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madeleine(demo)
by Mizutamari (From Japan)
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BUCK-TICK 「SIX/NINE」




1995年の今日、バクチクにとっては通算7枚目となるアルバムSIX/NINEがリリース
された。本作はオリコン・チャート初登場1位(これほどに濃いアルバムが!!)を獲得して
いるのだが、つまり先週のfeminismと入れ替わりで1位になったということになる。
そう考えると、やはり90年代は恐ろしく素敵な時代であった。

拙ブログにて何度か書いた通り、本作は私が初めて本格的にB-Tの音楽に接することに
なったアルバムである。どのようにこのアルバムに辿り着いたのか、今となっては
はっきりと思い出せないというのが正直なところなのだが、おそらくは衛星放送だった
はずだが、そこで流れていた本作の全PVをビデオに録画して観たのが最初か……もしくは
先行シングルの"唄""鼓動"を聴いて知ったか、といった感じであったと思う。曖昧では
あるが、初回盤をきっちり買っていることを考えると、例の回収騒ぎ前には本作を入手
していたことになる。

改めてB-Tの歴史を遡ってみると、彼らは例の今井氏逮捕というアクシデントを乗り越えて
89年の終わりに東京ドームでのライブを成功させ、翌年には「悪の華」をリリースして独自の
スタンスを完全に築き上げた時点で、所謂スターダムという意味におけるキャリアの頂点に
達したのではないか。その後は、勿論紆余曲折あったにせよ、時代の流行り廃りなどとは
まるで無縁の、まさに孤高のスタンスで素晴らしい作品群を生み続けることになるわけだ。
勿論、商業的な成功も引き続き収めるのだから、彼らの凄さは今更ながら驚嘆に値する
ものだということは、音楽史に刻まれた厳然たる事実であろう。

ただ、私が中学の時には、文化祭などで先輩達が"JUPITER""ICONOCLASM"をカバー
していたことを思い出すが、誤解を恐れずに言えば、私より上の世代にとってのB-Tと、
私が初めて本格的に体験したB-Tとでは、若干のずれを感じるのである。B-Tの音楽性は
あまりにも多種多様である為、そういったずれに直面するのだろうが、"メジャーな"バンド
としてB-Tを意識していた方々と、既に新たなステージへと突入していたB-Tに魅せられた
私のような人間との意識の差なのだろう、と理解している。

私個人としては、彼らとの最初の出会いがSIX/NINEであったこと。その思い出に、
心から「感謝したい」。そんな個人的な想いだけを込めて、本稿を書き進めていこう。

1.Loop

「真・女神転生」みたい、なんて感想を抱いた記憶が、僅かにある(笑)。70分超えの
大作を飾るオープニング曲だが、今井氏が手掛けたアンビエント風のトラックに、
櫻井氏の独白のようなポエトリーリーディングが乗る、という構成になっている。
1分2分程度の、よくあるSE風の曲とは違い、4分30秒弱に渡り繰り広げられる
世界観は何処か物悲しくも、B-T特有の明るさを感じさせ、今も変わらない櫻井氏の
根底に流れる死生観のようなものが、はっきりと提示されているのが興味深い。

2.love letter

おそらくはダウン・チューニングを施した、全英語詩のヘヴィな楽曲。同時代における
グランジ〜オルタナを多分に意識した楽曲となっており、以前にも言及したように、
こういったへヴィネスを00年代以降のバンドはあまりにも学んでいないことが残念で
ならない。前作darker than darkness -style 93-からの流れを引き継いでいる曲でも
ある。B-Tの、言ってしまえばリアルタイムの洋楽からの影響をタイムラグも無く吸収、
昇華してきた創造性は、もっと評価されるべきであろう。

3.君のヴァニラ

2012年の日本武道館ライブでも披露していたことが思い出されるが、この手のシニカルで
毒気たっぷり、下世話でいて冷徹な知性が根底に横たわるようなキャラクター像を演じ
させたら、櫻井氏の右に出るものはいない。おそらく、この後も同じようなことに何度も
言及すると思うので今から先手を打っておく(笑)。

サウンド・プロダクションも意図的にチープな音像になっており(ドラムは顕著に)、場末の
キャバレーを思わせる雰囲気は外連味たっぷり。こういうベース、ユータ氏はほんとに上手い。
00年代以降のマリリン・マンソンなんかは、この手のムードがある曲を好んでやっている気が
するが、B-Tの方が数年早い。流石。

4.鼓動

当時、アニイだったかな。「今まで今井が作った曲の中で一番ポップ」みたいな事を雑誌の
インタビューで口にしていた記憶があるが、7分近い大作でもあり、詰め込まれた音も非常に
情報量が多いアレンジでもあり、それでいて素晴らしくキャッチ―な曲であるので、アニイの
言う事も成程、と思わせるものがある。コードやメロディを取り出せばUKロック風の、割合に
シンプルな曲なのだが、最後まで飽きさせることもなく、壮大であまりにも美しい音世界を
作り上げた。夢幻的なイメージを提示しながらも、櫻井氏のはっきりとした発声で歌われる
歌詞の素晴らしさは、確かな現実を感じさせる。生への喜びすら感じるのだ。

「ごめんなさい ありがとう」

5.限りなく鼠

「360度夢見勝ちの俺は 罠にはまった鼠みたいだ」

こんな歌詞、タイトルは櫻井氏にしか出てきません。激ヘヴィなギターと極端に低音かつ
エフェクターのかかった声で歌うメロディ(と言っていいのか分からないが)が重々しい。
メタルコア由来の音で、グロウルすればヘヴィになると勘違いしている輩は、こういう
B-T流へヴィネスから色々と吸収するべし。

6.楽園(祈り 希い)

この曲は曰くつきなので、詳しい言及は避ける。現代に至っては、当時以上にまずい反応が
発生するに違いない曲だ(苦笑)。とはいえ、歌詞はいかにも櫻井氏らしい、楽園という言葉を
逆説的に捉えたような世界を作り出している。

7.細い線

大好きです(笑)。妖しい電子音ノイズが飛び交うイントロ、インダストリアル風のギターと
リズム隊、そしてこの歌詞とメロディ。素晴らしい。「俺」「僕」「私」と巧みに主語を使い分ける
櫻井氏の真骨頂である。使用する主語によって、性格の違うキャラクターを演出していると
いったような事を櫻井氏は過去に述べていた。1曲の中で3つのキャラクター像がある、という
ことになるのだが、どれを演じても櫻井氏の独壇場。いつの日かライブで聴いてみたい。

8.Somewhere Nowhere

車で首都高速を走った時の……といったようなテーマはWIKIにも書いてることなのだが、
それってよくよく考えると、ほとんどギャグである。首都高速で迷ったあっちゃんが、

「完全に迷った、クソ!」「誰か! 誰か!」「あ、もしかして」「へっ、分かったぜ」「こっちだ!!」

……とか言っているのを想像すると……いや、こういうのをさらりとやってしまうB-Tって
やっぱり凄いなあ。

9.相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き溜まり

完全に今井氏の独壇場beautyな世界。歌詞を読むと、櫻井氏と今井氏との資質の明らかな
違いを感じさせるのもまた面白い。サウンド面においても、今井氏の(当時の)趣味嗜好が
完全に表現された結果だと思うが、裏の主役はユータ氏による、腰に響くベースだろう。
何処かオリエンタル風味なギター・フレーズも良い。

10.デタラメ野郎

もー大好きです(笑)。最高。いかにも今井氏なギター・リフ、絶妙に絡む星野氏による
バッキング、シンプルかつタイトにボトムを支えるリズム隊、とB-Tの基本を踏襲しつつ、
やはりこんな歌詞とメロディ、キャラクター像は櫻井氏にしか成しえない所業であろう。

「友達が欲しい たった一人だけ」などと叫ぶ櫻井氏に、自己顕示欲の固まりな癖に、自分が
作り上げた程度の低い悲壮感の中で呟いているような、そういった自称「個性的な世界観を
持った(00年代以降にありがちな)ヴォーカリスト」と名乗る輩特有の浅はかさは、まるで
感じられないというのは強調しておこう。

「笑いたかったら笑え」

11.密室

珠玉のバラードを多く生み出した星野氏の仕事の中でも、私にとっては1位2位を争う名曲。
この曲はPV映像も素晴らしいので是非観て頂きたいが、独善的な、偏執的な、弱弱しい
強がりと虚勢、異常なまでに強い愛情、そういったフェティシズムが赤裸々に表現された
楽曲であり、洋楽でも邦楽でもないような、不思議な質感を持ったサウンド・アレンジが
独創的で美しい。アブストラクトなシンセ、サビのノイジーなギターも素晴らしいが、特に
ユータ氏のベース、アニイのドラムスは、まるで主人公の鬱々とした感情のうねりを表して
いるかのような、素晴らしい仕事ぶりである。

櫻井氏の歌詞、及び絶唱は、彼が唯一無比の存在であることを如実に示している。他者が
容易に真似することなどは到底できない、詩人でありヴォーカリストなのだ。

12.Kick (大地を蹴る男)

これも最高です。……いやまあ、とにかくこのアルバムが好きで仕方ないということなのだが、
ユータ氏のグル―ヴィなベースとチープなエレクトロ・ビートで始まるこの曲は、アルバムの
中でも例外的に爽やかで明るい、一種のユーモアに溢れた空気感を持っている。あくまで表面的
ではあるが。エフェクトが全体的に施された冒頭から、バンド・サウンドへと変貌していく様が
鮮烈でクール。不思議とこの楽曲の持つ雰囲気やアレンジは、今のB-Tを聴いている人にとっても
違和感のないもの、という気がする。はっきりとした理由があるわけではないが……。

見事にポップなメロディだが、深遠な櫻井氏の視点は歌詞にきっちりと刻まれている。

「道化師 歌え歌えこれが運命 闇の真実に帰るんだ」

13.愛しのロックスター

ワウの効いたバッキングと、裏メロ風のフレーズを奏でるギターが何ともグラマラスである。
幾らでも典型的なカッコいいロック・ソングにすることも出来ただろうが、あえて茶化したような
世界を作ってしまうのがB-Tの真骨頂である。こういったパブリックなロックスターが抱える、
情けない本性、みたいなキャラクター像も櫻井氏の得意とするところだろう(自分自身の事を歌って
いるとのこと)。それに加えて、DER ZIBETのISSAY氏とデュエットという濃さ。濃密過ぎる。
痛烈な自己批判であり、まさに道化を演じているのだが、それでいてわざとらしい、痛々しい
雰囲気が無い、というはB-T一流のバランス感覚であろう。

14.唄

95年と言えば、カート・コバーンの急死から1年が過ぎており、英国ではBRIT-POPが全盛となり、
アメリカではまだまだグランジ〜オルタナ的な音が幅を利かせていながらも、グリーンデイなんかも
大ブレイクした年である。DEFTONESのデビュー作も95年(前年にはKORNがデビューしている)だ。
勿論、その他様々なジャンルにおいて歴史的なアルバムが多数出た年なので全てに言及は出来ないが、
そんな年にB-Tがシングル曲として提示したのがこの曲であり、このへヴィネスであった。

現代のヘヴィな音のように、整理されて隙のない音作りとは違う、ダーティなギターの歪みが
とてつもなくカッコいい。この曲で某歌番組に出た、ということも今となっては歴史の一部であろう。

強烈な愛、そして命を歌う歌詞も最高。この曲に関しては、メンバーが思い思いのキャラクターに
扮したPV映像にも注目されたい。ちなみに、WIKIにはこのように書かれているのだが、私の記憶
では、あっちゃんは「謎の紳士」でユータは「よくいるロック・ファン」だったはず……全員が有名人の
コスプレではない、というのが面白いみたいな事が書いてあったという記憶もあるのだが、まあ
如何せん20年前の記憶なので、確証は無い(笑)。

15.見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ

最高。そうとしか言えないのだが、あえて言えば私はアルバム・バージョンよりシングル・カット
されたバージョンの方が好きなんだよなあ。歌詞もアレンジも。勿論こちらも大好きだけど。

とにかく、ド頭のギターとこのタイトルで全ては決定付けられている、と言えよう。こんな曲を
作ってしまったBUCK-TICKには、何かもっとまるで違う評価が必要なのではないかと悩んでしまう。
それほどまでに、25年を超えるB-Tの歴史の中でも、特に重要な楽曲の1つであると私は考えている。

アルバム版とシングル版、どちらにも共通しているテーマは、真実の探求である。とはいえ
そこは櫻井氏であるからして、よくある一般的な、平坦な真実ではなく、逆説的な、皮肉めいた
真実の拠り所を渇望しているのだ。答えの無い答えにのたうち回っているような歌詞を読みながら、
じっくりと聴いて欲しい。

16.Loop MARK II

そして流転していく。輪廻。陰と陽。



本作リリース後のB-Tのディスコグラフィに目を向けてみると、シングル集をリリースした後に、
96年にはCOSMOSを、97年にはSEXY STREAM LINERを発表しているのだ。個人の精神面に
おいては様々な葛藤もあったとは思うが、それにしても物凄いクリエイティビティである。初期
からのファンにとっては複雑なものがあったのだろうが、やはり90年代におけるB-Tの歩みは
いかにも90年代という時代が如実に反映されており、その素晴らしい作品群に立ち会うことが
できた私は、いかにも幸せな10代を過ごしたと言えよう。色々な作品、バンドに同じような
感想を述べているじゃないかと思われるだろうが、真実、様々な作品及びバンド、アーティストに
対して、このような想いを抱くことが出来た、豊潤な音楽文化が存在していた時代なのだと書いて
おこう。何もかもが新鮮だった10代の思い出、という特殊な事情もあるだろうが。

ともあれ、SIX/NINEというアルバムから感じ取れる音楽的背景から、多くの洋楽を学んだことも
あり、本作が提示した音楽博覧会のような世界は、私にとっては限りなく先鋭的で、優秀な教師の
ような存在であったのかもしれない。

at 00:00, 某ライター, Music(20th Anniversary)

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comment
蛆癒え, 2015/05/18 11:23 PM

94,95年はとんでもなかったですね。

これまた、超名盤!!

これこそ真のヘヴィネス。
この黒い耽美な世界に蕩けそうです。

生と死、偏執的な愛に彩られたナルシス地獄。
これが受け入れられてたとは、みんな狂っちまってましたね。

今聴くと、前作のダビーな音と暗い世界は共有して、よりメロディアスな楽曲が多くて、2枚組として考えられそうですね。
なんかイヤだけど(笑)

あと、世界観と徹底的に作り込まれたところはLUNA SEAのIMAGEとも近い気がしました。

密室ほどの気が触れたバラードは他では絶対できないくらいオリジナルですね。

このアルバムに感謝したい、心から。

某スタッフ, 2015/05/20 10:35 PM

>蛆癒えさん

結局はそこですよね。徹底的に作り込まれた世界観。それでいて
自由なんですよ。B-Tはそこが素晴らしいと思います。

そして、我々はどのようにこのアルバムを知ったのか、今も尚
思い出せないのですが・・・(笑)。

ともあれ、感謝したいですよね。心から。

足音, 2018/07/14 1:40 AM

こんばんは。
20数年ぶりにこれを聴いて、ここへたどり着きました。
夜道で聴きながらゆらゆら考えていたことをまとめてもらったような文章にかなりスカッとしました。
他の記事もじっくり読ませてもらいます。
感謝したい!

某スタッフ, 2018/07/14 3:01 PM

>足音さん

初めまして、拙ブログの記事をお読み頂いてありがとうございます!!

B-Tの凄味は、作品リリースから時を経て、改めて時代が再認識するもの
という気がしております。そのきっかけとして、拙文が少しでも役に
立てたなのなら光栄です。

全然更新できてないブログですが(苦笑)、お暇な時にでもまた遊びに
いらして頂ければ幸いです。

足音, 2018/07/16 4:24 PM

過去に聴いたものに言及するって、かなり大事ですよね。人に紹介するにも妄想を含んででも、理解していないと機会を逃すわけですから。
世代がそんな遠くなさそうなので嬉しいです笑
これからも楽しみにしてます。










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