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by Mizutamari (From Japan)
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<< 4/9(日) After Hours'17 前編 | main | 5/12(金) 原宿アストロホール 〜 Formation初来日公演レポ。 >>

4/9(日) After Hours'17 後編

 

 

前編の記事はこちら

 

 

●mouse on the keys

 

彼らが出るなら観ないと、ということで2ヵ月ぶりのマウス。フロアは既にぎっしりと埋まっていて、

注目度の高さを感じさせた。正直言って、ワンマンの時よりも埋まっていたような……(苦笑)。

 

いつも通りの3人の姿ではあったが、中心人物の川崎氏はフェスということもあるのか、ワンマン時

とはまた違った、異様なテンションであったことが印象深い。開演時間になって照明が暗くなった

途端、「行くぞー!!!」と叫びながら演奏を始めたのには参った。我々にとっては、そのMCというか

煽りを聞いてしまうと、自動的に某月海のヴォーカル氏を思い出してしまうから(笑)。

 

フラッシュライトの演出、サックス奏者との共演もありつつ、2人のピアニストと1人のドラマーに

よる、緩急自在のグルーヴはやはり唯一無比であるし、いつ観ても凄まじい体験を味合わせてくれる。

言うなればキラー・チューン、"spectres de mouse"辺りでは大きな歓声も巻き起こっていた。

勿論、あの脱力感満点な川崎氏によるMCも健在。が、今回は遠慮していたのかそれほど喋っては

いなかったかな(笑)。「ギャップです」とまたも言い訳のようなことを口にしていたのが面白かった。

 

今回は、ワンマン公演の時ほどの衝撃を受けることは無かったが、ラスト曲の"Leviathan"まで

貫き通したmouse on the keys美学、それは何回でも味わいたい、格別な体験なのである。

ともあれ、今回のライヴが初体験だった方、そもそも彼らの事を知らないまま観た人達にも、

この強烈なアクトの存在は脳裏に焼き付いたはずだ。

 

●DJ KRUSH

 

さすがに一時離脱して飯を食らい、休憩後に再びO-EASTへ向かう。既にパフォーマンスが始まって

いたが、説明不要のレジェンド、DJ KRUSH御代である。彼の事を知ったのは90年代の頃、もっと

言えばちょうど20年前の事なのだが……当ブログを読んでいる方々なら察しがつくかとは思うが、

勿論LUNA SEA経由で知ったのである。90年代ビジュアル系育ち故の展開で申し訳ない(笑)。

 

JとGaZaをやったり、SUGIZOやINORANのソロ作に参加したり、LUNA SEAの楽曲においても、

"SWEETEST COMA AGAIN"でフューチャリングされていたので、名前だけなら知っている、と

いった感じで。その後調べてみると、改めて文章にするのも恥ずかしいほどの伝説的存在である

という事を知った次第であるが、こうして御代のソロ・ライヴ・パフォーマンスを観ることが

できようとは、夢にも思わなかった。こういう面白味も、フェスの醍醐味の一つであろう。

 

実際、しばらく観たらENVYを観に離脱しようと考えていたのだけど、結局最後までじっくりと

観てしまった。今回のイベントの面子的には、どちらかと言えばTHA BLUE HERBと同じように

アウェイだったことが災いしたか、オーディエンスの数がそれほど多くなかったのは残念では

あったが、観れて良かったと心から思えたな。何というか、あまり観たことの無いパフォーマンス

であった。ターンテーブルを楽器のように扱い、なんて前知識がぶっとぶ程の、本物中の本物が

魅せる一流のライヴ。世界を相手に何十年も活動しているアーティストだけが持つ凄味は、勿論

その手さばきから、その一挙一動から、それこそ全身から放たれていたが、結構ラフな雰囲気も

漂っていたのが印象的。無数のビートが入り乱れ、切り刻まれ、四方八方から迫りくる様は、

言葉で表現するのが難しい程の音体験で、これをたった一人の人間が表現しているのだな、と

思うと改めて驚愕してしまう。

 

MCは一切無かったが、最初から最後までノンストップで余裕綽々な態度で突っ走り、軽く手を

挙げて去って行く姿は、何処までもクール、自然体のダンディに満ち満ちていた。天晴れ。

 

●toe

 

いよいよ大トリ。イースタンユースも観たかったが、最新作(2015年)をリリースした後のtoeを是非

観たいと思っていたので、後ろ髪引かれつつもtoeを選んだ。結果論だが、選んで正解であった。

勿論、イースタンを選んだとしても同じような事を書いていた可能性は高いが……(笑)。

 

思い返してみると、toeのライヴを観ること自体、7年前のALBUM LEAFの来日公演でゲスト参加

した時以来であった。その前は9年前のDO MAKE SAY THINKの初来日公演の時。つまりワンマン

でのtoeの公演は未だに観たことがないのだが、今回、フェスとはいえトリを務める彼らのライヴを

観ることができたというのは、やはり僥倖と言えるだろう。

 

相変わらず、O-EASTの広いステージをフルに使う、なんてことは一切無く、中央に全員が向き合う

ように集まって、ライヴは"1/21"でスタート。一発でそれと分かる彼らの音は、今回のイベントに

おいて何度となく使ってしまったので安っぽい響きになってしまうが、やはり唯一無比、圧倒的な

オリジナリティである。勿論、影響源を挙げることは出来るが(PELEとかAMERICAN FOOTBALL

とかTRISTEZAとか)、もうそういったレジェンド達の影響からとっくに脱して、むしろtoe自体が

オリジネイターとなった今、クリーンなギターの音2本とリズム隊だけで、並のロック・バンドが、

ハードコア・バンドが泣いて謝る程の強烈なグルーヴを生み出す様に、観ている私も胸の中に

言い知れぬ熱い何かが込み上げてくるのを抑えることができなかった。素晴らしい。本当に凄い。

 

何度でも書くが、彼らがそもそもハードコア、パンク系のバンド出身であったということから

生じる独特の緊張感、これは今もって健在であって、音だけ聴けば、7THコードを多用した

お洒落なサウンドとも言えるのに、ライヴでの彼らはそんなものとは百万光年も離れた位置に

いる。時にアコギを抱えたまま立ち上がり、のたうち回る山嵜廣和氏。演奏中に天を仰ぐように

叫び、顔でギターを弾きまくる美濃隆章氏。見た目からして一番ハードコア〜パンク畑の匂いが

残っていた山根敏史氏(キャップにTシャツにハーフ・パンツ!!)。こちらも顔で楽器と対峙する

タイプ、激烈なエモーションと神業クラスのドラムスで空間を支配する柏倉隆史氏。スタジオ

作品では、隙の無い、緻密なバンド・アンサンブルで構築されたサウンドを鳴らす彼らだが、

ライヴでは4人が4人共、タガが外れたようなパフォーマンスをかますのだから、最高である。

 

ライヴ後半だったか、感極まった柏倉氏は演奏終了後にドラム・セットを離れて、シンバル

投げつけてたからね。お上品なポスト・ロック、インスト・バンドなどとはまるで違う存在

なのが、toeなのだ。

 

個人的には、1ST作の"past and language"をやっていたのが嬉しかったな。私が初めてtoe

を知ったアルバムだし。もう12年も前かと思うと吃驚するが。この文章を書きながら、

久々に聴いている……音源も当然カッコいいけど、ライヴだと更にカッコいいわ。

 

山嵜氏独特のゆるーいMCも健在。マイク通さずに喋ってたから(笑)。適当な事も、真面目な

事も、自然体で緩く喋る感じは、初めて彼らのライヴを観た時と何ら変わらず。

 

「皆さんは、明日仕事を休むんでしょ?」

「まあ僕らは50年くらいバンドやってるから慣れてるけど」

 

確かこんなような事を仰っていたのだが(笑)、オーディエンスから「休みたーい」と声が上がって

いたのには笑った。私もそう思いました。はい。

 

閑話休題、本編ラスト曲は"Song Silly"。山嵜氏がヴォーカルを担当する、ミニマルな佳曲

なのだが、ライヴで聴くと異様に美しく、涙が出るほどのエモーションにやられてしまった。

演奏が終わった後の、観客の拍手や歓声も一際大きかった。

 

が、それだけでは終わらない。「皆帰る前に早めに来た」みたいなことを山嵜氏が喋りつつ

(照れ隠しなのかな、という気もした)、アンコールは"グッドバイ"。ゲスト・ヴォーカル

として土岐麻子(EX:Cymbals)がサプライズ出演したものだから、フロアは騒然となった。

静かで上品な情熱を持った土岐麻子女史のヴォーカルと、遠慮無しの激烈パフォーマンスを

かますtoeの面々とのコントラストが実に面白く、そして泣けた。温かな感動を呼び覚ます、

見事な共演であった。

 

 

終わってみれば8時間以上があっという間に過ぎたAFTER HOURSというライヴ・イベント。

まだまだ素晴らしい可能性をたくさん秘めたフェスだと思うし、定期的に開催してくれたら

実に嬉しい。その都度、タイムテーブルに頭を悩ますことになるのだろうが……(笑)。

 

ともあれ、この素敵な音楽フェスに関わった全ての人に感謝したい。本当にありがとう。

at 23:59, 某スタッフ, Music(Live Report)

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