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by Mizutamari (From Japan)
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RAINER MARIA 「RAINER MARIA」

 

 

前回の記事を書いて以降、仕事以外の文章を書く気になれずに一か月が経ってしまったが、

これは書かねばなるまい。何たって、RAINER MARIAの11年振りとなる新譜がリリース

されてしまったのだから。しかも国内盤が。

 

レイナ―・マリアというバンドの事は、恐らくそれなりに90年代エモコアを、USインディに

精通している音楽好きでないと知る由も無い存在ではあるが、私個人的には以前にも言及した

ように、JEJUNEと同じくらい大好きな"エモコア"バンドであり、そんな括りを抜きにしても

とても大切なバンドなのである。

 

簡単に彼らの事を紹介すると、ニューヨークを拠点とする男女混声ヴォーカルの3ピースで、

95年に結成、96年にデビューEPRAINER MARIAをリリースしている。その後、名門

レーベルPOLYVINYLと契約し、ファースト・アルバムPast Worn Searching』(97年)を

発表。06年に解散するまでに5枚のアルバムと1枚のライブ・アルバム(傑作!!)を残している。

 

2014年に再始動したという話は聞いていたのだが、まさか純然たる新作をリリースするとは

夢にも思わなかった。しかも古巣のPOLYVINYLに戻って(最初の解散前は違うレーベルに移籍

していた)。詳しい経緯は分からないが、ともあれ私の大好きなバンドが、こうしてシーンに

帰還した。その事実をこそ、まずは喜びたいのだ。

 

 

上述したデビューEPと同じく、バンド名を冠した本作は、繰り返しになるが11年振りの新作

であり、通算6枚目のアルバムとなる。早速聴いてみて感じたのは、後々書いていくが、若干の

変化はあったものの、彼女達の鳴らす音楽、その本質にあるものは今も尚全く変わっていない

ということである。瀟洒な男女の会話のような、ラフでいて上品な3ピースの詩は決して枯れる

ことなく、舞っていたのである。

 

「私は強くなった」と嘯く1曲目"Broke Open Love"から、Kaia Fischerによる自由奔放なギターが

炸裂し、Caithlin De Marraisによる歌うようなベース・ラインが絡み合い、William Kuehnの

しなやかでいて激しさを内包したドラムスが支えるあのスタイル、あのレイナ―・マリア特有の

力学に則ったバンド・アンサンブルで彩られた楽曲で、長年のファンとしては思わずニッコリで

ある。ケイスリンの力強く上品な歌声も健在だ。ほんと、驚くほど変わっていない。

 

2曲目"Suicides And Lazy Eyes"ではシンプルなビートとコード進行から、少しずつ変則的に

発展していくポスト・ハードコア流儀のアレンジが最高。中盤以降の展開もクールである。

「モディリアーニの瞳」などという、インテリジェンスな歌詞がさらりと出てくるのもさすが。

そもそもライナー・マリア・リルケからバンド名を拝借しているような面子なのだ。NY出身

らしさというのが滲み出ているが、決して嫌味になっていないのも良い。あくまで自然体

なのが、このバンドの良い所なのだから。

 

3曲目"Lower Worlds"は歪んだギターと荒々しいベース、タイトなドラムスが結構ヘヴィ。

もっと言えば、本作は彼女達のアルバムの中でも一際ヘヴィなアルバムなのである。

4曲目"Forest Mattress"のグランジ的不協和音すれすれのギター・フレーズも何処か

不穏な雰囲気。サビで美しいファルセットで歌われるメロディを聴くことができるが、

対訳を読んでみると、様々なレトリックの中に感じ取れるのは、諦観や哀しみである。

 

6曲目"Blackbird"は、今までの彼女達にはあまり無かったタイプの楽曲かもしれない。

いや、彼女達のアルバムを全部聴き直したわけではないので断言はできないのだが、

一聴した限りではそのように感じた。勿論、レイナ―・マリア印の楽曲であることに

変わりはないのだが。7曲目"Possession"も、言いようの無い哀しみを感じさせる。

クリーンのギターに絡むヘヴィなベースとドラムスが、感情そのものを表している

かのようだ。ラストはギター・ノイズが30秒以上続き、アルバム中最も長尺の、

とはいえ5分20秒ほどだが、8曲目の"Ornaments Of Empty"へと繋がっていく。

シリアスに展開していく楽曲だが、途中から唸りを上げるフリーキーなギター・

フレーズが荒々しくカッコいい。悲痛な叫びを歌い紡ぐ9曲目"Communicator"も、

かなりヘヴィな仕上がりだ。

 

ラスト曲"Hellebore"では、花にその身を託し、届きようの無い想いを叙情的に

歌い上げている。やはり、伝わってくるのはポジティブな感情よりも、言い知れぬ

哀しみなのである。

 

 

通して聴いた感想はと言えば、全体的なトーンは若干暗く、非常に生々しく、混乱する

現代を反映しているかのような、シリアスな緊張感に満ちたサウンドである、ということ。

「美EMO」と称されることも多い彼女達ではあるが、それを期待したら若干の肩透かしを

食らうであろう。彼女達は初期の時点で自らの音楽を、その基本的スタイルを築き上げて

いたタイプのバンドであるからして、上述した通り、音楽性に大幅な変化は無い。但し、

過去作品で言えば名作EPAtlantic(99年)辺りから一気に開花した、独特の美しい

メロディの分量は、本作においては若干減退しているというのが正直なところだ。

 

それでも、本作はあまりにもRAINER MARIAとしか言いようの無い、実に美しいアルバム

である。2017年というこの時代に、彼女達の新しいアルバムに出会うことができたという

のは、やはり私個人からすれば、まさに僥倖。感謝しかないのである。

 

最後に、本作に興味を持たれた方々は、是非国内盤を購入して欲しいと思う。なればこそ、

再来日の芽も出てくるというものだからだ。2004年の奇跡の来日に足を運んだ1人として、

RAINER MARIAというバンドの素晴らしさが少しでも音楽人の中に広がっていくことを

祈って、拙稿の締めとしたい。

 

 

at 22:59, 某スタッフ, Music(Recommend)

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