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7/19(木) NHKホール 〜 BUCK-TICK 2018 TOUR No.0

 

 

狂ったような太陽が支配する現実の中、世界は2時間だけ、稀代のロック・バンド、

BUCK-TICKが主演する生と死、美と闇――そして猫を神とする舞台へと姿を変えた。

 

 

去年の日本武道館から半年以上が過ぎ、雪が残る景色の記憶がまるで嘘であったかのような、

灼熱の太陽が猛威を振るうNHKホールへとやってきました。ここに来るのは、それこそ

THE MORTAL以来だったりする。個人的にはあまり馴染みの無い場所ではあるが、

一階席の良好な場所に恵まれたこともあり、所謂スタンディングのライブとは違う、

数々の舞台演出や映像的な演出も含めた、2018年の最新型B-Tを存分に楽しむことができた。

 

今年リリースされた新たな名盤NO.0は、私としてはここ数年のB-Tアルバムの中でも

とにかく"面白い"作品と感じたので(単に良いアルバム、とはまた違う)、30年を超える

キャリアを持ったバンドが、そのような作品を作り上げた事自体が驚異的であり、驚嘆

すべき事だというのは、多くの音楽人が理解すべきだというのは改めて言及しつつ、

いつもながら勝手気ままに感想を述べさせて頂こう。

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at 00:26, 某スタッフ, Music(Live Report)

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4/1(日) 渋谷サイクロン 〜 DANCE GAVIN DANCE来日公演レポ。

 

 

個人的に波乱続きの2018年。どうにも調子の出ない日々が続く中、とうとう接骨院に

お世話になってしまう事態になってしまい、不甲斐なさやら言いようの無いモヤモヤやら

仕事以外の文章を書く気も全く起きず、いやそもそも右手首の負傷でそれどころではない

というのもあったのだが、ともあれうだつが上がらない毎日が続いている。

 

それでも、素晴らしいアルバムとの出会い、素晴らしいライブ体験はちゃんとあるのが

救いでもあって、本当に今更ながら、今月観た来日公演のレポ……などというレベルにも

満たないであろう、ちょっとした感想を書く気にようやくなった次第である。

 

DANCE GAVIN DANCE。私としては2006年に出たデビュー・ミニアルバムからの付き合いに

なるバンドで、拙ブログにおいても何度か記事にしたことがある。もう10年以上のキャリアを

持つベテランになる彼らを、こうして日本で、しかもサイクロン(どうでもいいが、このハコに

行くのは個人的には9年振りだ)くらいのキャパのハコで観ることができたのは、ひとえに前座を

務めたCyclamenのヴォーカル、今西氏の尽力によるものであることは、書いておかねばなるまい。

本来ならば、もっと大手のプロモーターが実現しなくてはならないような重要なバンドを、数多く

日本に来日させる彼の熱意、迸る情熱には、その手のバンドを愛する我々としては、敬意しかない。

この場を借りて、一ファンとして礼を述べさせて頂きたい。本当にありがとう。

 

ってこれで終わってしまうのもどうかと思うので(笑)、右手首の負傷を気にしつつ、簡潔にでは

あるが今回の公演自体にも触れていこう。

 

●Cyclamen

 

去年、Dillinger escape planのラスト来日公演でも観ているが、今回はメタル・セットいうことで

激しい楽曲を中心としたライヴを披露。ENVYへの憧れは物凄いものがあるのだろうな、というのは

前回観た限りでも強烈に伝わってきたが、85年生まれという今西氏からすれば、00年代の所謂

メタルコアやスクリーモといった音楽は10代の頃の青春であって、SikThやPROTEST THE HERO

なんかのプログレッシブな楽曲展開、Djentといったような要素も当然のように取り入れており、

80〜90年代のポスト・ハードコアから発展していったENVYとは、立脚点の違いのようなものが

見えるのが面白いと思う。音楽オタクなんだろうな、というのも如実に伝わってくるのが良い。

 

クリーン・パートは正直弱いかなと感じるが、ナイーヴなヴォーカルがこの音には合っているのだろう。

 

●Survive Said The Prophet

 

名前くらいしか知らなかったバンドだが、興味深い音を鳴らしていた。昨今のバンドにありがちな、

極端なヘヴィネスを追求するのではなく、見事な歌唱力を持ったヴォーカリストのメロディを中心と

した、少し懐かしさも感じるスクリーモ〜ポスト・ハードコア的サウンドがむしろ新鮮。メンバー

それぞれに独自のナルシスな振る舞いのポイントがあるのも、日本のこの手のバンドにしては何だか

珍しい気もする(笑)。当たり前のように流暢な英語を操るヴォーカル氏が、今風のビッグサイズを

基調としたファッションではなく、今となってはあまり見られない、黒一色のタイトめな、00年代

スクリーモの正装だったのも◎。いや、偶々なのかもしれないが。

 

もはや日本が外国がとか言うのも馬鹿らしくなるような、彼らのようなバンドがいるというのは

心強いことであろう。あえて苦言を呈すなら、若干各楽器の音のバランスが悪かったかな。ちょい

ギターの音が地味だった。というかベース(演奏者自体がめっちゃ目立っていたが)の音が大きすぎた

ように感じた。ベース弾きの私としては嬉しいが、まあこれは好みの問題だろう。

 

●DANCE GAVIN DANCE

 

既に彼らの音の影響下にあるバンドも多くいる今現在、オリジネイターたる圧倒的個性と存在感を

見せつけた見事なパフォーマンスに私は胸が熱くなった。Mothership(2016年)からの楽曲を

中心としたセット・リストで、どの楽曲もオーディエンスから熱狂的な反応を得ていたことを鑑みて、

ここ日本におけるファンの熱意というものを、きっとバンド自身も感じ入ったことであろう。

 

ベテランならではの素晴らしい安定感、音圧に頼らないサウンド・バランスも最高であったが、

特に度肝を抜かれたのは、フロントマンであるティリアン・ピアソン氏のヴォーカルの素晴らしさ。

複雑なバンド・アンサンブルでコード感はベースの音くらいしか無い、なんていうのもざらな彼らの

楽曲の中でも、全く音程を乱すことなく、あの驚異的なハイトーン・ヴォーカルを自在に操っており、

スクリーモやメタルコアといったジャンルに限定しても、数え切れないほどにライヴを観てきた

私の中でも、驚嘆に値するヴォーカリストの1人であったと断言したい。いや、本当に凄かった。

彼が昔所属していたTides of Manというバンドの作品も愛聴していた身としては、改めて彼の

過去のキャリアにも目を向けてもらいたい、なんて思ったりも。もう1人のフロントマン、

オリジナル・メンバーにして出戻りのスクリーマー、Jon Mess氏の咽喉に悪そうなスクリームも

ティリアン氏の美声と見事な対比を演出しており、いっそ美しいほどであった。怖いくらいの

マジな目も印象的だったが(笑)。

 

個人的に一番気になっていた、ドラマー氏と共にオリジナル・メンバーとしてバンドを守り続け、

恐らくはサウンドの中核でもあるのだろう、Will Swan氏のギター・プレイを生で観ることができた

というのも感動の一言。やっぱり彼のギターの独創性は、もっともっと評価されるべきだろう。

00年代のポスト・ハードコア〜スクリーモ・シーンが生んだ最良のギタリストの1人だと思うし。

 

ジョニー・クレイグ時代の楽曲は意図的に避けているのだろうな、などと思いながらライヴを観て

いたのだが、アンコール・ラストにデビュー作収録の"Lemon Meringue Tie"をやってくれたのが

嬉しかった。絶対にやらないと思っていたし(笑)、ティリアン氏が歌うこの楽曲も、ジョニーの

それとはまた違った魅力があって興味深かったな。他の曲も聴いてみたい。

 

 

今回はWARPED TOUR(なのに我々世代が喜ぶようなラウド・ロック勢がメインというよく分からん

コンセプトの)という巨大なイベントと完全に日程が重なったにも関わらず、多くの熱心なファンが

DANCE GAVIN DANCEの来日公演に足を運んだ、というのはシーンの発展という視点から見ても、

まさに僥倖と言えるであろう。勿論、そのような小難しいことなど言わずとも、素晴らしい海外の

バンドを、素晴らしい日本のバンドが迎え撃ち、素晴らしい一夜をファンと共に作り上げた、という

単純明快な事実を、私は大切にしたい。

 

ありがとう、Cyclamen。Survive Said The Prophet。DANCE GAVIN DANCE。

at 23:22, 某スタッフ, Music(Live Report)

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3/4(日) 東京キネマ倶楽部 〜 MORRIE Solo Live 【Melancholia -霊夢機械-】

 

 

もう2週間も過ぎてしまったが・・・・・・簡潔にでも、参戦記録は残しておこう。

 

今更説明するまでもないだろうが、この日はMORRIE氏の誕生日であって、毎年恒例と

なっている生誕祭。去年はCREATURE CREATUREでのライヴであったが、今回は

いつも通りソロでの公演となった。場所もすっかりお馴染みとなったキネマ倶楽部。

御代にはぴったりの会場なのだろう。

 

ともあれ54歳となったMORRIE氏は、2018年というこの時代において、その贅肉の

欠片もない研ぎ澄まされた肉体、否、肉塊にせよ、枯れることのない知的好奇心にせよ、

この日見せた凄まじいパフォーマンスにせよ、多くの発見があった新曲の数々にせよ、

35年以上のキャリアを誇る偉大なミュージシャンに対して、あえて恐れ多い事を

書いてしまうが、今がまさに旬であり、今観ておくべきアーティストなのである。

表現者としてのレベルの違いは今に始まったことではないが、彼は更なる高みを

見据え、30代以降の自身の歩みを「余生みたいなもの」などと嘯きながらも(一流の

ダンディズムではあるのだろうが)、その視線の先にあるものは、貪欲な創作意欲に

満ち満ちた素晴らしい音楽の深遠だ。今回、その事を改めて感じ入った次第である。

 

青木裕(Gt)にFIRE(Ba)というお馴染みの面子に、今回新たに加わった一回り若い

新鋭ドラマー、エノ マサフミを迎え、MORRIE自身もギターを手にした、4人編成

というシンプルなロック・バンドという構成で臨んだ今回のライヴは、2014年に

リリースされたソロ作品HARD CORE REVERIEと新曲を中心に進行。

その新曲をライヴという場で観て聴いて、私は個人的にCREATURE CREATUREの

休眠の理由が理解できた気がしていた。プログレッシブかつヘヴィな楽曲展開、

変則的な単音のギター・リフの絡み合いなどは、明らかにCreature Creatureの

活動を経た上でのものであったし、それでいてメタリックではなく、どちらかと

言えばオルタナティヴ・ロック寄りの音であったのだ。青木氏のギターはまさに

今のMORRIE氏が描いている音を表現するに最も適したプレイなのである。

更には、原点回帰的な(MORRIEにしては)ストレートなロック・サウンドも随所に

盛り込まれており、DEAD ENDやCREATURE CREATUREで作り上げてきたバンド

としてのサウンドを踏まえつつ、ソロでアウトプットされるものが、ある種の

集大成的な音になっているが故に、MORRIEはソロとしての活動をメインに今後は

活動することを選んだのだろう、と。勿論、聴き手の勝手な妄想でしかないのだが、

私自身が納得できた理由を、この日聴いた新曲から教えられた気になっている、

というだけである。

 

ちなみに、MORRIE氏のギタリストっぷりも本当に堂に入ったもので、曲によっては

ギター・ソロも披露。ギタリストMORRIEをたっぷり味わうことができたのも、

今回の収穫であったな。

 

"眺めのいいあなた"といった古い曲では、MORRIE氏とは長い付き合いになる

サックス奏者、yukarie女史が参戦。キネマ倶楽部という場にぴったりな、男共を

従えるかのようなカッコいいパフォーマンスには本当に痺れたな。勿論、素敵な奥様

にして美しきバイオリニスト、Heather女史との共演も。しかし、MORRIEもそう

だけど、この2人の外見の変わらなさは恐ろしい程だ(笑)。

 

MORRIEの生誕祭と言えばこの男、我らが清春氏も"パニックの芽"から参戦。

MORRIEのライヴの記事なのに申し訳ないのだが、この日の清春氏は、私のような

90年代に10代のほぼ全てを過ごした世代にとっての代表的なカリスマとして、

清春氏の姿、ファッション、歌声、全てが誇らしく思えたな。とにかくカッコいい。

ステージに立っただけで、場の空気が変わるあのオーラ。そもそも、MORRIE氏と

並んで歌うなんてことが出来るヴォーカリストなんて、そう滅多にいるものでは

ないのだから。素晴らしい。ちなみに、年々歌う曲が増えているようで、今回は4曲。

キャインキャインでお馴染みの"犬"にも急遽参戦しておりましたよ。

 

今回、MORRIE氏に「本当は死んでるんですよ。不死身。幽霊ちゃう?」みたいな

感じのきっつい関西ジョークで紹介されていた青木氏は、恐らくMORRIE氏自身の

意向だと思うが、かなり長めの独奏の時間が設けられていた。オーセンティックな

プレイから、一気にノイズの神へと交信するかの如きプレイは、言葉通りに鬼気迫る

パフォーマンスであって、その日その場にいた全ての人の魂にまで鳴り響くもので

あった。やはり彼のようなタイプのギタリストを観て育った、私のような90年代男に

とっては、胸に迫りくるエモーションに涙するしかなかったのである。

 

粕谷栄市という詩人の作品をモチーフにした、"光る曠野"でライヴは終了。今回は

長々としたMORRIE講座とでもいうべき、1人の思想家としての彼のMCは短めで

あったので、3時間を突破することはなかったが、それでも全23曲という長丁場を

軽々こなすその胆力には、既に何度か目にしているとはいえ、むしろ何回観ても

驚嘆の一言である。しかも、そのパフォーマンスはますます鋭利に研ぎ澄まされ、

観る度に多くの発見があるというのだから、清春氏があれほど心酔し、今も尚、

緊張MAXで共演に臨んでいるというのも、十二分に理解できる(笑)。

 

 

純粋なバンドマンにして音楽好きであり、孤高のヴォーカリストであり、哲人の如き

雰囲気も漂わせるMORRIEという存在は、改めて書くが、今が旬の表現者である。

誤解を恐れずに言えば、ジャパニーズ・ヘヴィ・メタルにおける偉大なキャリアも、

後続のビジュアル系界隈への影響なども全て取っ払った上で、今現在のMORRIE氏から

世に生まれる詩、音、その全てに、更なる注目が集まって欲しいと願う。

 

ありがとう、MORRIE。今年出るという新作も楽しみ!!

at 23:17, 某スタッフ, Music(Live Report)

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1/25(木) TSUTAYA O-EAST 〜 THE INTERNET来日公演レポ。

 

 

Kalafinaの日本武道館公演の興奮も冷めやらぬ中、一日置いて向かった先は渋谷であった。

拙ブログでがっつり取り上げたことは無かったが、セカンド作Feel Good(2014年)が

リリースされた時に、ODD FUTUREの面々とは知らずに何となく手にして、この非常に若い

才能に衝撃を受け、いつかはライブを観たいと思っていたのがようやく実った次第である。

 

まだ雪の残る寒い平日の東京、それでも会場に着いた頃には既に多くの観客でごった返していて、

お洒落な若い衆、ブラック・ミュージックを主に聴いているであろう層、休日はレコードを

掘ることしか興味の無さそうなアローンなリーマンメンズも結構いた(笑)。女性男性、割合は

拮抗してたように感じたが、熱狂的なファンは女性陣が主であった。以下、後述しよう。

 

定刻15分くらい過ぎた辺りだったか、フロアが暗転してまずは男衆が登場。それなりに近くの

好ポジションで観ることができたのだが、うーん、とにかく若い!っていうのが第一印象(笑)。

はにかんだ笑顔も、無邪気な仕草も若いなあと。そりゃまあ、私よか一回り以上年齢が違うの

だから当然なんだが……最後に出てきた紅一点、SYDの登場で、フロアの盛り上がりは最高潮に。

前述したように、女性陣からの大歓声はいっそ驚くほどであった。そんなオーディエンスを

クールな、それでいて優しげな眼差しで見据えつつ、ライブは"Gabby"でスタートした。

 

アルバムは打ち込みも恐らく多用したサウンドであったが、生のアンサンブルで体験する

ジ・インターネットの楽曲は、スタジオ音源と比べて激変している、というのではなく、

あの10年代の世代独自なのであろう、何処かクールなグルーヴがそのまま表現されていた

のが印象的。タトゥーだらけのドラマー、Christopher Smith氏のプレイがかなり正確かつ

パワフルだったので、6弦ベースで深みのあるラインを生み出すPatrick Paige II氏との

バランスも良い感じ。最年少のギタリスト、Steve Lacy氏は女性陣から「可愛い!」と

声が上がっておりました(笑)。中心メンバーにして、ODD FUTUREの創設メンバーでもある

キーボーディスト、Matt Martians氏は若い面々を笑顔で見守るような立ち位置。いや、

言うて彼も29歳くらいのはずだが(苦笑)。

 

そして、SYD嬢。彼女は私にとっては(同行した親友も同意見)久々に出会ったカリスマであった。

カリスマ性というものは、そう簡単に出せるものではないというのは当たり前のようでいて、

以外と見落としがちな面である。彼女はそのジェントルな歌声が、その立ち振る舞いが、全てに

おいてカリスマティックであったのだ。それでいて、非常に自然体なのである。年相応の無邪気な

笑顔も、多くの人を惹きつけて然るべき姿であったのだ。

 

R&BやSOUL特有の、良くも悪くも粘っこい部分や、押しの強さのようなものは、このバンドの

音楽には一切感じられないというのが1つの特徴であると思うのだが、その思いはライブという場で

体験して、改めて再確認したことでもある。特筆すべきは、単にクールにやっていますというのでは

なく、とにかく純粋に楽しく音楽と戯れている若者の姿がそこにあった、ということであろう。

各プレイヤーの技術の応酬、というのもライブの魅力ではあるが、THE INTERNETに関して言えば、

良い意味で全くエゴのようなものは感じられず、恐ろしくナチュラルなのである。それはセットリスト

だけとっても十分に感じ取れることであって、ジ・インターネットとしてのライブではあるが、

それぞれのソロ活動からの楽曲も披露され、Steve君(そう呼びたい)の恐らくBLOOD ORANGE辺り

からの影響もありそうな歌唱とギター・プレイといった熱演にせよ、Matt氏のソロ・アルバムからの

曲にせよ、達者なラップを披露したPatrick Paige II氏にせよ、各メンバーにスポット・ライトが当たる

時は、コーラスに徹するSYD嬢の姿も踏まえて、本当にメンバー全員が各々をリスペクトし、とても

仲が良いのだなという雰囲気が強く伝わってきたのが今回の個人的な一番の収穫。ただでさえ最高に

気持ち良い音楽をやっているのに、やっぱりそういうバンドのライブは観ていて本当に気分が良いから。

最高じゃねえか、この若い衆は(笑)。

 

そういえば、恐らく上述したセカンド作からは"Dont'cha"しかやっていなかったと記憶して

いるが、前置きとしてSYD嬢が「OLD SONG」と言ったんだよ。たった数年前の楽曲が既に

古い曲なのかあって……若い才能の成長の早さに、頼もしい気持ちになった38歳児であった。

 

中盤にはSYD嬢によるコール・アンド・レスポンスの練習タイムも。元彼女に対する楽曲と

自ら言っていたが、"Just Sayin/I Tried"における「you fxxcked up」という歌詞ね。これを

観客に歌わせるわけです。Fワードを使用しても、全く下品にならないのは、彼女の歌声の

賜物であろう。絶妙なバランス感覚で成立している声なのだ。熱心なファンが集まったので、

勿論掛け合いは大成功に終わったのだが、最初は2階席の声の小ささに不満だったみたいだけど。

素直にそういうのを表情と言葉に出すのも、若者らしくて良い。

 

そのSYD本人のソロ作からの"Body"。これが震えるほどに美しかった。しなやかなビート、

押し引きを弁えた演奏陣のプレイ、SYDの歌唱は何処までも上品であり、聴く者の心の

柔らかい部分に、すっと入り込んでくるような存在感がある。予想以上に得難い歌声だ。

 

ラスト曲は"Get Away"。SYD嬢の歌声はこの日最も力強く、エモーションに満ち溢れていて、

こういう歌い方もできるのだな、と。メンバー全員、最後まで楽しそうにプレイしておりました。

終演後には観客とのハイタッチも。今を生きる若者の才能と感性、何処何処までも純粋な音楽好き

としての楽しい宴を享受することのできた、実に贅沢な夜であった。

 

ありがとう、THE INTERNET。4枚目のアルバムも本当に楽しみだ。

 

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at 23:22, 某スタッフ, Music(Live Report)

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1/23(火) 日本武道館 〜 Kalafina 10th Anniversary LIVE 2018

 

 

 

久方ぶりに、1日置きというペースで非常に濃い、かつ全くジャンル違いのライブを

2本観た2018年1月……正直、全ての面で劣化中の38歳児には感動と疲れとが相まって、

現時点でもなかなか考えがまとまらない上に、ここ数日の異様な極寒具合にやられつつも、

とりあえずこの記事を書き始めている。

 

私にとって、今年のライブ初めはKalafinaの10周年記念公演と相成った。Kalafina初体験

となった2016年9月の日本武道館公演から1年と4カ月ぶりの再会であった。

 

前日の大荒れだった天候の余波が色濃く残る日本武道館。趣のある光景ではあったが、

趣を楽しむ以上に寒い。物凄く寒い。更には平日の火曜日という、ライブの開催条件

としては良くない日程であったにも関わらず、この日はおそらくソールドアウト、客層も

老若男女問わず、多くの観客でごった返していた。物販の行列に至っては、去年年末の

BUCK-TICKに劣らないほどで、今回も私(と後輩)を誘ってくれた親友が実際にその行列に

並んでいたことを後から知って、正直呆れた(笑)のと同時に、Kalafinaファンの情熱と

熱気を感じた次第。さすが、ビジュアル系とファン層が被っているだけのことはある(?)。

 

今回も非常に良い席で、思いっ切り真横(Wakana側)ではあったが、1階席の前から4列目、

カメラを向けられたら確実に映ってしまうであろうレベルに、ステージに近い場所。

前回以上にメンバーの表情や動きをはっきりと観ることが出来た。

 

ほぼ開演時間ぴったりに場内が暗転し、サポート・メンバーが登場。すっかりお馴染みの面子と

いうことで、サポートとはいえそれぞれのプレイヤーに大きな歓声が上がるというのが良い。

しばらくして、3人の歌姫がステージに降り立った。今回の公演はファン投票でセットリストを

決めるという、彼女達にとっては初の試みがあったということなのだが、オープニング曲に

選ばれたのは、壮大な景色が広がっていくような"ring your bell"であった。見事な調和を見せる

カラフィナのハーモニー、10周年ということで僅かに緊張の面持ちであったし、若干の硬さを

感じなくもなかったが、それ以上に、たった2回しか彼女達のライブを体験していない私なんぞが

口にしてはいけないとは思うのだが、あえて言うなら前回と比べても、ある種の調和を超える

程の迫りくるエモーションに感動させられたというのは、先に結論をとして書いておこう。

 

続けて前回ではアンコールラスト曲であった"未来"。ポジティブな光に包まれていくような楽曲で、

早速満員の観客による手拍子も巻き起こる。梶浦由記という稀代の作曲家が生み出していく音楽を、

Keiko、Wakana、Hikaruという3人の巫女が歌い紡いで世界へとリンクしていく様は、やはり極上

な神秘的体験を我々に与えてくれるのである。

 

ここでMCが入ったと思うが、やはりアニバーサリーな公演ならではの想いを込めた内容であった。

続けて披露されたのは"lilica"。シングルのB面曲ということで、こういう楽曲が選ばれるという

ところに、Kalafinaファンの濃さが分かるというものだろう(笑)。続く"満天"で、何故か涙を

禁じ得なかった私(と後輩)。ワルツのリズムで綴られる、美しいストリングスと激しいギター・

サウンドは、我々のような人間にはツボに入らざるを得ない。"屋根の向こうに"にせよ、

"storia"にせよ、取り憑かれたかのように3拍子やワルツ、ハチロクのリズム・パターンばかり

というのは、梶浦女史の趣味なのかは分からないが、ともあれKalafinaの音世界にぴったり来る

ものだという事だろうし、聴いている私(LUNA SEAファン歴24年)としても馴染みやすい限り

である、というのは前にも書いたな。でも、改めて書いておきたい。

 

ワールド音楽風のパーカッションから始まる、個人的にとても好きな(親友には渋い、詩人だと

言われました)"夏の林檎"が聴けて感謝感激。「何もない夏でした」とWakana嬢の澄み切った

歌声で語り掛けるようなフレーズが物凄く好き(笑)。ベルセバの"a summer wasting "

思い出す。私だけか。イントロのタイトかつエモーショナルなギターですぐそれと分かった

"sprinter"では、感激のあまり思わず立ち上がってしまった。過去のライブ・アルバムなんかを

聴いても、割合にアコースティックで演奏されていることが多いように感じていたので、本来の

バンド・セットで聴けたのは本当に嬉しかったな。個人的に歌声推しのHikaru嬢による、力強くも

何処か哀切を帯びた歌唱に心が震えた。後のMCで、この曲はKalafinaにとってもファンにとっても

非常に重要な楽曲であり、特にHikaruにとっては初めてKalafinaのメンバーとして初めて歌った曲と

いうことで、思い入れも人一倍であったことが分かったので、ますますこの曲が好きになったな。

 

立て続けに楽曲を披露した後のMCでは、Keiko嬢だったか、今回はとにかく出来る限りMCも

減らして、曲を届けたいといったような想いを述べていたのが印象深い。実際にそうなった公演

であった。10周年ならではのスペシャルな演出もあって、デビュー曲"oblivious"では、グループ

誕生のきっかけとなったアニメ作品『空の境界』がスクリーンに流れるという、ファン垂涎の

一幕も。余談だが、今回の公演では"Magia""Lacrimosa"も選ばれず、FATE関連の楽曲が多く

選ばれていたことを思うと、Kalafinaファンの心情のようなものが何となく伺えたり……(笑)。

初期のアルバム曲や、先述したようにB面曲も多く選ばれていたからなあ。

 

アルバムのコンセプトの説明と共に披露された"red moon"は、まさに梶浦ワールドにどっぷりと

浸ることのできるパフォーマンスで、シアトリカルな要素も含んだKalafinaの立ち振る舞い、

その歌声、そのハーモニーは、限りなく美しく情熱的である。天上から降り注ぐが如きWakana嬢の

ハイトーン・ヴォーカル、しっかりと土台を支えつつ強烈な存在感と美とを現出させる魅惑的な

Keiko嬢の低音パート、この曲で心掛けていることに"焦がれる想い"と"劣情"という言葉を挙げた

Wakana嬢……三者三様の歌声のコントラストは、何処までもドラマティックである。

 

この辺りから疾走感のある楽曲が立て続けに放たれる。狂おしいバイオリンから熱いギターソロも

聴きどころな"adore"、ビジュアル系度高しなサビがたまらない、観客が総立ちで盛り上がった

"to the beginning"、エレクトリックなビートと歌謡曲的な香り濃厚なメロディが見事に融合している

"progressive"(こういう曲はHikaru嬢の現代的な歌声が良く似合う)、前回もそうだったが、一際

歓声が大きかった"音楽"……自身の美しさを骨の髄まで理解しているであろう、Keiko嬢による

パフォーマンスが天晴と言いたいほどに素晴らしかった(笑)。重厚なビートから、やはりV系的な

伸びやかなサビ(こういうのはWakana嬢がよく担当しているイメージ)に聞き惚れる"heavenly blue"と、

クラシック音楽として聴きにきたのであろうお年を召された方々さえも、思わずロックさせる楽曲が

ちゃんとあるのも、Kalafinaの音楽の幅広さと言えるだろう。

 

親友と後輩が号泣必至とライブ前から言っていた"君の銀の庭"は、演奏陣による見事なインスト・

バージョンで披露。アコーディオン奏者とピアニストによる、リリカルな会話劇のようなプレイが

非常に印象的かつ感動したな。ああいうの、当たり前だけどプロフェッショナルなプレイヤーでないと

絶対に出来ないから。前回もそうだったが、Kalafinaはメンバーもサポート陣も、絶対的な本物の

プロであるからこそ生まれる音楽であって、そういう面子でないと成しえないライブというものが

あるという事は、拙ブログでも何度となく言及している通りである。勿論、インディ・ロック的な

アマチュアリズムが尊ばれる音楽にも、そうであるからこそ生まれ得る素晴らしさがあるのだ。

 

閑話休題。演奏陣による素晴らしいパフォーマンス中にお色直しを敢行していた3人娘、何と

ウェディング・ドレスのような衣装で登場し、"ひかりふる"と現時点での最新シングル"百火撩乱"

披露。万感の想いがメンバーにもファンにも去来する中、Keiko嬢による「たくさんの人が選んで

くれた曲」といったMCと共に始まった"アレルヤ"で、長いライブは幕を閉じた。3人はステージの

端から端まで行き来して、1人ずつ溢れ出る感情そのままの言葉を発していた。涙を見せたWakana嬢、

ちょっと不思議ちゃんなキャラは変わらず(笑)な末っ子ならではの無邪気さも魅力のHikaru嬢、フロントに

立つ身としての役割をきっちりこなし、声を枯らしてサポート・メンバーの紹介も果たしたKeiko嬢……

最後は全員がステージに集合して、深々と頭を下げた面々に、惜しみない拍手が送られたのであった。

 

 

熱心なファンなら、例の騒動について一言も触れられなかったことに、ある種の疑念、もっと言えば

不安を抱いた人も在るやもしれぬ。門外漢の私ですら、言いたいけど言えないことがある、といった

ような雰囲気を察したのも事実だ。高潔な芸術家とビジネスというのは、上手く噛み合わない時に

大いなる悲劇が起きるということは、音楽史においてもままあることなので、情報を待つしかない

聴き手にとっては、もやっとした時間はまだ続きそうである。そういった要因が、ギリギリの緊張感が

孕む焦燥のようなものが、上述したような言い知れぬエモーションを生み出したのなら皮肉であるかも

しれないが、それこそクラシック的な、音階的に正しいメロディをなぞるだけではない、複雑に揺れ動く

感情が、3人のハーモニーに鬼気迫る慟哭のようなものを生み出していた事に感動した身としては、

何とも複雑ではある。

 

それでも、今回の公演の選曲にせよ、MCの端々に感じ取れた彼女達の想いにせよ、そこにあったのは

未来志向の眼差しであり、音楽に対する敬虔なまでの愛情、観客への深い信頼であったことは、

私のように熱心なファンとは言えない一音楽狂の身としても、やはり言及しておきたいのだ。

 

素晴らしい"音楽"をありがとう、Kalafina。また何処かの舞台で会いたいものだ。

 

 

at 23:54, 某スタッフ, Music(Live Report)

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12/29(金) 日本武道館 〜 BUCK-TICK THE DAY IN QUESTION 2017

 

 

最早、私にとっても毎年の恒例行事である(笑)。

 

などと一言で済ませてしまったが、B-Tの年末の日本武道館公演は2001年からずっと

続けられているものであり、そもそも拙ブログでも馬鹿みたいに繰り返し繰り返し

書いているように、デビューから30年間一度もメンバー・チェンジもせずに、長い

活動休止期間も無く、コンスタントに新作をリリースし続けているようなバンドが、

BUCK-TICKなのである。そのあまりにも偉大な道のりを思えば、冒頭で述べたような

恒例行事が今年も無事に開催されることが、いかに幸福な事なのか、大いなる感謝を

述べなくてはならないのは必定であろう。

 

同時に、そんな大仰な事など書かずとも、とにかく楽しいのがバクチクのライブなのである。

毎度同じような事を書いてしまうが、下らない精神性、時代性という観点でしか音楽を語れない

評論家諸氏には、その喜びは永遠に享受できまい。嘘だと思うなら、B-Tのライブ公演に足を

運んでみて欲しい。彼らが主催するパレードは、誰も拒んだりはしないのだから。

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at 23:50, 某スタッフ, Music(Live Report)

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12/12(火) マイナビBLITZ赤坂 〜 SLOWDIVE単独来日公演レポ。

 

 

昔だったら、再結成という響きは何処かネガティブな意味合いも含まれていて、それこそ

ビジネスであったり、当時を知るファンのノスタルジーで終わってしまう、なんて事例も確かに

あったのだが、特に近年は「あの伝説のバンドが再結成」なんて煽り文句が珍しくも何ともない

くらいに氾濫しているにも関わらず、金稼ぎのツアーだけでなく、ちゃんと新作をリリースする

パターンが凄く増えたと感じる。常に成功するとは勿論限らないが、その変化自体は、実に

健全な事と言えるだろう。

 

 

というわけで、90年代リアル・シューゲイザーの伝説、SLOWDIVEの初となる単独公演に足を

運んできた。2014年にオリジナル・メンバーで再結成を果たしてから、フジロックなどでの来日は

あったが、単独での日本ツアーは今回が初。もう何が起きてもおかしくないのが今の音楽カルチャー

ではあるが、まさか彼らを生で、ここ日本でライヴを観ることになるとはなあ、なんて思ったりも。

個人的にはMy Bloody Valentine、RIDE、SWERVEDRIVERといった、再結成を果たしている

シューゲイザーのバンドのライヴはまだ観ておらず、唯一観たのはCHAPTERHOUSEくらい

そういや、彼らは新作リリースしてないな(笑)。それはともかく、今年22年振りにリリースされた

最新作にして通算4枚目となるアルバム、SLOWDIVEも非常に素晴らしい出来栄え、いや、

もっと言えば恐ろしく"スロウダイヴ"な音であったので、これはライヴにも期待できそうだなと

いった予感を抱いていたのだが、それは120%的中したのであった。

 

定刻少し過ぎた辺りで客電が落ち、特に演出も無くメンバー登場。それなりに前方で観ていたが、

何せ当時の写真でしか知らないメンバーだから、ルックスの変化は、まあそれなりに感じた。

フロントマン、ニール・ハルステッドのあの髭は一体何だよと思いながらも、そんな事より

何より、メンバーの立ち位置。やたら距離感がある上に、そのニール氏は一番端っこという。

嗚呼、これぞ正統派のシューゲイザーだなあと感心した(笑)。

 

ライヴは最新作からの1曲目、"Slomo"でスタート。初っ端から6分越えの長尺曲だが、もう

始まった途端に一気にSLOWDIVEの幻惑の音世界に包み込まれてしまった。空間系のエフェクターを

多用したギター・アンサンブル、シンセの響き、音数を抑えたベース・ライン、タイトなドラムス

……そして、浮遊する男女混声のメロディ。ニール氏の歌声は、永遠の少年性を未だ残しながらも

キャリアを重ねた上で自然と出てきたような男らしさが感じ取れる。マイブラのビリンダ嬢と

並んで、シューゲイザー界の女神、象徴的存在と言えるであろう、レイチェル・ゴスウェル嬢は

当時とほとんど変わらない歌声。ちょっと高音がきつそうではあったけど。見た目は可愛らしい

おばちゃん(かなり前にヴァセリンズを観た時を何となく思い出したな)といった感じだが、

腕にはタトゥーが。曲によってシンセやギター、タンバリンと活躍しつつ、聖母のような笑みを

ずっと浮かべておりましたよ。

 

2曲目は最初のノイジーなギターの音だけで歓声が沸いた、バンド名を冠した"Slowdive"

もろに90年代シューゲイザー、その典型的ナンバーと言えるサウンドだが、やはりこういった

サウンドは、彼らが創始者なのだなと改めて感じ入った次第である。続く"Crazy For You"は、

エレクトロニカ〜ミニマルなサウンドへと接近したサード作Pygmalion(1995年)からの

楽曲なのだが、ライヴで聴くと逆にロック色が強まっていて、その辺りもまた面白い発見で

あった。かなり正確なビートを刻むサイモン・スコット氏によるドラムスの力強いプレイが、

そう感じさせた要因だと思うのだが、ともあれスタジオ音源よりもライヴで色々と発見のある

バンドというのは、やはり観ている側からすれば、嬉しいものがあるのだ。同時に、95年で

このサウンドを鳴らしていたというのは、彼らには先見の明があったのだなということも

改めて再確認。当時はそれを受け止める土壌が無かったのだとも感じるが……ともあれ、後の

ポスト・ロック〜ドリーム・ポップ的なサウンド、及びエレクトロニカ系のアーティストに

大いなる影響を及ぼしたのも、納得の一言であろう。

 

彼らにしては元気な(笑)、"Star Roving"も凄く良かった。これが最新作の曲っていうのが

また良いよね。この、タイトなビートが刻まれているにも関わらず、常に浮遊し続けて

いるような雰囲気……日本のバンドでも影響受けまくっている連中、たくさんいるよな。

"Avalyn"はベースの和音を使ったフレーズから始まるのだが、メンバーの中でも特に

シャープなルックスを保っていたベーシストのニック・チャップリン氏は、サンダーバードを

低く構えたスタイル、という同じようなスタイルでベース弾いてる私としては、それだけで

シンパシー全開(笑)であったのだが、何というかNEW ORDERのピーター・フック辺りに

影響を受けたのかなと思しきプレイがとにかくカッコ良かったな。ステージの中央に立ち、

バンドのロックな一面を引き受けている雰囲気でした。

 

ベスト盤のタイトルにもなった"Catch The Breeze"は、これぞと言わんばかりの静と動が

とにかく気持ちいい。最新作の中でも個人的に気に入っていた"No Longer Making Time"も、

イントロのディレイ満開なギター、そして物悲しく美しいメロディが、あまりにも英国って

感じで最高です。サビで炸裂する轟音に昇天するしかない。割合に複雑なアンサンブルで

魅せる"Souvlaki Space Station"だったか、"Blue Skied An' Clear"の方だったかな?

ニール氏が数回に渡りチューニング・ミスによる演奏中止という一幕も。最初は素人でも

絶対に分かるレベルでチューニングがずれていたくらいなので(笑)。彼らは雰囲気で適当に

やっているバンドなどではなく、緻密な音作りとアンサンブルでこのような音世界を生み出して

いるので、ちょっとした音のずれだけでも、その繊細な世界は壊れてしまうのだろう。

 

本編後半で披露された"Alison"で、私は今年1年の濁りが全て浄化されたような気分になった。

もうね、最高過ぎて。スタジオ音源よりも若干BPM増し増しなアレンジだったので、少しの間

何の曲か分かっていない人もいたが、私はもうニール氏の鳴らしたギターのコードだけでも

分かりました。そういう人たくさんいたと思うが(笑)、想像を遥かに超える素晴らしさ、美しさ。

シューゲイザー史に残る屈指の名曲であり、90年代英国が生んだ、あまりにも美しい楽曲。

ラストの、トリプル・ギターで放たれる儚く甘美な轟音……いつまでも終わらないで欲しい、

なんていう戯言が浮かんできた。最高。

 

本編はニューウェーヴ丸出しなベース・ラインと繊細なギター、シンセの絡み合いが美しい、

"Sugar For The Pill"と、シド・バレットのカヴァー曲"Golden Hair"で〆。やはり90年代初頭の

シューゲイザーは、サイケの血が流れているバンドが多いんだよなあというのがよく分かる

選曲です。そもそも、ニール氏はSPACEMEN3のシャツとかいう、あまりにも正装過ぎる(笑)

格好でしたからね、素晴らしい。レイチェル嬢は冒頭の歌のみ披露してステージを去り、

その後はナイーヴな男達による、数分に渡るギター・ノイズ大会が開催され、こちらも再度

昇天。私の立ち位置からでは見え辛かったクリスチャン・セイヴィル(Gt)の雄姿もちゃんと

確認できましたよ。まあ一番オッサンなルックスではあったが、彼のギター・プレイは

スロウダイヴのサウンドにおいてなくてはならないものであって、ニール氏とクリスチャン氏の

ギター・アンサンブルから織り成す、幻惑の轟音タペストリーを味わえた事は、私の長年の

ライヴ経験の中でも、とても大切な物としてこれからも記憶に残り続けるであろう。

 

鳴りやまない拍手の中、アンコールにも応えてくれて、強めのドラム・ビートと静と動の

展開がライヴで聴くと更にカッコいい"Don't Know Why" 、シンプルながら、ニール氏の

確かなメロディ・センスを感じさせる美しい名曲"Dagger"、まさにシューゲイザーの

お手本のような、スロウダイヴのサウンドを如実に表現したような"40 Days"で、およそ

1時間40分程のライヴは終了した。フロアが明るくなって、改めて大きな拍手が巻き起こった

ことも、今回のライヴの素晴らしさを端的に示す出来事であろう。

 

 

スロウダイヴの轟音は、マイブラのような美と狂気を伴ったものではなく、ライドのように

蒼い感情がそのまま形となったようなものでもなく、サイケの血が流れているとはいえ、

それこそ初期はスペースメン3のライヴのサポートでキャリアを積んだチャプターハウスの

ように、マンチェ的なビートやブリットポップへと繋がるような楽曲というわけでもなく、

スワーヴドライバーのように当時のオルタナ〜グランジ勢にも負けないソリッドなものと

いうわけでもない、やはり独自のものであったのだ、というのが、今回改めて再確認した

ことである。ゆっくりと包み込まれるような感覚は、CREATION所属のバンドの中でも、

むしろ4AD的な、サウンド自体がコクトーツインズに連なるものを感じさせるし、それは

そのまま00年代以降のポスト・ロック勢の轟音、ドリーム・ポップ的な音へと繋がる

ものだと感じた。上述したように、スロウダイヴがエレクトロニカ系のアーティストから

いかにリスペクトされいるかというのは、それこそ2004年にMORRからリリースされた

名作トリビュート盤Slowdive Tribute: Blue Skied an Clearを聴けば分かることだが、

Souvlaki(93年)にブライアン・イーノが参加した事実も踏まえて、彼らのミニマルな

音作りや、主張し過ぎない男女混声のメロディは、マイブラとはまた違った方向性で、

エレクトロ・シューゲイザーやニューゲイザーと呼ばれるバンド及びアーティスト達の

創作、インスピレーションの源泉となったのであろう。商業的に大きなインパクトを

残したわけではないし、以前再発された当時のアルバムが現状は国内廃盤(恐らく)と

いうこともあって、やはり知名度という点においては、今一つということも事実では

あるので、改めて再評価すべきバンドであるし、同時に現在進行形のバンドとして、

まだ未聴という方々も、興味を持ったなら是非聴いてみて欲しい。

 

ありがとう、SLOWDIVE。

 

 

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at 23:00, 某スタッフ, Music(Live Report)

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9/24(日) BUCK-TICK 2017 "THE PARADE"〜30th anniversary〜 HIGH SIDE

 

 

もう2週間以上経ってしまったが……ようやく時間が作れたので、手短にではあるが、

歴史的イベントに参加することのできたB-Tファンの一人としての証言、のようなものを

書いていきたい。

 

とは言うものの、あまりいつものようなライブ・レポートを書く気にはなれず。それというのも、

完全に私的なことではあるが、9月から現在にかけて、仕事上での別れや古い知り合いとの思わぬ

再会、その他諸々の妙に感傷的になってしまう出来事が立て続けに起こった上に、そもそも

お台場での野外ライヴ・イベント自体、18年前のLUNA SEA以来ということもあって、何というか

過去と現在と未来を行き来するような、感慨深いような、奇妙とも言えるような気持ちでB-Tの

雄姿を観ることになったから。レポートなんぞを書くには今更感が否めないというのもあるが(笑)。

 

"FLY HIGH"で始まった2日目。特別なステージには見事なバランスで成立している構図を持った、

美しい5人の男達の姿があった。いつも通り、妖艶な美を自在に操りながら、生と死とエロスの

深遠なる秘密を知っているかのような立ち振る舞いで我々を魅了した絶対的なフロントマン、

櫻井敦司。宇宙人的キャラは今も尚健在、お祭りということもあって、いつも以上に華麗な

今井ステップも軽やかであったB-Tの頭脳、今井寿。大人の魅力と色気を振りまきながら、

的確なプレイで奔放な今井スタイルと絶妙な絡みで魅せるいぶし銀のギタリスト、星野英彦。

アイドルという役割(笑)を存分に果たしつつ、時にはアップライト・ベースも駆使して、

小さな体でぶっといグルーヴを生み出す樋口豊。永遠不滅、おっ立てヘアーのスタイルを

見るだけで安心してしまう、緩急自在のドラムスでB-Tサウンドの土台も精神面も支え続ける

ヤガミ・トール。誰が欠けても成立しない、などというありがちな文言は、この5人を前にすると、

何とも陳腐な表現となってしまうのだ。

 

30年前の曲も、2010年代以降の曲も、ジャンルも時間軸をも容易に飛び越えて、何ら違和感を

覚えさせることもなく表現できるバンドなんて、世界中を探してもそう滅多にいるものではない

だろう。B-Tのロック・バンドとしてのあまりにも自然体な態度、佇まいは、当然ながら紆余曲折あり、

多くの困難も乗り越えてきた結果である。かつ、過程に過ぎないと言える。何故なら、今回のライヴは

勿論メモリアルな演出もあり、インディ時代にビクターの担当から声をかけてもらったからこそ人生が、

バンドが変わった、なんていう語りもあり、終演後の花火なんて王道の展開もあったのだが、キャリアを

総括する雰囲気以上に、B-Tの尽きせぬ創作意欲は、既に次なる展開を見据えており、パレードの後には

新たな世界が待っている、そんな彼らの未来志向がより強く感じ取れたからだ。

 

一度もメンバー・チェンジをせず、長々とした活動休止もなく、常に一定のペースでアルバムを

リリースし続けた上でのデビュー30周年という、音楽史に残るであろう伝説さえも、BUCK-TICK

という稀有なバンドにとっては、今後も刻んでいくであろう更なるキャリアの一部なのだという

事実こそが、今回のライヴで私が最も感じ入ったものであり、改めて驚嘆を禁じ得ないもので

あった。もう何度も拙ブログで述べたことだが、B-Tの凄味は、単なる年月の垂れ流しではなく、

勤勉なバンドによる誠実なキャリアの積み重ねがあってこそのものなのだ。

 

だからこそと言うべきか、思ったほどはレアな楽曲及び古い楽曲を演奏しなかったというのも、

個人的印象ではある。30年というキャリアが生み出した楽曲群の数を考えれば致し方ないとは

思うのだが、正直な本音を言えば、割とライヴで何度か聴いた曲が多かったこともあって、

ちょっと残念に思ったくらい(笑)。私個人としては、あっちゃんの素晴らしいMCも含めて、

 

「今夜もみんなが気に入る曲があればいいね。かなりの曲数なので人に任せました」

「素敵なラブソングを」

 

そうやって始まった"ORIENTAL LOVE STORY"が今回の全てです(笑)。勿論『殺シノ調ベ』

バージョンなので、泣くしかないし歌うしかなかった。

 

1回目のアンコールも最高で、"…IN HEAVEN…"から"MOON LIGHT"の流れで感無量。当然、

『殺シノ(以下略)。"…IN HEAVEN…"のラストでリフが変化した時点で、少なくとも私及び

周辺の年期の入っているであろうオーディエンスは歓声を上げてましたからねえ。最高です。

その後のね、"LOVE PARADE"がまた泣けるんだ。B-T特有の、虚無的でありながらも、

不思議と明るさを保った世界観。星野英彦節が冴え渡る美しいメロディ。素晴らしい。

 

ダブル・アンコールのラストが"NEW WORLD"であったことも、今まで述べてきた事を

鑑みれば、必然的な着地点と言えるだろう。幾多の名曲を生み出してきたB-Tなのだから、

いかにもな代表曲を選んで感動的に終わらせるという選択肢もあったはずなのだが、やはり

彼らの視線の先は、未来なのだ。まだ見ぬ新しい世界なのだ。

 

 

終演後、アニイによる「まだまだやれます!!」「全然疲れてない!!」なんていう、最高に熱い

MCを胸に刻み込んで、私もまだまだ頑張ろう。私なりの音楽道を突き進もう。そんな事を

心から誓った次第である。

 

ありがとう、BUCK-TICK。次は年末の日本武道館で会いましょう。

 

at 01:36, 某スタッフ, Music(Live Report)

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7/11(火) 新代田FEVER 〜 SONDRE LERCHE PLEASURE JAPAN TOUR 2017 -TONE FLAKES Vol.119 -

 

 

前回と同じく、こう言わずにはいられない。私が観た全てが、全身全霊ソンドレ・ラルケ。

3ピースのシンプルなバンド編成でも、たった1人の弾き語りでも、最高のライヴを披露して

くれることは既に分かっていたはずだが、気心の知れたフル・バンドを従えた時点で、まさに

掛け値なし、無敵のソンドレ・ラルケであったのだ。

 

シンセ・ポップやダンス・ミュージックへの接近が顕著となった最新作Pleasure(2017年)

を引っ提げて、およそ3年振りにソンドレ・ラルケが日本にやって来た。今回も大阪のレコ屋、

FLAKE RECORDSさんの招聘。何はともあれ、新作が出たら来日してくれる、というシンプル

ではあるが、実現させるとなると色々な思惑やら事情やらが絡み合って、そう容易くはいかない

サイクルを、ちゃんとリスナーに提供してくれるという事自体に、もう感謝しかない。ライヴを

やってくれるのが当たり前なんて思わずに、我々はCDでもデジタル音源でもちゃんと購入し、

来日が決まれば出来る限りチケットを買って観に行く。音を作る側、提供する為に努力する側、

受け取る側……それぞれの熱意と努力があってこそ、成り立つものなのである。

 

今回の来日公演、以前と違うのは、冒頭にも書いた通り初めてフル・バンドを従えてのツアーに

なったということだ。私はツアーの最終日を選んで参戦。ソンドレのライヴが悪いわけがない、

しかも今回はフル・バンド編成……色々と期待と妄想を膨らませながら臨んだ次第ではあるが、

こちらの期待なんぞは易々と飛び越えるライヴ・パフォーマンスであったという事は、もう先に

結論として述べておく。以下、ゲストのAlexander von Mehren氏によるパフォーマンスも

含めて、好き勝手に色々と書いていこう。

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at 21:56, 某スタッフ, Music(Live Report)

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6/24(土) 赤坂ブリッツ 〜 キノコホテル創業10周年記念大実演会<サロン・ド・キノコ〜飼い慣らされない女たち>

 

 

結成10周年、メジャー進出7年という中堅どころとなった彼女達に相応しい、堂々たる

舞台演出に感涙せざるを得ない。もう、良い意味で安っぽい看板とか、いつものキノコな

クオリティからは卒業したんだなあ……

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at 22:54, 某スタッフ, Music(Live Report)

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