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7/11(火) 新代田FEVER 〜 SONDRE LERCHE PLEASURE JAPAN TOUR 2017 -TONE FLAKES Vol.119 -

 

 

前回と同じく、こう言わずにはいられない。私が観た全てが、全身全霊ソンドレ・ラルケ。

3ピースのシンプルなバンド編成でも、たった1人の弾き語りでも、最高のライヴを披露して

くれることは既に分かっていたはずだが、気心の知れたフル・バンドを従えた時点で、まさに

掛け値なし、無敵のソンドレ・ラルケであったのだ。

 

シンセ・ポップやダンス・ミュージックへの接近が顕著となった最新作Pleasure(2017年)

を引っ提げて、およそ3年振りにソンドレ・ラルケが日本にやって来た。今回も大阪のレコ屋、

FLAKE RECORDSさんの招聘。何はともあれ、新作が出たら来日してくれる、というシンプル

ではあるが、実現させるとなると色々な思惑やら事情やらが絡み合って、そう容易くはいかない

サイクルを、ちゃんとリスナーに提供してくれるという事自体に、もう感謝しかない。ライヴを

やってくれるのが当たり前なんて思わずに、我々はCDでもデジタル音源でもちゃんと購入し、

来日が決まれば出来る限りチケットを買って観に行く。音を作る側、提供する為に努力する側、

受け取る側……それぞれの熱意と努力があってこそ、成り立つものなのである。

 

今回の来日公演、以前と違うのは、冒頭にも書いた通り初めてフル・バンドを従えてのツアーに

なったということだ。私はツアーの最終日を選んで参戦。ソンドレのライヴが悪いわけがない、

しかも今回はフル・バンド編成……色々と期待と妄想を膨らませながら臨んだ次第ではあるが、

こちらの期待なんぞは易々と飛び越えるライヴ・パフォーマンスであったという事は、もう先に

結論として述べておく。以下、ゲストのAlexander von Mehren氏によるパフォーマンスも

含めて、好き勝手に色々と書いていこう。

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at 21:56, 某スタッフ, Music(Live Report)

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6/24(土) 赤坂ブリッツ 〜 キノコホテル創業10周年記念大実演会<サロン・ド・キノコ〜飼い慣らされない女たち>

 

 

結成10周年、メジャー進出7年という中堅どころとなった彼女達に相応しい、堂々たる

舞台演出に感涙せざるを得ない。もう、良い意味で安っぽい看板とか、いつものキノコな

クオリティからは卒業したんだなあ……

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at 22:54, 某スタッフ, Music(Live Report)

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6/5(月) 恵比寿リキッドルーム 〜 JIMMY EAT WORLD単独来日公演レポ。

 

 

"Even at twenty five you got to start sometime"

 

Jimmy Eat Worldがこう歌ったのは、Breed Americanリリース時が2001年なので、

バンドメンバーも大体25歳から少し上くらいの年齢であった頃の話である。自分たちの

思い入れがある、彼らにとっての讃美歌と言える様々な楽曲のタイトルを歌詞に散りばめ

自らを奮い立たせるような、素晴らしい名曲に出会った時、私は22歳。彼らとの出会いは

Clarityが発売された頃、つまり99年。Breed Americanリリースに至るまでの

バンドの苦難をリアルタイムで知っている身としては、00年代の幕開けを飾るに相応しい、

あまりにも素晴らしい出来栄えに驚きながらも、彼らはまだまだいける、否、まだまだ

これからなんだ、と確信したものである。その後の活躍は言及するまでもないだろう。

 

あれから16年が過ぎて、いや、もっと言えばジミー・イート・ワールドという素晴らしい

バンドとの出会いから18年という月日が流れた今、40代を過ぎた彼らの、今も変わらない

汗が飛び散る"エモーショナル"な熱演を、珠玉の名曲群と共に目一杯浴びることのできた

38歳の私は、やはり幸せ者であったのだ。

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at 23:45, 某スタッフ, Music(Live Report)

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5/12(金) 原宿アストロホール 〜 Formation初来日公演レポ。

 

 

無軌道なまでの荒々しいエモーションが、ストリートの何たるかを知るリアリズムが、

純粋無垢な音楽愛と共に、この瞬間でしか観ることの出来ない夜を生み出していく。

英国の若武者達による、見事なグルーヴの祭典であった。

 

 

さて。4月半ば辺りから今に至るまで、公私共に忙しく……気付いたら38歳になって

いた……事はともかく、ブログを書くのも随分ご無沙汰になってしまっていた。が、

先々月に、当ブログでも記事にしていた英国の若手注目株、Formationの初となった

来日公演に足を運んできた。金曜の夜、観客は私が着いた時点でかなり埋まっており、

女子率が高いようにも感じたが、私のようなアローンなメンズも多くいたし、年齢層も

それなりに幅広い。デビュー作を聴いて期待十分といった人も、とりあえず様子見と

いった人も程よいバランスで混在している、といった具合であった。こういった、

新人の初来日公演独特の雰囲気は久しく味わっていなかった。ライヴが始まる前から

何だか感傷的になってしまったな(笑)。

 

ほぼ定刻通りに客電が落ち、まずは演奏隊の4人が登場。キーボード2台とドラムスが

向き合うような立ち位置で、真ん中後ろにベース。激しいフラッシュライトと共に、

セッション風の演奏を始め、その後ライダースをラフに羽織ったヴォーカリストの

ウィル氏が登場。ライヴはアルバムの1曲目でもある"Drugs"で幕を開けたのであった。

 

図太いベース、しなやかなドラムス、美しい音色からノイズ、サイケデリックな空間も

作り上げていくシンセとキーボード。そしてカリスマティックなウィル氏のヴォーカル

……1曲目にして、早くもオーディエンスを自分たちのサウンドの世界へと引きずり込んで

いく。アフロ・ビート、ファンク、エレクトロ、ダブ……PRIMAL SCREAMやADF、

KASABIAN辺りの系譜に連なる、いかにも英国らしい、無国籍な雑食のビート感覚は

ライヴで観てこそ、といった趣であったが、ウィル氏が曲名を告げて始まった"Back Then"

辺りの縦ノリのビートでパンキッシュに突っ走る曲なんかは、音源の1.5倍増し。というか

走り気味くらいのカイ氏のドラム。でも、これでいい。これがいい。行儀の良い大学生

風情のインディ・ロック勢とは違う、ストリート発の荒々しさこそを、私としては

味わいたかったのだから。

 

表題曲にしてキラー・チューン、"Powerful People"は予想以上にキラーだった。KASABIANで

いう"CLUB FOOT"のような……このような楽曲を作れるというのは、とにかく強みになる。

演奏の入りこそ、ウィル氏がシンセ・パッドかな、操作ミスしてたのはご愛嬌ってことで(笑)。

 

アシッド・ジャズとトライバルなビートが融合したような"Pleasure"の、美しいサビに呼応

するような、坊主頭もお似合いのマット氏によるシンプルなピアノのフレーズがはっきりと

したコード感を演出し、非常に効果的であった。メンバー全員の役割がはっきりとしている

所なんかは、バンドのバランス感覚の良さを感じさせる。若さという武器に頼り過ぎない

ある種の冷静な眼差しは、10年代を生きる彼らならではのものと言えるかもしれない。

 

日本のファンへ、といったMCと共にデビューEPに収められた"WAVES"が披露されるなどの

サプライズも盛り込みつつ、スロウなビートでじっくりと歌われた、アルバムの中でも特に

メロウな"Blood Red Hand"でバンドのまた違った一面を披露。集まったオーディエンスへ

向けた嘘偽り無き感謝の意を表明し、本編ラストはとびきりキャッチーな"A Friends"

最高の盛り上がりを演出した。繰り返しになるが、エレクトロ〜シンセ・ポップ風の

激キャッチーな楽曲をも作れてしまう彼らの才能は強み以外の何物でもないし、将来性の

高さを否が応でも感じさせるのだ。何処へでも行ける。彼らは実に自由だ。

 

鳴りやまない拍手の中、アンコールはアルバムでもラストを飾る"RING"で〆。ウィル氏は

演奏前に上半身裸になり、本稿の最初に載せた写真を観てもらえれば分かる通り、無軌道で

無邪気な若さを爆発させておりました。最後なんか、フロアに突っ込んでたからね(笑)。

そうそう、彼らのようなバンドはこうでなくちゃ。正味45分程度のライヴであったが、

38歳児を鼓舞するには十分なパフォーマンスで、英国の若武者達は堂々たる初来日公演を

やり遂げたのだ。

 

 

とにかく大いなる将来性を感じさせる、未来の大器と成り得るライヴ・パフォーマンスで

あった。特にウィル氏は、狭いステージを縦横無尽に動き回る、見事なフロントマンっぷり

を魅せてくれたのだが、その歌声は常に一定のトーンを保っており、どんなにエモーションが

爆発しても、不思議なクールネスが決してぶれることなく感じ取れたことが、個人的には今回

一番の収穫である。得難い声である、ということだし、想像以上にオンリー・ワンの歌声。

逆に意外な面と言えば、あどけなさをほんのり宿した無邪気な笑顔を何度も見せたメンバーの姿

であろうか。終演後、すかさずメンバーが物販の所へ駆けつけ、積極的に観客と交流していた姿も

含めて、実にフレンドリー。英国らしい、ロンドンの知的な不良といった佇まいを予想していた

私としては、もっと不敵な態度の連中なのだろう、などと思っていたので……それもまた、今を

生きる若者のリアルな姿なのかもしれないな。

 

ともあれ、早くも次なる一手に期待せざるを得ない。もっともっと大きな存在になれるはずだし、

フジかサマソニに来ればいいのに、なんて。MCでは来年また来るといったような事を述べては

いたが、次回はより大きな舞台に立つ彼らを観たい。この夜集まったオーディエンスは皆、

そう思ったに違いない。

 

ありがとう、FORMATION。

at 23:14, 某スタッフ, Music(Live Report)

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4/9(日) After Hours'17 後編

 

 

前編の記事はこちら

 

 

●mouse on the keys

 

彼らが出るなら観ないと、ということで2ヵ月ぶりのマウス。フロアは既にぎっしりと埋まっていて、

注目度の高さを感じさせた。正直言って、ワンマンの時よりも埋まっていたような……(苦笑)。

 

いつも通りの3人の姿ではあったが、中心人物の川崎氏はフェスということもあるのか、ワンマン時

とはまた違った、異様なテンションであったことが印象深い。開演時間になって照明が暗くなった

途端、「行くぞー!!!」と叫びながら演奏を始めたのには参った。我々にとっては、そのMCというか

煽りを聞いてしまうと、自動的に某月海のヴォーカル氏を思い出してしまうから(笑)。

 

フラッシュライトの演出、サックス奏者との共演もありつつ、2人のピアニストと1人のドラマーに

よる、緩急自在のグルーヴはやはり唯一無比であるし、いつ観ても凄まじい体験を味合わせてくれる。

言うなればキラー・チューン、"spectres de mouse"辺りでは大きな歓声も巻き起こっていた。

勿論、あの脱力感満点な川崎氏によるMCも健在。が、今回は遠慮していたのかそれほど喋っては

いなかったかな(笑)。「ギャップです」とまたも言い訳のようなことを口にしていたのが面白かった。

 

今回は、ワンマン公演の時ほどの衝撃を受けることは無かったが、ラスト曲の"Leviathan"まで

貫き通したmouse on the keys美学、それは何回でも味わいたい、格別な体験なのである。

ともあれ、今回のライヴが初体験だった方、そもそも彼らの事を知らないまま観た人達にも、

この強烈なアクトの存在は脳裏に焼き付いたはずだ。

 

●DJ KRUSH

 

さすがに一時離脱して飯を食らい、休憩後に再びO-EASTへ向かう。既にパフォーマンスが始まって

いたが、説明不要のレジェンド、DJ KRUSH御代である。彼の事を知ったのは90年代の頃、もっと

言えばちょうど20年前の事なのだが……当ブログを読んでいる方々なら察しがつくかとは思うが、

勿論LUNA SEA経由で知ったのである。90年代ビジュアル系育ち故の展開で申し訳ない(笑)。

 

JとGaZaをやったり、SUGIZOやINORANのソロ作に参加したり、LUNA SEAの楽曲においても、

"SWEETEST COMA AGAIN"でフューチャリングされていたので、名前だけなら知っている、と

いった感じで。その後調べてみると、改めて文章にするのも恥ずかしいほどの伝説的存在である

という事を知った次第であるが、こうして御代のソロ・ライヴ・パフォーマンスを観ることが

できようとは、夢にも思わなかった。こういう面白味も、フェスの醍醐味の一つであろう。

 

実際、しばらく観たらENVYを観に離脱しようと考えていたのだけど、結局最後までじっくりと

観てしまった。今回のイベントの面子的には、どちらかと言えばTHA BLUE HERBと同じように

アウェイだったことが災いしたか、オーディエンスの数がそれほど多くなかったのは残念では

あったが、観れて良かったと心から思えたな。何というか、あまり観たことの無いパフォーマンス

であった。ターンテーブルを楽器のように扱い、なんて前知識がぶっとぶ程の、本物中の本物が

魅せる一流のライヴ。世界を相手に何十年も活動しているアーティストだけが持つ凄味は、勿論

その手さばきから、その一挙一動から、それこそ全身から放たれていたが、結構ラフな雰囲気も

漂っていたのが印象的。無数のビートが入り乱れ、切り刻まれ、四方八方から迫りくる様は、

言葉で表現するのが難しい程の音体験で、これをたった一人の人間が表現しているのだな、と

思うと改めて驚愕してしまう。

 

MCは一切無かったが、最初から最後までノンストップで余裕綽々な態度で突っ走り、軽く手を

挙げて去って行く姿は、何処までもクール、自然体のダンディに満ち満ちていた。天晴れ。

 

●toe

 

いよいよ大トリ。イースタンユースも観たかったが、最新作(2015年)をリリースした後のtoeを是非

観たいと思っていたので、後ろ髪引かれつつもtoeを選んだ。結果論だが、選んで正解であった。

勿論、イースタンを選んだとしても同じような事を書いていた可能性は高いが……(笑)。

 

思い返してみると、toeのライヴを観ること自体、7年前のALBUM LEAFの来日公演でゲスト参加

した時以来であった。その前は9年前のDO MAKE SAY THINKの初来日公演の時。つまりワンマン

でのtoeの公演は未だに観たことがないのだが、今回、フェスとはいえトリを務める彼らのライヴを

観ることができたというのは、やはり僥倖と言えるだろう。

 

相変わらず、O-EASTの広いステージをフルに使う、なんてことは一切無く、中央に全員が向き合う

ように集まって、ライヴは"1/21"でスタート。一発でそれと分かる彼らの音は、今回のイベントに

おいて何度となく使ってしまったので安っぽい響きになってしまうが、やはり唯一無比、圧倒的な

オリジナリティである。勿論、影響源を挙げることは出来るが(PELEとかAMERICAN FOOTBALL

とかTRISTEZAとか)、もうそういったレジェンド達の影響からとっくに脱して、むしろtoe自体が

オリジネイターとなった今、クリーンなギターの音2本とリズム隊だけで、並のロック・バンドが、

ハードコア・バンドが泣いて謝る程の強烈なグルーヴを生み出す様に、観ている私も胸の中に

言い知れぬ熱い何かが込み上げてくるのを抑えることができなかった。素晴らしい。本当に凄い。

 

何度でも書くが、彼らがそもそもハードコア、パンク系のバンド出身であったということから

生じる独特の緊張感、これは今もって健在であって、音だけ聴けば、7THコードを多用した

お洒落なサウンドとも言えるのに、ライヴでの彼らはそんなものとは百万光年も離れた位置に

いる。時にアコギを抱えたまま立ち上がり、のたうち回る山嵜廣和氏。演奏中に天を仰ぐように

叫び、顔でギターを弾きまくる美濃隆章氏。見た目からして一番ハードコア〜パンク畑の匂いが

残っていた山根敏史氏(キャップにTシャツにハーフ・パンツ!!)。こちらも顔で楽器と対峙する

タイプ、激烈なエモーションと神業クラスのドラムスで空間を支配する柏倉隆史氏。スタジオ

作品では、隙の無い、緻密なバンド・アンサンブルで構築されたサウンドを鳴らす彼らだが、

ライヴでは4人が4人共、タガが外れたようなパフォーマンスをかますのだから、最高である。

 

ライヴ後半だったか、感極まった柏倉氏は演奏終了後にドラム・セットを離れて、シンバル

投げつけてたからね。お上品なポスト・ロック、インスト・バンドなどとはまるで違う存在

なのが、toeなのだ。

 

個人的には、1ST作の"past and language"をやっていたのが嬉しかったな。私が初めてtoe

を知ったアルバムだし。もう12年も前かと思うと吃驚するが。この文章を書きながら、

久々に聴いている……音源も当然カッコいいけど、ライヴだと更にカッコいいわ。

 

山嵜氏独特のゆるーいMCも健在。マイク通さずに喋ってたから(笑)。適当な事も、真面目な

事も、自然体で緩く喋る感じは、初めて彼らのライヴを観た時と何ら変わらず。

 

「皆さんは、明日仕事を休むんでしょ?」

「まあ僕らは50年くらいバンドやってるから慣れてるけど」

 

確かこんなような事を仰っていたのだが(笑)、オーディエンスから「休みたーい」と声が上がって

いたのには笑った。私もそう思いました。はい。

 

閑話休題、本編ラスト曲は"Song Silly"。山嵜氏がヴォーカルを担当する、ミニマルな佳曲

なのだが、ライヴで聴くと異様に美しく、涙が出るほどのエモーションにやられてしまった。

演奏が終わった後の、観客の拍手や歓声も一際大きかった。

 

が、それだけでは終わらない。「皆帰る前に早めに来た」みたいなことを山嵜氏が喋りつつ

(照れ隠しなのかな、という気もした)、アンコールは"グッドバイ"。ゲスト・ヴォーカル

として土岐麻子(EX:Cymbals)がサプライズ出演したものだから、フロアは騒然となった。

静かで上品な情熱を持った土岐麻子女史のヴォーカルと、遠慮無しの激烈パフォーマンスを

かますtoeの面々とのコントラストが実に面白く、そして泣けた。温かな感動を呼び覚ます、

見事な共演であった。

 

 

終わってみれば8時間以上があっという間に過ぎたAFTER HOURSというライヴ・イベント。

まだまだ素晴らしい可能性をたくさん秘めたフェスだと思うし、定期的に開催してくれたら

実に嬉しい。その都度、タイムテーブルに頭を悩ますことになるのだろうが……(笑)。

 

ともあれ、この素敵な音楽フェスに関わった全ての人に感謝したい。本当にありがとう。

at 23:59, 某スタッフ, Music(Live Report)

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4/9(日) After Hours'17 前編

 

 

一週間経ってしまったが、鮮烈な、そして貴重な体験としてこれからもずっと記憶に

焼き付いて離れないであろうライヴ・イベント、AFTER HOURS'17に参戦してきたので、

ざっとではあるが、観たアクトについて全て書いていこう。

 

http://www.afterhours.live/ja/

 

●MONO

 

オープニング、即クライマックス。そう言い切ってもいいくらいに、およそ8年振りに観た

MONOのライヴ・パフォーマンスは、とんでもなく素晴らしかった。そうだよ、これだよ。

この轟音なんだよ。そんな事を今回連れ立った親友と、終演後に何度となく確認し合って

しまったほどに、私の知っている轟音POST ROCK(もうそんな乱暴な括りでは語れない存在

ではあるが、あえてそう呼称する)とはこういうものだ、と得心した次第である。

 

十分過ぎるほど大物である彼らだが、あえてオープニングに登場するというのが、実に

ダンディかつクールな態度であろう。前回観た時にはMCも一つも無かったし、まさにクールな

印象の4人だが、今回はお祭りということもあるのか、登場した時点で何だかリラックスして

いた雰囲気で、最初から笑顔も見せていた。美脚に視線を向けざるを得なかった紅一点の

Tamaki嬢による、イベント開始の簡単な挨拶さえあったのだから、きっとこの日を楽しみに

していたのは他ならぬ彼らであったのだろう。

 

私が彼らの音楽を聴いていたのは、実際のところ00年代の話(POST ROCK〜音響系を熱心に聴いて

いた時期自体もそう)なので、10年代以降の彼らが一体どのようなサウンドを鳴らしていたのかは

全く分からない。が、1曲目が"Ashes In The Snow"だったので思わずおお、と口走ってしまった。

セットリストを確認した限り、この曲以外は10年代以降の楽曲であったようだが、彼らは自身が

生み出し、磨き上げた基本的な音楽性から大きく外れることはなく、あまりにもストイックな

姿勢で、内に秘めたる情熱と共に、静寂と轟音を見事に操っているのだな、と感じた。

 

ギタリスト2人、Goto氏とYoda氏は座って演奏しているのが彼らの基本スタイルなのだが、特に

Goto氏はフェスならではのテンションなのか、何度も腕を振り上げ、時に立ち上がり、アンプに

向かってノイズを放出し、抑えきれないエモーションが、音に、立ち振る舞いに、全てに漲って
いたのである。

 

轟音の意味、アルペジオの美学、呼吸をすることさえ憚れるような緊張感、私が彼らのような音を

鳴らすバンドに望む全てが、此処には存在していた。但し、MONOの場合は静と動の方法論に決して

溺れることはなく、現実的な冷徹な視点が感じ取れるのが、耽美であったり夢想に逃げがちなこの手の

サウンドを鳴らすバンドの中でも、非常に独特であるなと思う。それでいて歓喜の光が垣間見える、

フィードバック・ノイズに包まれる幸福。好きな人にしか分からない、この感覚は、やはり得難い

ものがあるのだ。

 

小雨の降る渋谷の真昼間、イベントはまだ始まったばかりである。

 

●world's end girlfriend

 

こちらも私にとっては8年振りとなるライヴ。WEGのような音楽性でソロ・ユニット、というと

中心人物となるアーティストは黒子に徹するか(ライヴもやらない)、逆に全面に出てくるか、

といった2パターンがあるかと思うが、首謀者たる前田勝彦氏は確実に後者タイプなのだろう。

今回は、前回観たツイン・ドラム編成といったようなものではなく、オーソドックスなバンド

編成にヴァイオリン奏者とチェロ奏者(だったかな?)が加わっているといったものであった。

前田氏は立派にフロントマンといった雰囲気で、サムライ・ヘアーなロン毛も健在だったのが

個人的には嬉しかったな(笑)。

 

彼らに関しても、私はMONOとほとんど同じで、デビュー作から2010年リリース作品である

SEVEN IDIOTSまでしか聴いてないので、そこまでのイメージでしか語れないのだが……

今回ライヴを観て、正直なところ「?」と疑問符が付いてしまった。私がWEGの音楽で非常に

好きな、あの美と狂気が入り乱れた、毒気のあるファンタジックな音世界があまり感じられ

なかったというか……中原中也の詩の朗読も、私には全くピンとこなかった。好みの問題

でしかないのだが、8年前の感動を今も覚えていただけに、少々残念だったかも。

 

●THA BLUE HERB

 

今回、最も衝撃を受けて、最も感動したアクト。彼らの事は、日本のヒップ・ホップをほとんど

聴かない私ではあるが、昔、共に働いていた方(私より一つ年上で同じような音楽趣味を持つ)が

所謂アングラなヒップ・ホップを好んで聴いていて、アンチコンとかあの辺りの音を私に伝えて

くれたのだが、何より彼は熱狂的な熱烈なブルーハーブのファンで、やはり数回ほどアルバムを

聴かせてもらったことがあった。独創的なトラックに、独創的なMCが哲学的思想的ラップをする、

みたいな印象を持ったことは今も覚えている。もう10年以上前の話だ。

 

大体、私たちの世代でロック・サイドの人間が初めてラップなるものに触れたのは、ビースティか

レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、またはラップ・メタルであって、その後EMINEMが登場して、

みたいなパターンが結構多かったように思う。日本に目を向ければ、スチャダラパー(というよりは

"今夜はブギーバック"だが)であり、ドラゴン・アッシュであったのかもしれない。言うまでもなく、

あくまでヒップ・ホップ畑ではない79年生まれの音楽人の回想であるが、私個人はEMINEM以降、

ヒップ・ホップという音楽ジャンルの作品も良いと思ったものはガンガン聴いていた。それはこの

ブログでも書いていることだが、それでも日本のヒップ・ホップを聴こうとは思わなかったし、

思えなかったのも事実ではある。そんな37歳もうすぐ38歳の私が、日本のヒップ・ホップの歴史

において最も重要な存在の1つであろう、THA BLUE HERBのライヴ・パフォーマンスに、これほど

感動できるとは。それが、何より嬉しい驚きであったのだ。

 

正直なところ、1MCに1DJという最小限のスタイルを20年貫き通し、今も最前線で走り続けるような

アーティストのライヴが、たとえそれほど詳しくない音楽ジャンルであっても、良くないと感じる

わけがないのだと、ライヴを観る前から私は考えていた。物凄いものを見せてくれる、新たな体験に

なる、長年のライヴ体験から生まれたそんな予感は、見事に的中したということだ。

 

純然たるヒップ・ホップのライヴというものに慣れていない人間の書くことなので事実誤認や誤解

も多くあるとは思うが、曲間の喋りですら、全てがライヴ・パフォーマンスであるかのような

BOSS氏のラップ、語りは、そんな私にも強烈なインパクトを与えた。言っていることに共感する

というのではなく、ミュージシャンとしての、MCとしての圧倒的な存在感、技量、好きでも嫌い

でも無理矢理振り向かせてしまうような、一流のパフォーマンスが、私の心を捉えたのである。

 

BOSS氏自身が述べていたように、"負けず嫌いが集まる"今回のイベント、弛緩した空気の中で

パフォーマンスするようなアクトはいなかったはずだが、それでも並のロック・バンド連中が

裸足で逃げ出すほどの覚悟が、40分という与えられた時間を1秒たりとも無駄にしてたまるか、

といったような気迫が、最も感じられたのもTHA BLUE HERBであった。既に大ベテランで

ありながらも、偉大なイノベイターでありながらも、常に挑戦者なのである。"楽器何一つ

弾けない代わりに メロディを凌駕する武骨な語り"と己のアイデンティティをはっきりと提示

しつつも、異種格闘技戦を望んで受けて立つ姿勢が素晴らしい。この熱量は、幾多の困難を

乗り越えて、今も生き残り、ステージに立ち、戦い続ける男だけが持つものである。それは

ジャンル云々は関係なく、彼らの音楽そのものにチャームされたわけではない、音楽狂いの私に

とっても、そんな男達が魅せる40分間を共に過ごせたことは、本当に幸運であったと思う。


矢継ぎ早に放たれるMCを支えるトラックは多種多様で洗練されており、LIVE DJのDYE氏に

よる手さばきも、この手の音に対する音楽的語彙を持たない私が言うのもなんだが、BOSS氏

というMCの事を誰よりも理解していないと出来ない芸当であるのだなと感じた。トラックを

作っているメンバーとライヴにおけるDJが違う、という彼ら独自のスタイルも、ちゃんと

意味があるものなのだな、と。

 

AFTER HOURSに参加できたことへの喜び、DJ KRUSH氏への熱い熱いリスペクト、己との

勝負、時に惨めだった過去も赤裸々に語り(時給650円のウェイター生活、サラ金でアルバム

製作費を賄ったこと等々)、成功した自分自身への冷徹な眼差し、永遠に変わらない地元愛

……強さも弱さも兼ね備えた45歳の男は、40分間の戦いを終えて、最後に「今日、俺たちを

睨み付けてくれた」観客に向けて、誠実な感謝を述べた。

 

"出来る奴ほど謙虚"という自身の言葉を地で行く姿に嘘偽り無し、である。

at 23:50, 某スタッフ, Music(Live Report)

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4/7(金) TSUTAYA O-NEST 〜 ALCEST来日公演レポ。

 

 

右手を振り上げて観客を煽るNeige氏。今回のライヴは、このような光景を何度も観る

ことができたのは、私にとっては驚きでもあったし、興味深くもあったな。

 

前回の来日公演から早三年、ALCESTが日本に再び戻って来た。それなら観に行かなくてはと

馳せ参じてきたわけだが、結論から言えば、今回も素晴らしいライヴ体験を味わうことが

できたのだが、上述したように、色々と驚きもあったし、また違った面白味を感じる瞬間が

多くあった。以下、駆け足で感想を述べていく。

 

●Sigh

 

日本が誇る、川嶋未来氏率いるブラック〜エクストリーム・メタルの先駆的存在。それくらいしか

知識が無かったので(女性メンバーがいるんだ! なんて驚いたくらい)、その分まっさらな気持ちで

彼らのライヴを楽しめた。彼らの長い歴史における音楽的変遷を考えれば、下手にジャンルが

どうのと語るような愚は避けたいところだが、現在の彼らには、ヴァイキング・メタル的な要素も

あるのだなと感じた。とはいえ、妖精が住んでいてもおかしくないような欧州の風景などは存在

しない、あくまで日本的感性のフィルターを通した上での世界観から生まれたサウンドなのかなと。

 

ブルータルなデス・ヴォイスのみならず、アヴァンギャルドなメタルには必須(という気がする)の

サックス奏者でもあるDr. Mikannibal女史の存在感も物凄く、観ていて楽しかった。妖しいメイクも

決まっていたが、所々で盛り上がる時に跳ねまわっている姿は、可愛らしくもあったな(笑)。

 

●Vampillia

 

彼らが主催するイベントあってこそのALCEST来日なので、ともあれ感謝しかない。ALCESTの

ファンなら皆、そう思っているはずだ。

 

ライブそのものは、相変わらずベーシスト氏(今回は化粧はしていなかった、結構なイケメン)による

本気とも冗談とも取れる茶番というか前口上もありつつ、"ブルータル・オーケストラ"の名に相応しい

サウンド、ライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。音の印象としては前回感じたのとあまり変わる

ことはなかったが、むしろ、彼らの鳴らしたい音と私の感性には決定的なずれがあることが、今回

明確になったように思う。それもまた、好みというか価値観の違いであるので、致し方ないことでは

あるが。あえて苦言を呈すなら、大所帯ならではのカオティックな轟音サウンドというものは、

それぞれの役割が明確であり、必然であるからこそ成立するのだ、と私は信じていて、少なくとも

今回のライヴを観た限りでは、ヴァイオリン奏者とドラマー(RUINSの吉田達也氏!!)の技量に

頼り過ぎているようにも感じられた。両者と比べて、他のメンバーの音の存在感が負けてしまって

いるというか。

 

本人達にそんな意図などは全くないことも、重々承知の上ではあるが……。

 

●ALCEST

 

前回、私はバンドの首謀者であるネージュ氏が直接的に影響を受けたであろう、80~90年代初頭の

英国NEW WAVEやPOST PUNK、シューゲイザーは勿論のこと、90'S USオルタナ的要素を感じたと

書いたのだが、ネージュ氏が誇らしげに着ていたTシャツがダイナソーJRだったので、思わずにやりと

してしまった(笑)。相変わらず(シャツを除く)見た目だけなら思いっ切りメタラーな4人ではあったが。

 

冒頭の"Kodama"、ブルータルな一面も見せる"Je suis d'ailleurs"の2曲までは、若干乗り切れていない

雰囲気もあったが、3曲目"Ecailles De Lune - part 2"辺りからは右肩上がりで調子が上がっていき、

夢想的な美と闇、双方を巧みに表現するALCEST流儀のサウンドにすっかり没入することができた。

所謂メタル的要素が希薄であった前作Shelterと比べると、幾分かブラック的要素が強まっていた

最新作Kodamaからの楽曲中心のライヴであった為、前回のライヴよりも激しくダイナミック。

かつ、これは冒頭でも述べたように、ネージュ氏はツアーを重ねていく上で心境の変化があったの

かもしれないが、右手を振り上げて観客を煽り、クラップ・ハンズを促し、MCではちょっとした

冗談を言う場面も。何というか、フロントマンとしての自覚が出てきたように感じたな。

 

特筆すべきは、彼らの鳴らす轟音の見事な音のバランス。決してうるさすぎず、控え目でもなく、

音圧に頼り過ぎることなく、それでいて迫力あるギター・ノイズに包まれていく感覚は陶酔の一言。

ライヴ・バンドとして素晴らしいレベルに達しており、もっと大きな会場で多くの人に観て欲しい、

そんな事を前回以上に感じさせたのである。

 

ラスト曲は前回と同じく10分を超える"Délivrance"。今回唯一披露されたShelterからの楽曲

であるというのは、何やら示唆的であろう。現在のALCESTの姿を、強く印象付けたのであった。

 

終わってみれば、既に時計は23時近くなっていた。アルセストの轟音、その美学は、やはり他の

バンドでは味わえない、得難いものであることを理解した、素敵な夜であった。

 

ありがとう、ALCEST。

 

 

※2014年4月13日(日) ALCEST来日公演の記事はこちらで。

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3/6(月) 渋谷WOMB 〜 PURITY RING来日公演レポ。

 

 

随分と遅くなってしまったが、個人的には2017年初となる海外勢のライブとなった、

PURITY RINGの初となる(来日経験はフジロックのみ)単独公演に足を運んできたので、

簡単にではあるがつらつらと感想を述べていこう。

 

彼女たちことは、拙ブログにおいては大々的に取り上げたことはなかったが、アルバムは

2枚とも愛聴していたし、来日ラッシュが続く中で、きっと彼女たちのライヴは今観るべき

ものだろう……という長年のライヴ人生で培った勘に従った結果、非常に興味深いライヴを

体験することができたのだ。情報と体験とがごちゃ混ぜになって、その蓄積から生まれた

直観というのは結構信用できるものである。

 

渋谷WOMB、ライブハウスというよりかはクラブではあるが、以前このハコに行ったのは

TWO DOOR CINEMA CLUBの時か。やばい、もう6年も前じゃないか(苦笑)!! 今の彼らが

こんなハコでライヴなんてやったらパニックになってしまうだろうな。それはさておき、

残念ながら、今回の単独来日公演は、告知不足なのか知名度がそもそも低いのか分からない

のだが、完売御礼というわけにはいかなかったし、外国のお客さんが大勢いたところに、

日本における立ち位置が見えてきてしまったのも事実ではあるが、その分すんなりと

最前列付近で鑑賞することができた。

 

場内が暗転し、最初にステージに現れたのはトラックを手掛けるCorin Roddick氏。

ナイーヴそうな青年であったが、事実この夜は一言もMCを発することもなかった。

彼の手によるシンセ・サウンドが流れ始め、その後ヴォーカルと作詞を担当している

Megan Jamesが登場。彼女、なかなかに個性的な出で立ちだったのだが、ブロンドに

特徴的な太い眉、というので何故かMADONNA(87年くらいの)を思い出してしまった。

まあそんなことはいいが、ライヴは最新作Another Eternityの冒頭を飾る

"Heartsigh"でスタート、という実にオーソドックスな流れ。が、単にオケを流して

歌うなどというつまらないスタイルではなく、コリン氏を囲むように設置されている

照明……恐らくはシンセ・パッドみたいなものが付いているのだと思うが、それらを

叩く度に、その楽曲それぞれに合った色の光が浮かぶという仕掛けである。より広い

会場では、すだれのような照明演出があるようなのだが、今回それはスクリーンに

映し出された映像で代用。それでも、英国が誇る名門レーベル4ADに見初められた

という事実、その理由を端的に表すが如き、PURITY RING独自の美学は十二分に

伝わってくる。終始薄暗いフロアの中で揺らめく、光と音が交差するスペクタクル。

無論、パッドを叩くタイミングがずれたら相当恥ずかしいことになるのだが、元々は

ドラマーであったというコリン氏、リズム感覚も優れているようだ。

 

続いて披露されたのはデビュー作Shrinesから"Amenamy"。先に書いてしまうと、

今回のライヴは2枚のアルバムをバランス良くミックスしたセット・リストとなって

いて、どの曲でもイントロから歓声が上がっていたことは強調しておきたい。

 

リード・トラック"Push Pull"ではより大きな盛り上がりを見せた。ライヴで体感すると、

現代的なヒップ・ホップやダブステップなどの音楽から影響を受けたと思しきビートは、

予想以上に腰にくる重みがある。それでいて、何処か懐かしく、親しみやすい旋律を

歌い上げるミーガン女史のヴォーカルが、PURITY RINGの音楽におけるポピュラリティを

高めていることは間違いないだろう。彼女自身は、衣装等も自身が手掛け、実際にこの目で

観たライヴ・パフォーマンスも含めて、明らかにアート寄りの感性の持ち主ではあるのだろう

けど、その歌声は、しつこいようだが4AD所属のアーティストらしい、何処か神秘的な美学を

持ち合わせていながらも、高尚になり過ぎないという絶妙な魅力がある、というのは非常に

大事な事であると感じた。MCは控え目ではあったが、時折見せる笑顔は実にチャーミング。

気難しい人なのかな、と勝手に思い込んでいたが、素朴そうな雰囲気もありましたね。

個人的には、それも今回の収穫です(笑)。いざパフォーマンスとなると、己の美学に則った

世界に没入するタイプのアーティストなのだろう。

 

何となく、PURITY RINGのことを、ありがちなドリーミーなシンセ・ポップなんだろと敬遠

していた人たちは、ライヴでこそ彼女たちの音楽は体験すべきだ。こういう音楽だからこそ、

ライヴという場でどのように表現するのかでその本質も見えてくるというものだが、ふわっと

した雰囲気重視の環境音楽などではなく、繰り返しになるが、独自の"世界"をステージに現出

せしめることのできる2人なのである。彼女たちの楽曲の中では、特に攻撃的と言えるビートが

ライヴではより強調されていた"Sea Castle"辺りを体感してみるとよい。

 

楽曲は失念してしまったのだが、ミーガン女史による、うむ、何と言っていいか、扇状に

なっている、照明の集合体みたいな装置を使ったパフォーマンスも実に美しかったな。

どのような仕掛けになっているのか、手袋をしたミーガン女史が、先述した照明から

発せられる光源に触れると、指先から光が反射していくというか……なかなかお目にかかれ

ないようなパフォーマンスであった。

 

満を持して披露された"Fineshrine"で改めて大きな盛り上がりを生んだ後、長めのMCが入った。

フジロックに参加したこと、また日本に来られて嬉しいといったようなこと……奇を衒った

ような発言は一切せず、誠実な態度でこの日集まったオーディエンスに感謝の意を述べて

おりましたよ。ラスト曲は"Begin Again"。前列では合唱も生まれて、大団円でライヴは

終了。アンコールも無く、正味一時間程度のライヴではあったが、私個人としては十分満足

できる内容であった。

 

 

次回はもっと大きな会場で、演出やセットなども完璧な状態でのライヴが観たい。勿論、

いつになるのかは分からないが、新作にも期待したいものだ。

 

ありがとう、PURITY RING。

 

 

at 23:31, 某スタッフ, Music(Live Report)

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3/4(土) 東京キネマ倶楽部 〜 CREATURE CREATURE "Death Is A Flower: The Second Volume" Final

 

 

あらゆる観念の相克、その二元論の中で、冷徹な視点の先と、灼けつくような情熱とが、

絡み合い乱れ合う音魂の応酬。本物中の本物、絶対的な存在。

 

CREATURE CREATUREは、まさに1つのピークを迎えようとしている。観た人にだけ

それが分かる、濃密な3時間。共感ではない。繋がりではない。自己の覚醒を促すほどの

強烈な、鮮烈な、あまりにも美しいヘヴィネスが、此処には在るのだ。

 

というわけで、2015年6月以来のCREATURE CREATUREである。知っている人は知って

いるだろうが、この日はMORRIE御代の誕生日。毎年、バースデーライヴとしてソロで

公演を開催するのが恒例になっており、私も御代が50歳を迎えた時のライヴには足を

運んだが、今回に関してはソロでのライヴではなく、CREATURE CREATUREとしての

ライヴと相成ったわけである。

 

結論から言うと、今回ほどMORRIE哲学とでも言うべき、彼の本質に迫ることができたライヴは

個人的には初めてであったし、CREATURE CREATUREというバンドが、日本のロック・シーンに

おいて、過小評価どころか一部界隈にしか知られていないという現実に愕然としてしまった、

という何とも歯痒い気持ちにさせられたライヴでもあったのだ。好き嫌いではなく、この破格の

存在を無視する日本の音楽ジャーナリズムとやらは、一体何をしているのだと。

 

ライター仕事をしている私がそんなことを述べた時点で、それは鋭利な刃となって自分自身に

突き刺さるというのは重々承知の上ではあるが、ともあれ苦言を呈したくなるのは致し方ない。

それほど凄いライヴを見せてくれるのだから。

 

 

16時半開場と随分早い時間設定ではあったが、結局客を会場に入れたのは17時過ぎになってから。

リハーサルが押したのかどうかは分からないが、開演自体も30分強押し、18時を少し過ぎた辺り

となった。SEと共に現れたメンバー、ヘアー・スタイルから出で立ちまでいつも通りばっちり

メイクを決めたHIRO氏の姿を見て、思わずガッツポーズですよ(心の中で)。SHINOBU氏は

貴公子的な出で立ち、人時氏はパーマをかけたお洒落な髪でファッション的には割合にラフ。

ササブチ氏は……アイライン程度には化粧を施しているものの、限りなくラフ(笑)。前回観た

時は髪型もメイクもがっつり、といった感じであったが、このバンドのライヴではそんな化粧も

すぐ落ちると理解したのかもしれない。観るたびに逞しくなっていく肩幅からして、そんな風に

邪推してしまった。

 

美しくも黒い男達の中で、一際輝く艶やかな華のような存在、ヴァイオリニストにしてMORRIE氏

の愛妻、Heather Paauwe女史が登場した瞬間、どよめきと温かい拍手が巻き起こったのが印象的。

事前告知は無かったように思われるし、今回はソロ公演ではないから、恒例となっているゲスト・

ミュージシャンの参加は無いとオーディエンス側も考えていたからだろう。この面子に混じって

歌う清春氏なんて想像できないし(笑)。人時氏と並ぶなんて、照れくさいんじゃないかなと。

 

閑話休題。最後に登場したMORRIE氏、いつからかその肉塊が朽ちていくのを止める術を、何者

からか伝授されたのではないかと疑いたくなるほどに、恐ろしく変わらない御姿のまま。

妖気すら放たれる圧倒的オーラを全身感じつつ、ライヴは幕を開けた。

 

ツアー・タイトル通り、新曲中心で構成されたセット・リストは、全国流通の発売まで購入を

控えている私としては、非常に興味深いものがあった。ツアー最終日ということもあって、

新曲もライヴを重ねていく上で、よりこなれたものになっていったことは想像に難く無いし、

一流のミュージシャンが、己の技量の全てでもって挑む楽曲群は、更に複雑に、更にヘヴィに、

鮮烈な、強烈な異形の美を生み出しており、グルーヴに身を任すことさえも容易に許さない

ような、高潔な美学に満ち満ちており、明らかにバンドが過去の音源とは全く違う次元に突入

したことを、如実に示すものであろう。それ故に、最新作メインで進行していった前半に

おいては、披露された過去曲が"Phallus Phaser""Black Hole"といったプログレッシヴな

構造を持った楽曲であったことも、実に明確なバンド側の意思が働いていることは間違いない。

 

MORRIE氏自ら、「5人目のメンバー」として紹介された……え? 5人? とその場にいた誰もが

思ったはずだが、ライヴ後半で「6人目だね」とこっそり訂正されておりました(笑)、麗しの

奥様Heather女史を呼び寄せ、3曲ほど6人でのCREATURE CREATUREを披露。単に美しい

だけでない、時に狂おしいノイズをも放出するヴァイオリンが重なると、相乗効果抜群で

ある。個人的には"天醜爛漫"が特に良かったな。7拍子からサビで3拍子へと移行していく

ドラマティックな構造を持った楽曲だが、人時氏とササブチ氏のリズム隊によるプレイが

非常に素晴らしかった。HIRO氏のギターとヘザー女史(彼女自らHIROの元へとやってきた

というのがミソ)のヴァイオリンの濃厚なセッション的展開は燃えましたな。お互い一歩も

譲らない、といったような雰囲気が実にクール、超カッコいい。

 

この辺りでMCが入ったと思うが、ツアーファイナルということで、メンバー全員に喋らせる

MORRIE氏。「最後にすると面倒になる」という理由でササブチ氏がトップバッターを務めて

いたのには笑ったが、「お酒が美味しかったな〜」というのを繰り返すだけで、ああ成程と(笑)。

人時氏は彼らしい人柄の出た、実に真面目な感想。SHINOBU氏は「楽しい、終わりたくない」

といった正直な言葉を述べていた。HIRO氏は、ツアー中の思い出なども語りつつ、人時氏の

コーラスの練習を邪魔した、などといったお茶目な一面も。嗚呼、ラクリマのメンバーが

黒夢のメンバーのコーラスの練習を邪魔する日が来るとは……などと私のような90年代男

からすれば、何とも感慨深い気持ちにさせられたな。似たようなことはもう何遍も書いて

いるような気もするが、何遍でも書きたいのだ。

 

後半戦はそれこそ90年代ビジュアル系の魂や此処に、と言うべき"楽園"を皮切りに、凄まじい

テンションで突っ走る。53歳のMORRIE氏、何ら疲れを見せるようなこともなく、咽喉の調子も

絶好調。今回特に感じたのは、時折挟み込まれるオーディエンスへの男気溢れる煽りが、

いかにも80年代ジャパン・メタルという出自を感じさせるのが、また良い。今回は特にそれを

感じたな。2015年のライヴの時点で既に演奏されていた、"Decadent Angel"ではMORRIE氏

自ら「人時!!」と叫び、作曲者の人時氏がステージ前に来て、いかにも彼らしいベース・ライン

を弾き倒す。"Amor Fati" "SEXUS" "Dead Rider"と定番曲を立て続けに叩き付け、ラストは

MORRIE氏の「ササブチ、最速!!!!」という無慈悲な指令が下り(笑。ササブチ氏、死にそうな

顔してたなあ)、激烈な"Swan"で〆。並の20代30代のロック・バンド達が裸足で逃げ出す

であろう強烈過ぎるパワーに、37歳の私も鼓舞される思いであった。

 

アンコールは各自のソロからスタートで、まずはササブチ氏がビートを刻み、人時氏が現れ

ベース・ソロを披露。これがまた、黒夢でのアヴァンギャルド寄りのソロ・タイムとはまるで

違う、オーソドックスなプレイであったのが印象的だ。スラップとかバリバリやってたし。

続いてSHINOBU氏が登場して流麗なソロを、少し時間を置いて登場したHIRO氏も、さすがの

余裕綽々なプレイで魅せた。やはり一流のミュージシャンによるこういうセッション・タイムも、

実に贅沢なライヴの貴重な一時である。

 

その後、何とステージ下から(!)MORRIE氏が登場し、セッションからそのまま曲へと雪崩れ

……と思ったら。演奏がストップしてMORRIE氏が思わず苦笑い。そのままHIRO氏による

ハッピー・バースデーのメロディがプレイされ、オーディエンスの合唱に包まれました。

 

「来ると思ってたけど忘れてた」なんて仰っていたMORRIE氏、「男の子なんで泣きません」

みたいなことまで口にしていたが、とても嬉しそう。

 

が、この後MORRIE氏がおもむろに語り出した話は、私にとっては、これ以上は無いほどに

MORRIE氏が見据えている世界、その一端を理解するにあたり、非常に重要なものとなった。

ある意味、ライヴそのものよりも貴重だったかもしれぬ。長くなるのでこの辺りは割愛しよう。

 

仕切り直しで披露されたのは"ゾーン"。ワウの効いたギターとグルーヴィンなベースが

エロティックですらある。ヘザー女史が再度登場して"Pysche"も披露されたが、残念ながら

機材の調子が悪く、ヴァイオリンの音が前半は出ていなかった。こんな時、思いっ切り

苛立ちをあからさまに出していたのが、やっぱり外国の女性だな〜なんて妙なところで

感心してしまった(笑)。旦那の晴れ舞台なのに!! って感じで、正直そんな一面も素敵

でしたな。その後は、HIRO氏の「何処へ?」という煽りからの「エデンまでー!!」という

コール&レスポンスもあった"エデンまで"、ラストの"Aurora"まで一切の中だるみもなく

バンドは一丸となって駆け抜けた。全員がステージを後にしてからも拍手は鳴りやまず、

再び全員(含むヘザー女史)出てきて、ステージ中央に集まって肩を組んで深々と一礼。

3時間に及ぶライヴは幕を閉じた。

 

 

何度も書いていることだが、先鋭的なヘヴィネスを試みているバンドに少しでも興味が

あるのなら、必ずCREATURE CREATUREを聴いてもらいたい。現代的なメタルコアや

Djentといったヘヴィ・ロックでは絶対に得ることのできない快楽愉悦が味わるはずだ。

ISISやTOOL、完全にプログレ化する前のOPETH等々、好きな人達も是非聴くべし。

 

なんて、ライター仕事の延長みたいになってしまったが(笑)、とにかくもっともっと

多くの人に聴いてもらいたい音なのだ。無論、大衆向けの音楽ではまるでないし、

聴く人を選ぶ音楽であることは間違いないのだが、そろそろO-EASTやリキッドルーム

辺りのハコで観たいのだ。もっといえばフェスの大舞台で演奏する彼らが観たい。

 

でも、そもそもフェスとかは美学に反するのかな(苦笑)。ともあれ、今年6月には再び

ツアーも始まるCC。できれば、もう1回観ておきたい。

 

今回も素晴らしい一夜を過ごすことができた。ありがとう、CREATURE CREATURE。

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2/8 (水) 渋谷WWW X 〜 mouse on the keys OUT OF BODY TOUR 2017 w/LITE

 

 

ここ数日、ホッとしたことやら訃報にショックを受けたりその他トラブルもありつつ、

ようやく2017年のライヴ初めについて書き出している自分。まあそんな内輪の話は

どうでもいいとして、偶然にも私にとっては約1年ぶりとなるMOUSE ON THE KEYSの

ライヴが、今年初のライヴ参戦になろうとは。何とも光栄なことである。しかも去年の公演

と同じく、LITEがゲスト参加という時点で、偶然だと言いつつも必然の展開であったのかな、

などと考えている。そう解釈した方が面白い。

 

渋谷WWW Xというハコ自体、個人的に初めて足を踏み入れるハコであったのだが、ちょうど

良いサイズ感……キャパ600くらいかな。センター付近、前から3列目という場所を確保できた

こともあって、前回の公演以上に、各プレイヤーのパフォーマンス、表情やら動きをじっくりと

観ることができた。以下、レポ。

 

●LITE

 

数日前にWWWXでワンマン公演をしたばかりという彼ら、結成から10年以上が過ぎた今、

黄金期を迎えているのではないかと思わせるパフォーマンスで、40分という短い時間では

あったが、彼らの追求してきた、そして追求し続けるLITE流のサウンドを叩き付けてくれた。

いや、勿論ファンでもない私がそのような偉そうなことを言えた義理ではないのだが、去年

観た時以上に、ギター、ベース、ドラムス、同期物も含めて、全ての音がダイレクトにそして

ダイナミックに私の五臓六腑に突き刺さってきたのだ。

 

ディストーションの音圧に頼るのではなく、単音のギター・リフが複雑に絡み合いながら、

図太いベース・ラインが喧嘩をふっかけるように空間を動き回り、激しく畳みかけるドラムスが

渾然一体となって迫りくる様は、所謂ポスト・ロック〜マス・ロック流儀のそれではあるが、

そこに日本人独特の繊細な感性が、目に見えぬワイヤーのように一音一音に込められている

辺りが素晴らしい。適度な緊張感、間を操る技術の高さ、どれをとっても一級品であろう。

海外での評価も当然と言えるものがある。

 

MCは……やっぱり朴訥でナイーブな雰囲気であったが(笑)、主に喋りを担当しているギタリストの

武田信幸氏は、何と行政書士としての顔を持っている。現代のバンド・シーンにおけるビジネスの

在り方、生活と芸術との折り合いのつけ方、それは人それぞれであろうが、こういった選択もある

のだな、と彼より2つ年上の私としては、正直感心してしまった。90年代のCDバブル、一介のロック

バンドが稼ぎに稼いでいたあの狂乱の時代を知る世代でもあるだろうから、色々と複雑な気持ちには

なってしまうが……。

 

閑話休題。後半にはMOUSE〜におけるサックス奏者である根本潤(EX:there is a light that never

goes out!!)氏がヴォーカル(?)として参加、異様な印象を残して去って行きました。一種の前衛、

アングラ的なパフォーマンスであったので、受け付けない人は受け付けないだろうといった感じ

ではあったが、これはこれで楽しめました。ふと思ったのが、LITEがヴォーカル有のバンドで

あったらどうなっていただろうということ。いつだったか、CINEMA STAFFを観た時のことも

同時に思い出された。若い音楽好きの連中は、"残響系"などという言葉を普通に使っているそう

だが、確かに、直接的に00年代以降のポスト・ロック勢が鳴らしていたギター・リフであったり、

バンド・アンサンブルの方法論を上手くJ-POPと結びつけているバンドは今の時代大勢いる。が、

LITEはゲストでのヴォーカル参加はあれど、基本的にはインスト・バンドとしての矜持を今も

保ち続けているところに、改めて感じ入るものがあった。

 

ラスト、暴れに暴れてノイズを放出し、さっと切り上げる潔さも良い。やはり、貫き通している

バンドというものは、好き嫌いは超越して、断固として支持したい。

 

●mouse on the keys

 

今回は眼前にて彼らの卓越したパフォーマンスが観ることが出来る、なんてワクワクしながら

セッティング時間が過ぎるのを待っていたが、いつも通り黒を基調としたシックなファッションで

統一したメンバーが現れた瞬間、フロアは一種の緊張感に包まれた。"持っている"バンドという

のは、こういうところにも他のバンドとの違いが出るものである。

 

結論から言うと、どの曲をやってとかどの曲が良かったとかそういう次元を超えて、マウスによる

ライヴというのは、1つの大いなる体験であると今回も再確認した次第である。先月リリースされた

ミニアルバム、OUT OF BODY……"臨死体験"というダークで沈み込むような世界観を基調と

しながらも、定番曲も織り交ぜつつ、フラッシュ・ライトによる効果的な演出も含めて、光と闇の

コントラスト、激情と静寂、相反する美がせめぎ合う、その全てがMOUSE ON THE KEYSのライヴ

でないと味わえない、刺激的な"体験"なのだ。

 

彼らの作品群の(イントロを除いて)冒頭を飾る"Leviathan""spectres de mouse""AOM"

といった、激烈なドラムスとピアノとの応酬で繰り広げられるタイプの楽曲などは、まさに圧巻

としか言えないものがあって、うわ、凄いぞと声に出してしまいそうになるほど。川崎氏の

ドラムス、目の前で観ると改めて分かるが、本当にとんでもない。単に手数が多いとかそういう

問題ではなく、子供のような無邪気な笑顔を浮かべたかと思えば、取り憑かれたような表情で

鬼神の如きプレイに没頭する姿は恐ろしいほどだ。前衛的な音楽を愛しながらも、刻み込まれた

ハードコア魂は、恐らく彼の指先にまで宿っており、その一打一打に息をのむほどの緊迫感

があり、空間の絶対的支配者にも、美しいピアノの音色、その伴侶にもなれるドラマーなので

ある。間近で観ることができた最もなメリットとして、あくまで個人的なメリットだが、前回の

ライヴでは把握しきれなかった、ピアニスト2人のそれぞれの役割分担も今回はっきりと分かった、

という事が挙げられる。川崎氏と同じく元NINE DAYS WONDERの清田敦氏が主旋律を弾く

パターンが多く、新留大介氏はメロディは勿論のこと、ギターでいうバッキング、いや、

そんな単純なものではないのだが、曲によってはシンセ・ベースを弾く割合もかなり多かった。

元々は川崎氏と清田氏で始めたMOUSE、最初は川崎氏がドラムとキーボードを担当という

アクロバティックなこともやっていたが、本当に今更ながら、新留氏の加入は物凄く大きかった

のだろうなあと。

 

楽曲によって上述したサックス奏者根本氏、トランペット奏者の佐々木氏大輔氏も加わり、

モノクロの男達による、どんな色よりも鮮やかな、艶やかな色彩が散りばめられた美しい

世界は観る者の心を捉えて離さない。プレイヤーの技術の素晴らしさ、強烈なパフォーマンス

はもとより、例えば"forgotten children"のような、まるで少年が家路を急ぐ姿が想起される

ような、何処かノスタルジックなメロディ、旋律にハッとさせられる瞬間は、まさに至福。

サポート2人のソロ・パート的な場面もあり、そこから一気に曲に雪崩れ込む様も、快感の

一言。曲間で、川崎氏が大声でカウントを取ったりするところも、実に良い。

 

そんな川崎氏、いや川崎先生と呼びたい(笑)が、今回もMC用のマイクが設置されており、

思う存分語っておりましたよ。彼は20世紀以降のポピュラー音楽史について講師として

教えている、なんてことも行っているそうで(だから先生)、その辺りについても色々と

もう喋る喋る(笑)。こちらが講義を受ける学生になったような気分になってしまった。

が、今回は珍しく(?)、寡黙なピアニストの1人、清田氏に去年のアメリカ・ツアーの

件で話を振っておりました。清田氏、喋るとイメージの100倍くらいマジでナイーブな

お方です(笑)。はにかんだような喋り方は、彼の鳴らす繊細なメロディに直結しているが

如き。とはいえ、川崎氏はこのように仰ってました。

 

「MCと音楽性は別ですよ」

 

mouse on the keysは、前回の記事でも述べたように、単なるポスト・ロックというわけ

ではなく、ニュージャズというわけでもなく、ある意味最もナイーブな男、川崎氏の人生経験

やら豊富な音楽知識、インタビューを読む限り、かなりの読者家でもあり、その時々で興味を

持った哲学などから生まれる美学を中心として、核となる絶対的な個性を持ち合わせながらも、

多面的な魅力に満ちた、言うなればクロスオーヴァ―な存在である。今、同時代に彼らのような

バンドが活動していて、ライヴも精力的にこなしていること自体、感謝すべきことなのだと。

少なくとも私は、たった2回しか彼らのライヴを観ていない私ですら、そのように考えるのが、

mouse on the keysなのである。

 

とはいえ、MCもそうだがシリアス一辺倒でないのが彼らの面白いところ。ダブル・アンコール

では川崎氏がヴォーカル(!)としてフロントに立ち、まさかのナパーム・デス大会(笑)。

例の楽曲、"You Suffer"をやってました。ラウドパーク09でナパーム・デスを観たことが

フラッシュバックしてしまった……。

 

 

無邪気なミュージシャン、音楽馬鹿としての一面も必要以上に見せた(笑)今回のライヴも、

総じて素晴らしいものであった。次は4月にまた彼らと会える。楽しみだ。

 

ありがとう、mouse on the keys & LITE。

at 23:37, 某スタッフ, Music(Live Report)

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