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madeleine(demo)
by Mizutamari (From Japan)
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オレンジペコの香り。 〜 Noir





MDウォークマン、というのが時代を感じさせる。そう、ちょうど10年前の作品なのだ。



※注:久々に仕事以外の文章を書いたせいか、無駄に長い記事になった。読んで下さる
方々、超暇な時にどうぞ。ちなみにネタバレ多数。



何故この作品について、今更書こうと思ったか。きっかけは実は全く無いし、本当に突然
観返したくなり、レンタル店に走ったのだ。まあここ最近の疲れが、脳髄を変なベクトルへと
誘ったのかもしれないが・・・。


ノワール。01年のTVアニメ作品で、二人の可憐な美少女暗殺者によるガンアクション
・・・などと言うとアニメに詳しくない、というよりむしろ一般の人が耳にしたら、何となく
色々な事を想像して眉をひそめかねない作品と受け止められそうだが、実態はかなりミニマル
な作品である。毎回個性的なゲストが登場するものの、基本的な主要登場人物はたった4人
の女性達なのだ。ノワール、というタイトルが付いているだけあって、海外の所謂犯罪映画、
フィルム・ノワールなどからの影響を受けて製作されたアニメだ。私はこの作品が放送
されていた01年頃はアニメから遠ざかっていた時期で、記憶によると本放送から1年くらい
のタイムラグを経て鑑賞した経緯がある。まあそんなことはどうでもいいが。

改めて観て思ったのは、本作に漂うヨーロッパの香り、その濃厚さである。世界を股に
かけるスナイパーということで、それこそゴルゴ13ばりに世界中を飛び回るのだが、
アメリカの文化などと比べて、日本人にとって何処か遠い存在のヨーロッパ的価値観が、
常に作品を特徴付けているように思う。どうしようもない悲劇を描写する場面も、常に乾いて
いる独特の空気感。最低限のセリフ。淡々とした、静謐な雰囲気。ミニマル、といったのは
つまりそういうことだ。同時にガン・アクションというには、ハリウッド映画などである、派手な
銃撃戦のシークエンスなどから感じ取れる爽快なカタルシスといったものは、一切この作品
には無い。もちろん私がそう思っているだけだが、そういった面において不満を感じた人もいる
と思う。私としてはあまりそういう所には関心が無く、本作における明らかなカルト性を、本放送
から10年を経た今、感じているだけなのだ。当時本作に惹き付けられた理由も、たぶん
そういった事に起因しているように思う。無論理由の後付けに過ぎない面もあるが。

00年代突入間もない作品ということで、90年代的要素の名残みたいなものが感じ取れる
のも、私の中では実に親しみ深い。2クールという枠内をたっぷり贅沢に使い、ねっとりと
それでいて淡々と積み重ねていく伏線、壮大なテーマを内包していながらも、基本は地味に
かつミニマルに進行していくストーリー。例の懐中時計から流れるオルゴールに導かれるあの
回想シーンは、それこそ死ぬほど繰り返されるので、うんざりした人も多そう。そうでなくても、
過去の回想シーンが頻繁に引用されるのがこの作品の特徴の1つで、正直尺を埋める為と
捉えられてもしょうがない箇所も幾つかあるように感じた。とはいえ、そういう所は私が好んで
いるユーロ・トラッシュ(映画ジャンル)な雰囲気と何となく共通したものがあるので、それも
また良し。そういう意味で、やはりユーロ的、といえるのかもしれない。暗殺者に教養がある
というのはよくある人物設定だが、ヒロインの1人であるミレイユ・ブーケ(CV:三石琴乃)の
口から、ヘミングウェイやドストエスフキーなどの名前が言及され、文学作品の引用が
飛び出してくるのは、衒学趣味とまではいかなくとも、知っている人だけがにやりとできる
あの感じである。作品自体、ヨーロッパの文化、宗教、聖書などの知識が散りばめられて
いるわけだし。ヌーヴェルヴァーグ、ジャーロ。異端文学。

演出もいい。バトル・シーンにおけるリアリズムなどは私には割とどうでも良く、例えば
対照的な2人のヒロイン、前述したミレーユともう一人のヒロインにして物語の軸となる
夕叢霧香(CV:桑島法子)のちょっとしたリアクションの違いとかに興味が引かれる。何か
驚いたシーンで、ミレーユは眼を見開くのだけど霧香は軽く眼を細めるだけなんだよね。
沈黙が訪れる場面も多く、表情を追うだけ、風景を追うだけのキャメラ・ワークもなかなか
スタイリッシュ。評判の良い音楽は梶浦由記さんを起用。今は魔法少女まどか☆マギカ
で更に有名になったが、彼女の世界観を決定付けた作品は本作かもしれない。そういえば
OPのALI-PROJECTによる印象的な楽曲コッペリアの棺。アリプロがダーク路線を
突っ走るようになったのもこの曲からだとか。実際NOIRと聞いてこの曲を思い出す人は
多そう。でも私はEDの新居昭乃さんによるきれいな感情の方が断然好きだけど。
アシッドフォーク調のギター(ガット・ギターか?)、上品なメロディが実に美しいのだ。

肝心のストーリーだが、観る人によっては常に何かはぐらかされているような、すっきり
しない感覚のまま終わってしまうかもしれない。それもまた90年代の残香、などと
言ってしまいたくもなるが、私個人としては伏線も回収され、すっきりと終わったように
感じたけどね。思わせぶりなセリフの数々は、言うなればレトリックとでも言うべき類
のもので、ああこういう意味だったのか、と後から納得したりもした。もちろん辻褄の
合わない部分もあり、ある視点から見れば食い足りない面も無くはない。作中最大の
謎の人物であったアルテナ(CV:TARAKO!! 要するにちびまる子)の思想は、言わば
女性的なリアリズムから生まれた思想体系に基づいたもので、彼女に反発するソルダ
(作中の秘密組織)の幹部達による、男性的なリアリズムに則った政治的イデオロギー
のようなものとの対立構造がこの作品のテーマとして垣間見えるのだが、その辺りは
さらりと流されてしまったようにも思う。作品の中で最も純粋に壊れている(一般的に見て、
だが)キャラクターであり、「愛で人が殺せるならば、憎しみで人を救えもするだろう」
という彼女の持つ信条がどのようにして生まれたのか、そういった面は子供時代のアルテナ
の描写で暗示しているだけで終わっている。本編22話における、アルテナと共に原始的な
ソルダ原理主義者の集合体である小さな村のエピソードを観るがいい。霧香の覚醒を促す
為に、一話丸々使って、ある価値観に染まった静かな狂気を描いている。こういった所を
もう少し掘り下げて欲しかった、とも思わなくも無い。それに彼女の価値観が意味不明な人に
とっては、この作品自体意味不明なものとなってしまうかもしれない。が、だからこそ人を選ぶ
作品だし、カルトの名を冠するに相応しいのである。作品にとって良いことかどうかはもちろん
別として、だが(笑)。





声優陣の熱演は(毎回毎回妙に豪華なゲスト陣も含めて)言わずもがな。霧香役の
桑島さんに至っては、TV版ナデシコのユリカで記憶が止まっていたこともあって、当時
驚いた記憶がある。でも個人的に最も気に入っているのが3人目のヒロイン、クロエを
演じた久川綾さん。たぶんクロエは最も難しい役柄だったと思うが、殺人マシーンで
あり、かつ純粋な子供であり、意外に饒舌だったりする(ここが霧香と全く違うところだ)
少女。彼女が死ぬ前の激情は、ノワールという作品の中でクロエが最も感情を爆発
させた瞬間で、素晴らしい演技であった。





私は意図的に、この作品における所謂「百合」とされる一面に触れずにいる。別に今まで
長々と書いたような事を破棄して、この作品は霧香とミレーユとクロエの三角関係
お話、という解釈の元、文章を書くのもまた一興ではあるが、そういうのは他の人がやって
いるだろうから割愛。だが、少々真面目に書きすぎたきらいもある。私としては、壊滅的に
ダサい霧香の私服センス(特に序盤)などについても触れたいところではあったが、まあ
いいだろう。繰り返すように、決して派手さは無くむしろ地味目な作品だが、私にとっては
大事なアニメ作品の1つであり、興味を持った方には是非観てもらいたいと思う。ちなみに
本作は監督である真下耕一氏による美少女ガンアクション「真下三部作」の第一作目で
あったりもするのだが、作品として繋がっているわけではない、ということだけ言及して
おこう。「Noir」という特別な作品があった。要はそれが言いたいが為に、ここまで
実に数時間かけて長々と駄文を書いてしまった自分は、

たぶん、疲れているのだろう(笑)。



at 04:32, 某スタッフ, Anime(Recommend/Free Talk)

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