があるものなのだな、と。

 

AFTER HOURSに参加できたことへの喜び、DJ KRUSH氏への熱い熱いリスペクト、己との

勝負、時に惨めだった過去も赤裸々に語り(時給650円のウェイター生活、サラ金でアルバム

製作費を賄ったこと等々)、成功した自分自身への冷徹な眼差し、永遠に変わらない地元愛

……強さも弱さも兼ね備えた45歳の男は、40分間の戦いを終えて、最後に「今日、俺たちを

睨み付けてくれた」観客に向けて、誠実な感謝を述べた。

 

"出来る奴ほど謙虚"という自身の言葉を地で行く姿に嘘偽り無し、である。

at 23:50, 某スタッフ, Music(Live Report)

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4/7(金) TSUTAYA O-NEST 〜 ALCEST来日公演レポ。

 

 

右手を振り上げて観客を煽るNeige氏。今回のライヴは、このような光景を何度も観る

ことができたのは、私にとっては驚きでもあったし、興味深くもあったな。

 

前回の来日公演から早三年、ALCESTが日本に再び戻って来た。それなら観に行かなくてはと

馳せ参じてきたわけだが、結論から言えば、今回も素晴らしいライヴ体験を味わうことが

できたのだが、上述したように、色々と驚きもあったし、また違った面白味を感じる瞬間が

多くあった。以下、駆け足で感想を述べていく。

 

●Sigh

 

日本が誇る、川嶋未来氏率いるブラック〜エクストリーム・メタルの先駆的存在。それくらいしか

知識が無かったので(女性メンバーがいるんだ! なんて驚いたくらい)、その分まっさらな気持ちで

彼らのライヴを楽しめた。彼らの長い歴史における音楽的変遷を考えれば、下手にジャンルが

どうのと語るような愚は避けたいところだが、現在の彼らには、ヴァイキング・メタル的な要素も

あるのだなと感じた。とはいえ、妖精が住んでいてもおかしくないような欧州の風景などは存在

しない、あくまで日本的感性のフィルターを通した上での世界観から生まれたサウンドなのかなと。

 

ブルータルなデス・ヴォイスのみならず、アヴァンギャルドなメタルには必須(という気がする)の

サックス奏者でもあるDr. Mikannibal女史の存在感も物凄く、観ていて楽しかった。妖しいメイクも

決まっていたが、所々で盛り上がる時に跳ねまわっている姿は、可愛らしくもあったな(笑)。

 

●Vampillia

 

彼らが主催するイベントあってこそのALCEST来日なので、ともあれ感謝しかない。ALCESTの

ファンなら皆、そう思っているはずだ。

 

ライブそのものは、相変わらずベーシスト氏(今回は化粧はしていなかった、結構なイケメン)による

本気とも冗談とも取れる茶番というか前口上もありつつ、"ブルータル・オーケストラ"の名に相応しい

サウンド、ライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。音の印象としては前回感じたのとあまり変わる

ことはなかったが、むしろ、彼らの鳴らしたい音と私の感性には決定的なずれがあることが、今回

明確になったように思う。それもまた、好みというか価値観の違いであるので、致し方ないことでは

あるが。あえて苦言を呈すなら、大所帯ならではのカオティックな轟音サウンドというものは、

それぞれの役割が明確であり、必然であるからこそ成立するのだ、と私は信じていて、少なくとも

今回のライヴを観た限りでは、ヴァイオリン奏者とドラマー(RUINSの吉田達也氏!!)の技量に

頼り過ぎているようにも感じられた。両者と比べて、他のメンバーの音の存在感が負けてしまって

いるというか。

 

本人達にそんな意図などは全くないことも、重々承知の上ではあるが……。

 

●ALCEST

 

前回、私はバンドの首謀者であるネージュ氏が直接的に影響を受けたであろう、80~90年代初頭の

英国NEW WAVEやPOST PUNK、シューゲイザーは勿論のこと、90'S USオルタナ的要素を感じたと

書いたのだが、ネージュ氏が誇らしげに着ていたTシャツがダイナソーJRだったので、思わずにやりと

してしまった(笑)。相変わらず(シャツを除く)見た目だけなら思いっ切りメタラーな4人ではあったが。

 

冒頭の"Kodama"、ブルータルな一面も見せる"Je suis d'ailleurs"の2曲までは、若干乗り切れていない

雰囲気もあったが、3曲目"Ecailles De Lune - part 2"辺りからは右肩上がりで調子が上がっていき、

夢想的な美と闇、双方を巧みに表現するALCEST流儀のサウンドにすっかり没入することができた。

所謂メタル的要素が希薄であった前作Shelterと比べると、幾分かブラック的要素が強まっていた

最新作Kodamaからの楽曲中心のライヴであった為、前回のライヴよりも激しくダイナミック。

かつ、これは冒頭でも述べたように、ネージュ氏はツアーを重ねていく上で心境の変化があったの

かもしれないが、右手を振り上げて観客を煽り、クラップ・ハンズを促し、MCではちょっとした

冗談を言う場面も。何というか、フロントマンとしての自覚が出てきたように感じたな。

 

特筆すべきは、彼らの鳴らす轟音の見事な音のバランス。決してうるさすぎず、控え目でもなく、

音圧に頼り過ぎることなく、それでいて迫力あるギター・ノイズに包まれていく感覚は陶酔の一言。

ライヴ・バンドとして素晴らしいレベルに達しており、もっと大きな会場で多くの人に観て欲しい、

そんな事を前回以上に感じさせたのである。

 

ラスト曲は前回と同じく10分を超える"Délivrance"。今回唯一披露されたShelterからの楽曲

であるというのは、何やら示唆的であろう。現在のALCESTの姿を、強く印象付けたのであった。

 

終わってみれば、既に時計は23時近くなっていた。アルセストの轟音、その美学は、やはり他の

バンドでは味わえない、得難いものであることを理解した、素敵な夜であった。

 

ありがとう、ALCEST。

 

 

※2014年4月13日(日) ALCEST来日公演の記事はこちらで。

at 23:59, 某スタッフ, Music(Live Report)

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