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by Mizutamari (From Japan)
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MANSUN 「ATTACK OF THE GREY LANTERN」

 

 

1997年の今日、当時英国ロックの若手有望株として期待されていた、MANSUNのデビュー作
となるATTACK OF THE GREY LANTERNがリリースされた。日本先行発売という待遇で、

今も昔も変わらぬ、英国美形ロック・バンドに対する我が国の音楽ファンの異様な情熱が

感じ取れるというものだが(私もその1人となってしまったことは、当然言うまでもない)、

ともあれ、90年代英国で猛威を振るったムーブメント、所謂ブリットポップがブラーの

デーモン・アルバーン氏の例の宣言によって事実上終焉を迎えた1997年において、本作に

込められた濃厚過ぎるほどの英国臭は、前年に、主にスウェード等のバンドによって、英国の

素晴らしさに開眼していた私にとっては、ある種の決定打であったのだろう。考えてみれば、

当時聴いていたUSオルタナ勢、スマパンやNINにしても、それこそビジュアル系にしても、

英国ロックからの影響が強いバンドが多いことに気付いたのもその頃であった。運命という

よりも、宿命であったのだと今改めて感じ入った次第である。そもそも、リリース20周年を

記念して書いている本稿の連載記事において、初めて取り上げる洋楽がマンサンであること

自体、何やら因縁めいたものすら感じてしまう。狙ったわけではないのに(笑)。

 

本作を手に取ったのは、恐らく偶然であったと記憶している。CD屋で注目の新譜として展開

しており、そこで知ったのだと思うが、そもそも彼らとは前年にニアミスしていて、日付も

はっきりしている。1996年11月4日(振替休日)である。何故そんなことが分かるかというと、

手元にある本作の国内盤ライナーを読んでいて、彼らがプロモーション初来日した際に、

池袋HMV(確かサンシャイン通りにある方の店舗だったような……)にてトーク&サイン会を

行ったという記述があったから。私は確かにあの時の異様な喧騒を覚えていて、多くの

女性ファンで溢れかえっていたのを遠巻きで見ていたのだ。実際にメンバーの姿を見たわけ

ではなかったのは残念だが、その後、当時のその手の事情に物凄く詳しい……否、実際に

体験していた女性からあの時代の喧騒について、生々しい(笑)話を聞いた結果裏付けが

取れたこともあって、ああ、あれはマンサンだったんだなあと。結局マンサンのライブを

観ることは叶わなかったので、せめて姿形だけでもこの目で見ておきたかった……何とも

惜しい事をした。

 

話がアルバムから飛んでしまったが、本作はイギリスで初登場1位を獲得。新人のデビュー作

としては立派な成績を収めたわけだが、97年の英国というとRADIOHEADが音楽史に残る傑作

OK CONPUTERを、VERVEが自身のキャリアにおいて起死回生となるURBAN HYMNSを、

PRODIGYが爆発的ヒット作The Fat of the Landをそれぞれリリース(他にも多くの名盤が

生まれた年である)、それらが年間ベスト・アルバムの上位を独占したことは、当時を知っている

人は無論の事、若い衆でも詳しい方々ならご存じかと思うが、本作はよっぽど好きな人以外は

改めて語られるようなことがあまり無いのも事実である。それ故に、拙ブログでは高らかに宣言

したい。そのキャリア自体は短命であったが、極東の音楽狂いに消えることの無い英国の妖しい

毒と美を植え付けたマンサンというバンドは、改めて世に語り継ぐべき価値があるのだ。

 

前置きが長くなりすぎたが、以下、楽曲について述べていく。

 

1.The Chad Who Loved Me

 

優美なストリングスに導かれて幕を開ける展開は、この時点で新人らしからぬ大物感を

漂わせており、このバンドが単なるルックスに優れた若手バンドなどではなかったことは、

この1曲を聴けばすぐに理解できるだろう。フロントマンのポール・ドレイパー氏による

美麗なメロディはもとより、その歌詞は機知に富み、英国人らしいアイロニー、難解さを

持ち合わせており、文学的英国ロックの輝かしい系譜、その血を受け継いでいるのだ。

是非、対訳を呼んで驚いて欲しい。

 

後期90年代英国ロックを代表するギタリストの1人―そう私は考えている―ドミニク・チャド

氏による妖艶なギター・プレイも素晴らしい。基本的には、マンサンはポールの世界観及び

美学を表現する為のバンドと言えるが、彼の片腕といえるチャドの多彩なギター・プレイが

あってこそ、素晴らしい相乗効果が生まれ、独自かつ孤高のマンサン・サウンドが誕生した

のだろう。

 

2.Mansun's Only Love Song

 

何やら皮肉めいたタイトルもさることながら、打ち込みのビート、スクラッチ(!)音が導入されて

いるところに注目して頂きたい。元々、ドラマー不在のバンドとしてスタートした彼らなので、

サンプリングの導入などには何の抵抗も無いのである。ブリットポップの残り香ではない、

90年代という"オルタナティブな"時代の空気を目一杯吸い込んで、自然にアウトプットされた

サウンド・アレンジであるということは、非常に重要であろう。そういった時代的な事情や

音楽的背景を知るのも、音楽好きにとっての醍醐味ではないかなと考えるが、どうだろうか。

 

得意のファルセットが炸裂する、艶っぽいサビが実に美しい楽曲ではあるが、ここで歌われて

いるのは、一般的なラブソングでは当然無い。前曲と同じように、神に対するポール氏独特の

考え方が散りばめられ、独特のニヒリズムが支配している。裏メロでねっとりと鳴らされる

チャド氏のギターも、スウェード直系で最高。私のような人間には、どう足掻いても絶対的に

抗えない類いのものである。

 

3.Taxloss

 

この楽曲は、どっしりとした、それでいて重くなりすぎないドラムスが良い。実際にはライブ要員

であった(そしてポールにとっては弟のような存在だった)ストーヴ氏(B)とは違い、一番最後に

加入したメンバーであり、プロのドラマーと言えたアンディ氏の貢献だろう。彼は次作において、

更なる活躍を見せることになる。

 

とはいえ、7分越えのこの楽曲においても、打ち込みのビートやループ・サウンド、ギター・ノイズ、

エレクトロニクスなどはふんだんに盛り込まれ、ポール氏の好奇心たっぷりの実験精神及び大作趣味が

如実に表れていると言えよう。尚、この楽曲は歌詞の内容に沿ったPV映像が作られているので、是非

ご覧頂きたい。

 

4.You, Who Do You Hate?

 

アコースティック・ギターのバッキングで叙情的に歌われるAメロから、ノイジーなギターが炸裂する

コーラスのコントラストがこれぞ90年代、な1曲。今更ながら、どうあれ根底にあるのはポール氏の

美しいメロディとチャド氏の独創的なギター・プレイというのがマンサンなのである。アルバムの中

では最も短いこの楽曲でも、そのバランスは完璧であったことを証明するに足るものと言えるだろう。

 

勿論、美しいメロディ及び楽曲の中に、強烈な毒を持った歌詞を綴ってしまうポール氏の基本的な

態度も同時に貫かれているのだ。絶望的とも言える最後の一節に震えるがいい。

 

5.Wide Open Space

 

代表曲の1つ、だと思う。この曲のPV映像を初めてBEAT UKで観た時の衝撃たるや、もうこんな美形

ばっかりのバンドがいるっていうことに驚いた、曲以前に(笑)。曲を語る前にPV映像を観て欲しい。

 

 

 

最高。ラストのチープな映像表現は時代ということで許して欲しいが、やはり絶望的な心情を

哀しいほどに美しく歌い上げるポール氏の才能には脱帽せざるを得ない。彼にしては非常に

分かりやすい歌詞で、恐らくは意識して書かれたものだと想像する。とはいえ、単純明快とは

程遠い結果となってしまうのが、ポール氏の資質そのものではあるのだが。

 

チャド氏による、イントロのシンプルなアルペジオから、空間系のエフェクターなどで彩られた

音で鳴らされるギター・ソロも素晴らしいセンス。楽曲の構造自体はUSグランジ〜オルタナの

影響下にあることは間違いないが、それを踏まえても英国としか言いようのないプレイ。

 

6.Stripper Vicar

 

前曲から繋がる形で始まるのが良い。どちらもシングル曲ではあるが、アルバムとしての流れを

ちゃんと意識しているのが、アルバムというフォーマットを大事にするという命題について、

拙ブログにおいても何度となく言及している私のような人間には実にしっくりくるのだ。

 

楽曲自体も最高にポップな1曲で、いかにも正統派のブリティッシュ・ソングと言えるコード進行

で紡がれるAメロ(ファルセットのコーラスも最高!!)から、ノイジーに変化していくサビに至るまで、

THIS IS 英国であろう。

 

歌詞もかなり凝っていて、書簡体小説のように、とある人物への手紙として綴られているのだが、

その内容たるや……こちらも是非読んで頂きたい。タイトルそのまんまとも言える(苦笑)。

 

7.Disgusting

 

長めのインタールード的イントロから、これまたいかにも英国なギターとコード進行で紡がれる、

跳ねたリズムが印象深いミディアム・テンポの楽曲。グル―ヴィなベース・ラインが目立って

いるが、スタジオ音源のベースは基本的にポール氏かチャド氏が弾いていたはず。どちらにしても

全てにおいて英国っぷりが際立った楽曲です。ポール氏のヴォーカリストとしての力量、確かな

表現力も存分に味わえる。神はこの人にどれだけの才能を与えたのだろう(笑)。

 

8.She Makes My Nose Bleed

 

シングル曲。超英国、としか言えないナンバーです。聴けば分かる。当時のインタビューで、

スウェードにシンパシーを感じている(実際一緒にツアーもしている)といったような事を述べて

いたと記憶しているが、それが楽曲として解答が提出されたかのよう。

 

尚、この楽曲においても美麗なストリングスが見事な形で使用されているが、90年代後半の

英国ロックの1つの特徴として、壮大なストリングスを大胆に導入した楽曲で売れたバンドが

多くいたということは、言及しておかねばなるまい。火付け役はマニックスが96年にリリース

して馬鹿売れしたEVERYTHING MUST GOだろう。当然、冒頭でも挙げたVERVEによる

"Bitter Sweet Symphony"も然り。EMBRACEの"All You Good Good People"とかも97年だ。

そういう意味では、本作におけるマンサンの作風も、時代の傾向というものを感じ取ることが

できるのだが、必殺のロック・バラードみたいな曲を作ってこないのがマンサンらしさ、ひいては

ポール・ドレイパーらしさと言えるのかもしれない。そういう曲で売れる若手バンドを痛烈に

批判していたくらいですからね、この御方は。

 

9.Naked Twister

 

この楽曲もそうだが、打ち込みのビートと生のドラムスとの融合というのはマンサンにとって

ごく自然なスタイルであったことがよく分かる。そもそも、最初期には所謂マッドチェスター

的な楽曲も作っていた彼らなので、当然と言えば当然か。

 

当たり前のように美しく耽美的なメロディ、一筋縄ではいかない歌詞、といったポール節が

全編堪能できます。ラスト、一旦終わったと見せかけた後に泣きのギターが鳴り響くのも

良い。短いソロだが、かなり弾き倒しております。

 

10.Egg Shaped Fred

 

記念すべきメジャー・デビューシングル曲。もうね、馬鹿の一つ覚えみたいに言いますが、

これぞ90年代英国である。かなりノイジーなギターはUSオルタナ譲りであることは間違い

無いのだが、やはり何処をどう切り取っても英国印なサウンドである。展開的には実に

シンプルではあるが、シングル曲として十分なキャッチーさを兼ね備えつつ、挑発的な

ポール氏の歌唱も良い。歌詞には「メイヴィス」という人名がまた出てくるところにも

注目。この楽曲においては「SHE」なのだが、他の楽曲においては「HE」だったりするのが

面白い。様々な解釈の中で、聴き手にインスタントな解答を与えることなどしないのが、

マンサンの流儀であろう。

 

11.Dark Mavis

 

メロウでアンニュイながらも、ストリングスも駆使した、やっぱり英国汁垂れ流しの

ラスト曲。ここでの「メイヴィス」は「彼」となっている。牧師も出てくるので、恐らくは

"Stripper Vicar"で綴られた物語のその後なのだろう。後半以降で導入される多重コーラスや

クラップ・ハンズ、大仰な楽曲展開自体に、やはりスウェードのそれと近いものを感じる。

DOG MAN STARには相当影響を受けたんじゃないだろうか。

 

最後は1曲目"The Chad Who Loved Me"のイントロへと回帰していく完璧な締め方。あの頃は

こういったアルバムの幕引きは多かったように思う。スマパンもそうだったし。その美意識、

拘りこそが、アルバムを1枚通して聴くことで味わえる満足感であったり充実感を加速させる

のだ。少なくとも、私はそのような作品群と幾度も出会い、音楽狂いという荊の道へ、確かな

歩みを踏み出していったのである。

 

12.Flourella (日本盤ボーナストラック)

 

せっかくなので、ボーナストラックにも触れていこう。この楽曲はインディ時代に

リリースされたシングル曲に収録されていたもので、上述したようなマッドチェスター

的なノリもあるし、95年に発表したというだけあって、ブリットポップ的な香りも

濃厚。"Take It Easy Chicken"もそうだけど、アルバムに入らなかったのは何となく

分かる。バンドの可能性は十分感じられる楽曲とはいえ、統一感を崩してしまって

いたであろう。

 

13.The Gods Of Not Very Much (日本盤ボーナストラック)

 

強烈なタイトルだが、初出は"Wide Open Space"のB面曲。ポール氏は神という存在を

どのように考えているのか、単なるメタファーなのか、そのものを表しているのか

……ここでその解答が出せるはずもないが、ともあれ世間に対しての斜に構えた態度、

捻くれた視点といったポール氏の根っこに絡みついている思想は、先程も軽く触れた、

ラスト作まで貫かれていたと思う。それは8年前の来日ドタキャンの時も、久々に

シーンに復帰して、ソロ・アーティストとして音源をリリースしている今も、きっと

それは変わってない。永遠に変わらないのだろう(笑)。

 

肝心の楽曲に触れてなかった。いかにもなマンサン楽曲ではあるが、所々で実験的な

要素も取り入れているのが印象的。突然サックスが鳴り響いたりするし。チャド氏の

ギターがめっちゃカッコいい。B面曲とはいえ手は抜かない、むしろB面曲にバンドの

本質が出たりするのは、やはり英国バンドならではの味であろう。

 

 

マンサンはデビュー当時、最初のEPの日本盤の帯に「ライバルはブラーとオアシス」

などいった煽り文句を書かれてしまったのだが(笑)、それは的外れであった……

とまでは言わないが、マンサンはブラーと同じようにルックスも良く、隠しきれぬ

インテリジェンスをも持ち合わせてはいたが、職人的ポップさを兼ね備えた国民的バンド

への可能性を追求することはなく、勿論オアシスのように数え切れないほどの公衆へと

アピールするポピュラリティ性を磨くわけでもなく、むしろギター・ロックの可能性を

追求しながらも、安易な共感を拒むが如き創作活動に没入することになる。それは翌年に

リリースされる大傑作にして怪作SIXで実を結ぶのだが……その話はまた来年。

 

 

 

最後に。ブログは仕事で書いているわけではないので、いつも手前勝手な文章を心掛けて

いるわけだが、本稿に関しては、私の尊敬する先輩に捧げたい。不思議な縁だが、先輩が

遠くへ行ってしまってから5年が経とうとする2017年に、彼がこよなく愛したMANSUN

についての文章を書くことになろうとは。きっと、偶然のような必然に、あの人も笑って

くれていることだろう。

 

1997年の熱を、90年代に生まれた輝かしい音楽を、何度となく語り合ったあの人へ

届くことを願って。いつか私も貴方のいる場所に行くので、その時にまた語りましょう。

at 00:00, 某スタッフ, Music(20th Anniversary)

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