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10/22(土) 東京キネマ倶楽部 〜 サロン・ド・キノコ〜ゲバゲバ大革命 <後編>

 

 

メジャー・デビューから早6年、何ら変わらぬ不動のキノコ・クオリティを(以下略)

 

 

それではライブ・レポ後編、参ります。前編はこちらで。

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at 23:25, 某スタッフ, Music(Live Report)

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10/22(土) 東京キネマ倶楽部 〜 サロン・ド・キノコ〜ゲバゲバ大革命 <前編>

 

 

 

メジャーデビューから早6年、何ら変わらぬ不動のキノコ・クオリティを確認して、

安心したのは言うまでもない(笑)。

 

拙ブログにおいて、本稿は2年3か月ぶりのキノコホテルの記事であり、私にとって

2年3か月ぶりのキノコホテルの実演会参戦であった。それだけ間が空いたのは、勿論

タイミングということもあるが、今年リリースされた通算5枚目のニュー・アルバム

「マリアンヌの革命」が、前作4TH「マリアンヌの呪縛」から2年2ヶ月という、彼女達の

ディスコグラフィの中では最長のスパンでの発表となったことも関係している。新作が

出てから実演会に行こう……と考えていたらこれだけの時間が経っていたということだ。

 

その2年という月日を経て、個人的通算9回目となる実演会を観て感じた事は、こんなに

カッコいいバンドのライブを2年間も観ていなかったのかという後悔と、2年間という

間を置いたことで新たに見えてきたこと、などといった様々な想いであった。

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at 01:08, 某スタッフ, Music(Live Report)

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9/17(土) 日本武道館 〜 Kalafina Arena LIVE 2016

 

 

さて、Kalafinaである。先に書いてしまうと、今回のライブに関しては完全に親友の

付き添いで、私個人は、カラフィナの音楽を知ってはいても、ライブに行くと誘われる

までは、彼女達の作品を1枚たりともちゃんと聴いたことは無かった。件の親友から

譲り受けた音源をさらっと聴いて、ライブに臨んだという体たらくである。

 

ファンでも何でもない私がこうしてライブ・レポートを書くことで、熱心なファンの方々を

(私の親友も含めて(笑))怒らせてしまうことがないかと危惧しなくもなかったが、一音楽ファン

として、ほとんど予備知識の無いアーティストのライブでこれほどまでに感動させられた、と

いう記録はやはり残しておきたいのだ。とはいえ、ある程度予想はしていた。これは長年の

ライブ人生で培った勘というやつで、きっと素晴らしいライブになるのだろう、などと考えて

いたのも事実なのだが、それは予想を遥かに上回る形で的中したのであった。

 

言い訳という名の前置きはここまでにして、実際にどのようなライブであったのかを私なりに

書いていこう。尚、セットリストを確認しながら書いていくので、曲名を記載したりもするが、

当然ながら、ライブを観ている時点では知らない曲の方が遥かに多かったし、勿論メンバーの

名前も分からない、それぞれ歌うパートで役割分担があることだけは知っている、くらいの

知識であったという事は、念の為断りを入れておく。

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at 01:00, 某スタッフ, Music(Live Report)

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9/11(日) 横浜アリーナ 〜 BUCK-TICK CLIMAX TOGETHER 3rd

 

 

24年目にして訪れた、3回目のクライマックス。それは、様々な世代の聴き手にとっての、

そしてバンド自身にとっても、音楽を鳴らすこと、聴くこと、体感することに対する、

大いなる喜びであった。煌びやかな祝祭であった。9.11という日時自体は、15年前を境に

あまりにも悲しい意味を持ってしまったことも事実ではあるが、B-Tはその歴史的事実を

きっちり踏まえた上で、この12年に1度の祝祭を見事に完遂させたのである。

 

全てが特別でありながらも、音楽を楽しむ圧倒的な自由を謳歌した一夜。その場にいる

ことのできた幸運な男の、個人的な想いをいつも通り自由に書いていこう。

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at 03:44, 某スタッフ, Music(Live Report)

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8/18(木) 赤坂ブリッツ 〜 SUEDE 単独来日公演レポ。

 

 

SUEDE。その名前が持つ意味は、音楽狂いの私にとっては、最初にその味を知ってから

20年が過ぎた今も、効力の衰えぬ甘美な毒のようなものである。ことに英国音楽に対する

思い入れというのは、世界中を見回しても、日本人という極東に住まう音楽ファンこそが、

著しくは本国イギリスよりも、ある種苛烈な、強烈なものがあるのではないかと考えるが、

それは純粋な憧れは勿論、どんなに手を伸ばしても決して届かない、畏怖と言ってもいい

感情が、常に背後に潜んでいるからであって、日本人的生真面目さでもって英国音楽を

研究し、愛し続けているのであろう。先頃復活を遂げた、THE YELLOW MONKEYの

吉井和哉氏が、どのような意図でもって、自虐的にも思えるバンド名を命名したかを

鑑みれば、あながち間違った解釈とも言えぬのではないか。少なくとも、私にとっては

そう考えるのが自然なのである。

 

三島由紀夫氏が、「作家論」という自身の著作において、森鴎外を取り上げて、「文づかひ」

という作品を評して、西欧的ロマンティシズム(この場合はドイツだが)の現場に日本人が

駆け込みで間に合って参加したところの最後の証言である、といったような事を述べている。

鴎外以降の文学者はそのような機会には二度と恵まれず、永遠に参加を拒んでいるヨーロッパ

の像が、眼前に立ちはだかるだけになる……というように書いているのだが、私はスウェード

のように、限りなく英国であり、欧州的美学に則った音楽を聴くたびに、そのことを思い出す。

繰り返しになるが、スウェードという存在、音楽に対して私が抱く想いの根底にあるものは、

強烈な憧れであり、永遠なる畏怖なのだ。

 

 

「Night Thoughts (夜の瞑想)」。2016年という時代に生まれた、妖艶な、優美な、生々しい

闇と美を兼ね備えた作品の再現。スクリーンに映し出された、いかにも90年代的な、様々な

解釈はあるだろうが、1人の男を主人公とした鬱々とした物語と共に、スクリーンの裏に

透けて見える5人の"beautiful one"が、世界を構築していく。スウェードのライブは常に

そうであるように、音源よりも心地良いラフさがあり、ロック的ダイナミズムがある。

コンセプチュアルなライブではあるが、どれほど細かい要求にもそれなりのパフォーマンスで

応えることが可能となった現代の技術の使用は最低限に留め、ロック・バンドという伝統的

とも言えるフォーマットを崩すことなく、徹底した美学と共に、我々を別の世界に誘って

いくのだ。プロフェッショナルなライブ運びと、完璧主義から生まれる緊張感を、静寂と

狂乱の歓声でしっかりと受け止めるオーディエンスも、「夜の瞑想」の世界を形作る上で

重要な要素であったと思う。それは、後述するが、この日何度となく目撃することになる、

ブレット・アンダーソン氏の屈託の無い笑顔が証明しているであろう。

 

「coming up」。商業的に最も成功した作品というだけでなく、5人体制となったスウェードが

初めて作り上げたアルバムであり、華やかなポップネスと哀愁、刻印のように刻まれる退廃、

ブリティッシュ・ロックの粋が詰まったような傑作である。発表から20年目というこの年に

おいて、この極東の地でその傑作を再現するという奇跡が起きようとは。1夜でアルバムを2枚

再現するというのも、かなり思い切った挑戦だと思うし、私も体験したことのないライブで

あったが、解き放たれたように全身全霊でロックし、飛び跳ね、漲る生気をその汗と共に

迸らせるブレット氏を中心に、スウェードここに在り、といったような、夢のような時間を

共有することができた。ラストの"Saturday Night"で生まれた大合唱は、バンドと日本の

ファンとの関係性が鮮やかに、美しく現出した最高の瞬間であったと言えよう。

 

最後は、"Metal Mickey""Animal Nitrate"という禁断の名曲で、スウェードが生み出した

奇跡の真夏の夜は終わり、我々が追い求める毒の効力は、更に永遠のものとなった。

これが、英国である。これが、suedeである。

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at 17:45, 某スタッフ, Music(Live Report)

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8/16(火) ビルボードライブ東京 〜 Mayer Hawthorne 来日公演レポ。

 

 

メイヤー・ホーソーンの音楽に詰まっている楽しさ、温かさ、飄々としたダンディズム、

スウィートでメロウなグルーヴ、ほんのりビターでセンシティブな感情の揺れ……もう

それら全てが、音源以上に確かな輝きを放ちつつ、音源以上にその魅力を存分に味わう

ことのできた、あまりにも贅沢な夜であった。

 

というわけで、デビュー作との出会いから7年目にして、ようやくライブを観ることができた

メイヤー氏の単独来日公演。正直言うと、様々なジャンルのライブを観ている私にとっても、

ビルボードライブ東京という場所から漂う敷居の高さというか(笑)、己を鑑みた上での場違い感

と合わせて尻込みしていたというのも正直なところではあるのだが、実際行ってみたらとても

良いハコでした。ライブが始まる前までは、どうしてこんな所にいるのだろう、などと思った

ことも事実だが・・・…何せ↑の写真のような場所だから……それでも私のようなアローンな

メン達も結構いたし、何より後述するが、メイヤー氏がこんな我々にもちゃんと気遣いを見せて

くれたのですよ。ええ、マジです(笑)。

 

ステージ後ろの幕が下りて、ほぼ定刻通りにライブはスタート。サポート・メンバーが登場し、

メイヤー氏も登場。ハットにスーツで決めつつ、メンバーが準備に取り掛かる中、1人中央に

設置されたテーブルの前の椅子に座って、おもむろにお酒をグラスに入れております。いやー、

憎い演出。"Out Of Pocket"のイントロ(だったかな?)から始まって、そのままライブは

"Book Of Broken Hearts"でスタート。何だこれ、カッコ良すぎだろ。サポート・メンバーは

当然ながら手練れ揃いで、特にベーシストのビッグなアフロ、コーラス担当の女性ヴォーカルの

方の強力なセクシーさにやられました。肝心のメイヤー氏だが、もうこれ以上ないってくらいに

気取ったパフォーマンスがとにかく楽しくて、何より想像以上に伸びやかなヴォーカルが本当に

素晴らしい。圧倒的な歌唱力で勝負するようなタイプではないとデビュー時から思っていたの

だけど、彼の持つ抜群のリズム感、得意のファルセットは音源で聴くよりも絶対にライブで

味わうべき。何はともあれ、これはもう早速ではあるが、断言させて頂こう。

 

2曲目の"Back Seat Lover"で、もう自由席にいたオーディエンスも立ち上がって思い思いに

踊っておりました。いや、これは仕方ない。上の階で観ていた私も駆け下りたくなりました

からねえ(笑)。老若男女、誰もがハッピーになれる。これがメイヤー・ホーソーンのライブ。

ビルボードライブ東京は基本的に2部構成なので、時間がきっちり決まっているからだろう、

セット・リストはメドレー形式で披露される場面が多かった。これがまた見事なライブ運びで、

楽曲毎の繋ぎ方も抜群。音源とはまた違ったアレンジも多く見受けられ、ライブならではの

バンド・アンサンブルに脱帽。完璧なライブ・バンド、これぞプロフェッショナルといった具合の

ライブだ。私は、アリシア・キーズのライブを自然と思い返していた。未完成な、ナイーブが

そのまま音楽になったようなインディ・バンド達のライブも大好きだが、こういった、プロの

ミュージシャン達が魅せるライブ・パフォーマンスでないと味わえない楽しさが、今宵の

ライブには満ち満ちていたのだ。

 

そんなプロフェッショナルな面子を束ねるメイヤー氏は、私の想像を遥かに超える"プロ"で

あった。"Fancy Clothes"で披露された激渋なギター・プレイにせよ、先述したような、

キザったらしくも飄々とした動き、スマホを取り出して彼女からの電話を受け(た振りをして)

てからの"Get You Back"にせよ、とにかく全力で観客を楽しませようとする態度も見事な、

一流のエンターテイナーであった。"Crime"では音源だとケンドリック・ラマーがやっていた

ラップ部分も、確かメイヤー氏がやっていたはず。楽曲ごとに色々な振付があったりもして、

クネクネ踊るようなダンスっぷりもまた楽しい。MCで一番印象的だったのは、冒頭で書いた

ことの答えになるが、海外のアーティストのライブに行ったことのある人なら一度は耳にした

ことがあると思うが、「MAKE SOME NOISE!!」っていうあれ。まあ意訳すれば「声出せー!」って

感じの観客を煽る定番のMCだが、メイヤー氏、まずはカップルに向かってMAKE SOME NOISE

してみたが、ちょっと聞き取れなかったのか微妙な反応。それで終わるかと思ったら、

「独りの奴!! 声出せ!!(意訳)」と仰られたので、我々アローンな観客が盛大に歓声上げて

おきましたよ(笑)。メイヤー氏も失笑していたような……。

 

一旦、メイヤー氏とコーラスの女性がステージから去って、しばらくはバック・バンドによる

セッション・タイム。グル―ヴィでファンキーな演奏が最高に気持ち良い。そして戻って

きたメイヤー氏、何とお色直ししておりました!! しかも眼鏡スタイル。 デビュー初期の

彼が頭に浮かんだ人も多かったと思うが、ここで1STや2NDのモータウン・マナー調の

楽曲をたくさん演奏するという見事な演出に感動。観客の歓声も一際大きかった気がする。

一番良かったのは"I Wish It Would Rain"かな。サビで雨が降っている様を両手で表現する

振付、メイヤー氏がやるからこそ嫌味にはならないんだろうなあと。観客全員、自然と

やっておりましたね。私もやりました(笑)。

 

以降はもう息をも突かせぬ勢いで突っ走る。MCで「Tuxedの曲をやるよ」と前置きして

披露された"Do It"、もう最高。途中でメンバーそれぞれの短いソロ・パートもさらりと

盛り込まれ、「俺のターンだ」と言いつつメイヤー氏もキーボード演奏を披露!! そして

エアロスミスのカヴァー、"WALK THIS WAY"!! メイヤー氏は私と同い年だし、

彼の音楽趣味を考えるとRUN DMCから知ったのかなとも思ったが、あのリフを

がっつり弾いておりましたので、結構ハードロックも聴いていたのかな、なんて

想像してみたり。まあ、RUN DMCが引用するのも当然な、ファンキーでグル―ヴィな

ギター・リフなので、今宵のライブにもばっちりはまっておりました。で、そのままの

流れで"The Walk"を披露してしまうのがまた、いやらしくも粋な展開。後半で、

"WALK THIS WAY"のフレーズをメイヤー氏が歌っていたのも印象的だったな。

 

本編ラストは"Love Like That"。最高。そしてアンコールにも応え、3RD作からの名曲

"Her Favorite Song"で大団円を迎えました。この曲も言う事なし、最高過ぎ。この曲で

ステージ後ろの幕が上がって、雨の六本木の夜景と共に演奏された、というのがもう

出来過ぎなくらいに素晴らしかった。嗚呼、これぞプロのライブ。

 

 

ライブ後の六本木は大荒れの天気だったが、気分はすっきり、晴れ渡っていた。

こんな体験があるから、ライブ通いはやめられない。本当に楽しかった。

 

ありがとう、Mayer Hawthorne。次の来日が決まったら、また必ず行こう。

 

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at 23:50, 某スタッフ, Music(Live Report)

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8/2(火) 代官山UNIT 〜 TEGAN AND SARA 来日公演レポ。

 

 

ステージ中央に、寄り添うように設置されたマイク・スタンドが2本。この光景が、

そのまま姉妹の強い絆を示しているように思えて、開演前からほんのり感動して

しまった。歳を食うと、些細なことでぐっときてしまうのはご容赦願いたい(笑)。

 

というわけで、真夏の個人的ライブ参戦第一弾は、かねてから観たいと思っていた

カナダが生んだツインズ、Tegan and Sara。彼女達の事を知って当ブログで記事に

したのが、かれこれ7年前の話で、記事を読み返すと、彼女達にとっては通算6枚目の

アルバムであるSainthoodの素晴らしさを偶然知って、今までTEGAN AND SARAの

音楽を聴いてこなかったことを後悔しつつも、興奮している私自身が確認できる。

あれから何度かの来日は実現したが、観ることは叶わず、今回ようやく生の彼女達と

巡り合うことができた。実に喜ばしい。

 

客層はといえば、何となく予想していた通り、女性の率が高く、外国人の率も高い。

私のようなアローンのメンズもちらほら。最終的には8割弱くらいは埋まっていたと

思う。これはライブ終了後の感想ではあるが、とにかく熱心なファンが多かったと

いうのが印象的だ。

 

定刻になり、SEとして流れ始めたのがWham!の"Wake Me Up Before You Go-Go"

思わずにんまり。80年代趣味と彼女達の音楽的変遷がリンクしているのだな、と。

まずはサポートとして、お洒落でスタイル良しな男性メンバー2人が登場。ドラムと

キーボード担当だ。その後登場したツインズ、物凄い歓声がフロアに響き渡った。

着実に、ここ日本においてもファン層を増やしつつあるのだな、なんていう感想は

最早周回遅れなのだと思うが、これが初めてのTEGAN AND SARAのライブ参戦で

ある身としては、やはり感慨深い気持ちになってしまう。実はどっちがティーガンで

どっちがサラなのか分からないままだったのだが、調べた限りでは、基本的には

ティーガンが左でサラが右、というポジションらしいので、それを信じて話を進めて

いこう。曖昧で申し訳ないが……。

 

ライブは5THTHE CONから"Back in Your Head"でスタート。定番の人気曲で始まる

という展開に、オーディエンスは早速大盛り上がり。おお、合唱も凄い。外人ファンの

力もあるのだろうが、前列に占めている女性ファンも大いに歌っている。続いて披露

されたのが"Goodbye, Goodbye"。彼女達の現在の音楽性が固まった7THHeartthrob

収録の、とにかく切ない美しいシンセ・ポップの名曲は、生で聴くとやっぱり良い。

2人の歌声は、歌唱力に秀でているというわけではないが、元々フォーク・ロック・デュオ

としてのキャリアも長く、更には、おそらくは姉妹でないと出せないのであろう、阿吽の

呼吸を感じさせる絡み合いが見事で、実に魅力的なのだ。2人ともリードを取れるし、

コーラスに徹することもできる。今回のライブを観た限りでは、ティーガンがリードの

場合が多いのかな。歌声も似ている2人だが、サラは若干舌っ足らずな感じです。

そう言えば、歌詞を間違えたのか忘れたのかは不明だが、何らかのミスをしたらしく、

ティーガンが「ファック!!」 と吐き捨てたのもご愛嬌、自然体のキャラクターの面白さの

成せる業だろう(笑)。

 

基本的には8TH作と最新作Love You to Deathからの楽曲を中心として、昔のアルバム

からの曲も取り上げていくセット・リスト。音楽性がシンセ・ポップへと変わろうとも、

2人の作る楽曲の核となるもの、その素晴らしさは何ら変わらないからこそ、どの時期の

楽曲を今のスタイルで演奏しても、妙なことにはならないのだろう。

 

但し、先に言及してしまうが、今回は私が彼女達の音楽を知るきっかけとなったという

意味でも、実際の好みという意味でも、個人的に思い入れのあるSainthoodからは

1曲もやらなかったので、それだけは残念。これは想像だが、あのアルバムは彼女達の

ディスコグラフィ的に鑑みても、過渡期の作品であって、NWやポスト・パンク的要素も

強いアルバムだったので、今の彼女達のモードでは中途半端になってしまうのかな、と

思ったり……単なる気紛れなのかもしれないが。でも、確か日本盤のリリースも無かった

はずだしなあ。とにかく、このアルバムの曲も聴きたかったというのは本音ではある。

 

中盤には、ティーガンとサラの2人でアコースティック・タイムも。妙に気になったのは、

2人共アコギを持ってジャカジャカやるのかと思っていたのだが、ギターを弾くのは必ず

どちらか1人だけ。2人の音楽的関係性が垣間見えるようで、何とも興味深かった。

まあ、そんなことよりも、彼女達がとにかく喋る、喋りまくることに驚いてしまった。

勝手にクールな印象を抱いていたので、これは良い意味で裏切られた感じ。英語力が

無いことが悔やまれるほどに、面白そうな話をノンストップでまくし立てておりました。

最初はティーガンが(ライブ序盤でも)MC担当なのかな、と思っていたが、話を振られた

途端に、サラも喋りまくり(笑)。日本については2人ともかなり熱心に語ってくれて、

とにかくクール!を連発してた。あと、猫雑誌多すぎぃ!!(意訳)みたいなことも(笑)。

海外のファンと日本のファンとの違いも話していたかな。ジェスチャーで分かった。

ネット上で過去の来日に行った人の話を読む限り、いつぞやの来日ではガラガラだった

そうで、色々と本人達も悔しい思いもしたらしいのだが……良かったなあと。

とはいえ、彼女達のアルバムは、今や全米トップ10にランクインするほどの人気で、

多くの大舞台に立ち、所謂セレブなアーティストからの寵愛も受けるような立ち位置な

わけで、そんな2人をこんな小さなハコで観られるというのは、やはり贅沢な体験で

あろう。きっと、彼女達はどんな場所でも変わらず自然体なのだろうけど。

 

ちなみに、PV映像や写真などで、お洒落なファッションを着こなす彼女達を見ることが

できるが、今回の来日では、ティーガンが80'Sなポップ・サイケ風のプリントが個性的な

スタジャンを羽織り、サラはロング丈の黒シャツの上に、同系色のカーディガンという

出で立ち。2人とも暑そうにしてたけど(笑)、顔は同じでも、ファッション・センスの

違いもちゃんとあって面白い。何処となくあか抜けない感じも良いです。

 

個人的ハイライトは"I was fool"かな。シンガロング必至のサビが冴える"Stop Desire"

辺りも良かった。本編ラストはそのままのテンションで、新たなキラー・チューンと

言える"Boyfriend"と、彼女達の転機になったと言える"Closer"で大団円を迎えた。

 

アンコールは再度2人だけのアコースティック・ライブ。"Dark Come Soon" "The Con"

"Where Does the Good Go"という、彼女達の素晴らしいメロディが凝縮されたような

楽曲群で〆。何度も書くが、音楽的な方向性が変化しようとも、核となる楽曲の良さが

変わらないからこそ、彼女達は自然体のまま、高い人気を保っていられるのだろう。

ライブ終了後に前方に詰めかけた観客にも、笑顔で握手を交わしてくれた2人。

私もティーガンに握手してもらいました。袖から覗くタトゥーが、最高にクールで

カッコ良かったなあ。

 

 

ニール・ヤングに才能を見出され、御代のレーベルからデビューしたという経歴を

持った2人が、過去のイメージに囚われることなく、どんなスタイルでもやっていけると

考えたという経緯は、最新作の国内盤ライナーに記載されているので、是非読んでみて

欲しい。私個人的には、過去に某雑誌でHeartthrobのレビューを担当した(書きたいと

志願したのだが)ことがあるのだが、その時は、彼女達の音楽性の変化について、一見

セルアウトと思う人もいるだろうが、凛とした態度で臨む彼女達の作るメロディに、

フェイクの影がちらつくことなどない、といったようなことを書いたのだが、ライブで

実際に彼女達の音楽を体験して、私の感性は間違ってはいなかったのだな、と確認

できたことも、個人的には大きな収穫であった。

 

ありがとう、TEGAN AND SARA。次はSainthoodの曲もやってね(未練がましい)!!

 

at 23:18, 某スタッフ, Music(Live Report)

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5/26(木) 新木場スタジオコースト 〜 M83単独来日公演レポ。




新木場スタジオコーストに行くのは、去年の黒夢のライブ以来。もうそんなに経つのか、
などと思いつつ、個人的には念願であった、M83来日公演に足を運んできた。

私が会場に着いたのが18時半くらいだったはずだが、その時点ではフロアの観客もガラガラ
という状況で、正直嫌な予感が渦巻いていたのだが……結論から言えば、最終的には8,9割方
埋まっていたので本当にほっとした。それというのも、これも先に述べてしまうが、これほど
までに素晴らしいライブを魅せてくれたアーティスト達を、フロアに空白が目立つ状況で迎えて
いたとしたら、まさに日本の洋楽史における汚点になってしまっていたであろう。

ともあれ、フランスが生んだ宅録青年は、如何にして世界中の音楽リスナーにロマンティックな
夢を提供し、あるいは80'Sなダンス・ビートでフロアを躍らせ、完璧なステージを演出するバンドを
従える、見事なフロントマンと成ったのか。この目で、確かめてきた次第である。


●seiho

前座のアーティストがいるとは全く知らなかったが、開演15分くらい? 前に突然ステージに現れた、
明らかにカリスマティックなオーラのある男。大阪出身の気鋭のアーティスト、seihoであった。
音楽メディアでその姿や名前だけは知っていたものの、どんな存在なのかは全く知らなかったのだが、
はっきり言って、騒がれるのも当然と思える才能の持ち主だな、と。ジャズもソウルもテクノも
一緒くたになったビート感覚は、彼の世代にとってはごく当たり前のものなのだろう。別段、
目新しさを感じたわけではないが、私はむしろ、彼の生み出すビートよりも、彼自身の持っている
天性のオーラのようなものに、目を奪われてしまった。

わざわざ花瓶に花を活ける美意識もさることながら、その花瓶に牛乳を入れて一気飲み(笑)という
パフォーマンス、歌ものを流しつつ、自らも感情たっぷりに歌うその姿、本来であれば、否、本来
などという言葉を使うのは語弊があるかもしれないが、とにかく普通で考えれば、ヴォーカリスト
という存在に備わるべきナルシシズムを過剰に持ち合わせたビートメイカー、そんな印象を私は抱いた。

それでいて、MCでは関西弁バリバリの庶民的っぽいキャラ。面白い男だ。こういうアーティストは
どんどん海外に進出すべきだろう。私が言うまでもないことだろうが。

●M83

拙ブログでは触れなかったが、最新作JUNKはとにかく素晴らしい出来栄えで、ライブで何処まで
やれるのだろうか、などとちょっとした不安もあったのだが(個人的に、これが初のM83ライブ体験
なので)、そんな不安などはそれこそ遠く銀河の彼方へと吹き飛ぶ、あまりにも素晴らしいライブを
彼らは披露してくれた。10年来のファンとしても、本当に感慨深い気持ちになったし、冒頭で触れた
通り、オーディエンスの数が寂しかったのが難点、なんてことにならなくて本当に良かった(苦笑)。

アンビエントなSEが流れる中、20時くらいに照明が消え、メンバーがステージに登場。M83こと
Anthony Gonzalez氏は、何だか私の勝手なイメージで、端っこにいるのかな〜などと思っていた
のだけど、ちゃんとフロントマンらしく中央におられました(笑)。何でそういうイメージを持って
いたのかというと、こういう、宅録アーティストがバンドを率いてライブをやるとなった場合に、
肝心の本人が目立たないような場所にいるという傾向が結構見られたからである。そんなイメージ、
先入観なんぞは、今回のライブで全て破壊されることになったわけだが……。

5人のメンバーが揃って、ライブは前作Hurry Up, We're Dreamingからの"Reunion"でスタート。
アンソニー氏はギターを弾きながら堂々たる歌唱である。バンドメンバーも手練れが揃っており、
とにかく上手い。ストロークスに在籍していてもおかしくないような細身のスタイリッシュな
イケメンにして、ベースもギターもキーボードも操るJordan Lawlor氏、紅一点で妖しくも
美しいオーラ全開のキーボーディストKaela Sinclair女史、金髪で髭スタイルでサックスを
吹きまくる(キーボードも兼任)お洒落過ぎなJoe Berry氏、一番朴訥で良い人そうな(笑)ドラマー
Loïc Maurin氏、と全員が個性豊かでかつ一流のミュージシャン。M83は、ライブ・バンドと
しても最高クラスのアクトなのだ、と1曲目にして理解した私であった。

2曲目は最新作からの"Do It, Try It"。ダンサンブルでリズミカルなピアノのフレーズも、
当然打ち込みではなく生演奏で思わず興奮。いや、ほんとやばいです。Jordan氏による
スラップ・ベースも気持ち良い。"Steve McQueen"辺りの、M83が元々持っている
スペーシーなサウンド・テクスチャーを持った楽曲では、フラッシュ・ライトの演出が
また素晴らしくて。星空をイメージしたような光が幻想的でもあり華やかでもあって、
エンターテイメント性という意味でも、M83のライブ・パフォーマンスがこのレベル
までの域に達しているとは正直思ってませんでした。いやはや、嬉しい驚きです。

確かな存在感と白昼夢の如き揺らぎが同居している、M83ならではの要素を兼ね備えた
"We Own The Sky"では、Anthony氏とKaela女史による美しいハーモニーを披露。
シティ・サウンド風でありながら、現代的なオルタナティヴ・ロックの香りもする
"Walkway Blues"では、Jordan氏がメインで歌唱。まーこれがカッコいいこと(笑)。
何というか、ライブにおけるM83は、才能豊かでかつ個性的で濃い面々が、遠慮なく
己の才気を発揮させているにも関わらず、破たんすることもなく、有機的に作用し、
一級のバンド・アンサンブルとして成立しているのが素晴らしい。恐らくそれは、
M83の楽曲自体の強さ、懐の広さがあってのことだと思う。Anthony Gonzalez氏、
恐るべし。

もうどの楽曲のパフォーマンスも素晴らしかったのだが、情熱的なサックスと
グル―ヴィかつ歌心溢れるドラムスで引っ張る"Road Blaster"辺りからは、全てが
クライマックスの如き怒涛の展開であった。POST ROCK的な静と動の展開が
ドラマティックな"Wait"、Kaela女史がメインで歌い、原曲ではSteve Vai(!!)が
弾いたギター・ソロを見事に弾きこなしたJordan氏の情熱的なプレイも最高
だった"Go!"、歓喜の"Midnight City"、MEWやモントリオール勢のバンドを
彷彿させる"Echoes Of Mine"、そして"Outro"と、完璧なまでにM83が描く
音世界を現出せしめ、見事に表現し尽して、本編は終了した。

アンコール曲は美麗な"Solitude"で開幕。続いて私個人的にもお気に入りの楽曲で、
調べた限りではライブではおそらく初の披露? だったらしい"Moon Crystal"
もうね、これが最高だった(笑)。70年代のイタリア映画のサントラなんかに
使われていそうな、レア・グルーヴ的なインスト曲なのだが、ライブで聴くと
すっげえ気持ち良いんです。そしてがらりとスタイルを変えて、硬質なドラムと
電子音、そしてトライバル風味なパーカッションが、ソリッドなビート感覚を
演出する"Couleurs"と続いて、ラストは大傑作Before The Dawn Heals Us
からの"lower your eyelids to die with the sun"というまさかの選曲で終了。
このアルバムがリアルタイムで思い入れたっぷりな身としては、もう感動する
しかないでしょう。そもそも今回のライブが最新作と前作中心のセットリストで、
出世作Saturdays = Youthからはたったの2曲、キャッチーな"Kim & Jessie"辺りも
無かったことを鑑みるに、今のM83のモード、というものを強く感じていたのだが、
ラストでこの選曲というのがね。言うまでも無くエレクトロ・シューゲイザーの
金字塔的作品であり、その要素が全開の楽曲であるからして、Anthonyは自身が
作り出してきた過去のサウンドを否定しているわけではなく、全てがM83として、
彼の中に存在しているのだな、などと想像してみる。勿論、アンコールのラスト
に相応しい壮大なスケール感があり、大仰とも言えるような欧州的美学が凝縮
されたような楽曲であるから、とも言えるのだが、やっぱり何だか嬉しい気持ちに
なってしまった。

ライブが終わり、割れんばかりの拍手と歓声の中で、メンバー全員が肩を並べて
それに応える。アンソニー氏は最後まで残って、改めて一礼。とはいえベタな
流れでも不思議とクールに見えるのは、フランスの血なのだろうか……。


膨大な音楽的知識と溢れんばかりの音楽愛があって、自由に時代を行き来して
多種多様なジャンルを見事な手腕で取り入れて、ライブではこれまた見事な演奏と
演出で魅せるM83の公演を観て、私は同じくフランスのPHOENIXを思い出していた。
M83もフェニックスも、時代が彼らに追い付いたというようなキャリアを歩んでいるし、
偶然にもフェニックスを新木場スタジオコーストで観ているな(笑)。

前述したSaturdays = Youthが音楽メディアを中心に絶賛され、音楽メディア連中の
手の平返しのような態度に、マニア根性丸出しで地団太を踏んでいたあの頃も、最早
遠い昔の話。ひっそりと活動を始めた宅録青年の面影を今も残しながらも、何度も
「トーキョー!!」と叫んでオーディエンスを煽り、手練れのミュージシャン達と共に
完璧なライブ・パフォーマンスを我々に提示したアンソニー氏の未来は、今後も
輝かしいキャリアを積み上げていくことは想像に難くない。それこそが、ファンに
とっては最も喜ばしいことであろう。

改めて、素晴らしいライブであった。ありがとう、M83。

at 23:05, 某スタッフ, Music(Live Report)

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3/6(日) 代官山UNIT 〜 mouse on the keys ”LIVE AT RED BULL STUDIOS TOKYO” RELEASE TOUR



ようやく観れました。そう、mouse on the keysのライブである。09年リリースの
1stアルバムan anxious objectと出会って彼らの音楽を知ってから、もう7年近く
過ぎてしまったが、ようやく諸々の事情など含めたタイミングも合い、この度初の
ライブ参戦と相成った次第である。

結論から言うと、ゲストのLITEも含めて最高の夜を過ごさせてもらった。いやもう、
本当に本当に最高の夜。最高のライブ。最高最高言い過ぎて安っぽく聞こえてしまう
だろうが、それほどに素晴らしい体験であったのだ。

●LITE

彼らの音楽を追っているわけではないが、ライブ自体は奇しくも7年前の2009年に、
MONOが主催していたRaidWorld Festivalというイベントで観たことがあった。
そのイベントも素晴らしい内容であったことはよく覚えているが、7年振りの再会と
なった彼らのライブ・パフォーマンスはあの時とは比べ物にならないくらいに、
演奏能力から表現力、楽曲のクオリティに至るまで、全てがレベル・アップしていた。
勿論、音源を聴いてない私が偉そうな事は語れないのは確かなのだが、あくまで
ライブの印象だけで語るなら、そのような印象を受けたということだ。

メンバーはいかにもうちの職場に足しげく通っていそうな、ナイーブそうなお兄ちゃん
連中というのは変わらない雰囲気だったが(笑)、ラップトップ及びシンセサイザーが
ステージに鎮座しているのを確認し、私が観た頃とは違う次元へと踏み込んでいたことを
知る。事実、インスト〜マス・ロック的なサウンドを基調としつつも、積極的に同期ものを
取り入れた楽曲も多く見受けられ、この7年間の間にそういう方向性に舵を切ったのだなと。
それでも、流行りのEDM風のバキバキのエレクトロみたいな音になるはずもなく(笑)、
彼らの音楽性と同様に、硬質なエレクトロ・ビート、シンセ・サウンドが実に有機的に
バンド・サウンドと融合していたのはさすがの一言。変拍子だらけで、単純に踊れる
ような音ではないが、決して難解というわけではなく、所々にキャッチ―なフレーズが
盛り込まれ、情報量が多いながらも散漫な印象が無いのは、数多くのライブによって
鍛え上げられたバンド・アンサンブルと、楽曲作りのセンスの賜物であろう。

所謂ポスト・ロック、マス・ロック的なサウンドを指向しているバンドは、基本的に
技術はあって当たり前、その先からが勝負になってくるのだが、そこは既に10数年の
キャリアを持っているバンドなので、安定感は抜群。メタルとは違った、変則的な単音
のギター・フレーズによる(言ってしまえば)ツイン・リード、時にベースも加わった
トリプル・リードみたいなサウンドは、やはりこういうバンドならではで、何だか久々に
この手の音を聴いたこともあって、実に気持ちいい。あ、私はこういう音もやっぱり
好きなんだな、なんて再認識させられた気分だ。時折、ヴァンパイア・ウィークエンド
以降のUSインディ的な雰囲気もほんのり感じられて、ちゃんと同時代の空気もしっかりと
吸収しているのだな、と感じたりも。ベースがワウをかましてスラップする楽曲なんかは、
ちょっとしたコーラスも導入し、ハッピーな雰囲気を演出していたのも、意外だったけど
なかなか良い感じ。硬軟織り交ぜた、手数多しの怒涛のドラムスも当然ながら素晴らしい。
叩いている時のドラマー氏の表情も、凄く良かったな。

MCは7年前の印象と変わらず、何ともナイーブな雰囲気でしたが(笑)、日本のみならず、
世界的に活動を続けているバンドが顔を合わせて対バンできることへの喜びと、静かな
誇りと自信みたいなものは感じられて、何だか嬉しくなってしまった。インストである
以上、言葉の壁が無いし、音だけで勝負してきたバンドだからこその説得力なのだ。

●mouse on the keys

転換中のSEがRage Against The MachineのThe Battle Of Los Angelesという
あまりにも素晴らしすぎるチョイスだったので、こっちの興奮も高まるばかり。
とはいえステージに目をやると、キーボード2台とドラムスが向かい合うように
設置されており、スクリーンの演出もあったので、やはり所謂ロック的なものとは
違った雰囲気であった。こういう系のライブも色々と観てきた私ではあるが、
今回のライブは冒頭で述べた通り、とにかく素晴らしい、数え切れないライブ体験
の中でも一際記憶に焼き付いて色褪せることが無いであろう、至福の体験であった。
それは何度書いても飽き足らないので、しつこいようだが先に書いてしまおう(笑)。



30分ほどのセッティング時間が過ぎ、ようやく場内が暗転してメンバーが登場。
黒を基調としたモード風のファッションに身を包んだ3人と、サポート・プレイヤーの
サックス奏者を含めた4人の男達。彼らは、アルバム・ジャケットを見ても分かる
通り、自身の音楽性におけるイメージみたいなものにもかなり拘っているので、
それはライブでも変わらないのだな、と感じて思わずニヤリ。

心地良い緊張感と共に、ライブが始まった。凄い。予想はしていたが、予想を軽く
超える凄さ。同期ものを使用しているとはいえ、ドラムス、キーボード2台、という
基本のアンサンブルだけで、これほど凄い音を鳴らしてしまう彼らはやっぱり凄い。
情熱的な、時にフリーキーなサックスも本当に素晴らしい。スクリーンに映し出される
白と黒で構成されたイメージ映像も、彼らの音楽にぴったりはまっている。彼らの音は
観ている我々を違う世界へ誘う。音源だけでも様々なイメージが想起されるタイプの
バンドではあるが、ライブではそれがより強まった形で、上品に、時に乱暴に迫って
くる。これほどのバンドのライブを今まで観てこなかった自分、後悔先に立たず。

川崎昭氏のドラムスは噂通り、否、それ以上の迫力と凄まじさで、観客に向けて鋭い
視線を投げかけたかと思えば、良い笑顔を浮かべたりもして、繊細さと凶暴性とが
混然一体となった、緩急自在なんて言うレベルではないプレイは、ライブで観て
初めて本当の凄味を理解できるというものであった。並のメタルやハードコアな
プレイヤーが裸足で逃げ出すレベルのバスドラ連打、叙情的なピアノを際立たせる
場面における寄り添うようなプレイ、そのどれもが一級品であり、全身全霊なのだ。
ピアニスト2人も当然負けてはおらず、両人がメロディもリズムも担当している
ので、2台のピアノの音が激しく情熱的に絡み合う様は、あまりにも美しく、
あまりにも刺激的。同期もののサウンドも私には非常に馴染みやすいというか、
00年代のエレクトロニカ全盛を彷彿させるビート感覚、グリッチ・ノイズ、
といったサウンド・テクスチャーがね、もう気持ちいいとしか言えません(笑)。

どの楽曲がどう、というよりも、全てが繋がっているような、ライブの全体像が
1つの楽曲として機能しているような、そういった類のライブ体験。しかも、
これは川崎氏自身が言及していたように、新曲もあったし、既存の楽曲も音源
と比べてライブ・バージョンというか、別アレンジとして生まれ変わっており、
しかもそれはライブを重ねる毎に変わっていっているそうだ。彼らほどの技術が
あれば、音源そのままでライブ演奏することは可能だろうが、決してそのような
事はせず、有機的な変化という道を選んでいるバンドならではの凄味は、初の
ライブ体験となった今回だけでも、私としては十分に感じられたのだ。

そしてもう1つ重要な、というか是非書いておきたいのが、件の川崎氏による
しょうもないギャグを交えたMC漫談(笑)。無口な人達なのかな、と勝手に想像
していたのだが、無口なのはキーボード担当の清田敦氏と新留大介氏で、とにかく
川崎氏は喋る喋る。カナダ・ツアーでの体験を話したくてたまらなかったようで、
非常に面白い話を多く語っておりました。何せ、ドラムに座ったままでなく、
MC用のマイクが傍に置いてあって、立ち上がってマイクを片手にひたすら喋る
のだから(口下手なんですけどね、とも仰ってましたが)。そんな40代男(今年で42歳に
なりました、と本人が語ってました)の独り語りの中で特に印象深かったのが、今年で
バンドが始動して10年になるといったことに言及しつつ、

「前はnine days wonderってバンドにいて」
「諸事情あって退社したんですけど」

これには同じく元nine days wonderの清田氏も思わず苦笑いな顔でしたねえ。
前バンドで活動していた当時の事は、こちらのインタビュー記事で川崎氏自身が
詳しく話しているが、そもそも川崎氏は(9DWが鳴らしていた)所謂90年代の
激情エモコアやポストHCといった音楽には、最初は懐疑的であったそうだ。
それがバンドをやっていく内に好きになっていったと。結果、このようなMCを
発してくれるわけです。

「JOAN OF ARCと一緒にライブやります」
「JOAN OF ARCね。元Cap'n Jazz。知ってます? カッコいいですよ」

こんなMCをするミュージシャンが駄目な音楽やるわけない、なんて私なんかは
思ってしまうし、あの瞬間は発作的に声を上げて拍手してしまいました(笑)。

話がライブからだいぶ逸れてしまったが、このような素晴らしいバックグラウンドを
持ち、上述したインタビュー記事にあるように、日本のポスト・ロックの代表格などと
呼ばれながらも、むしろポスト・ロックに反逆してやるんだ、なんていうスピリットを
掲げて果敢に新たな音楽を創造し続けるミュージシャンの在り方が、今回観たライブに
明確過ぎるほどに刻まれていたことに、私はひどく感動した。日本で彼らのような
バンドがいることが誇らしくなったし、ライブ後半では、エモーショナルが溢れ出すぎて
川崎氏と清田氏が立ち上がってプレイしている姿を観て、何だかこみ上げるものがあった。
隠しきれぬハードコア畑のスピリットが垣間見えて、ひたすらカッコ良かったな。

アンコールにも応え、最後まで激烈なテンションのままプレイし、熱くクールにステージを
去った男達。ほぼ満員のオーディエンスからも、大きな拍手が巻き起こっておりましたよ。


残念ながら、仕事の関係でJOAN OF ARCとの対バンを観ることはできないが、今年は
ライブを精力的に行っていく予定とのことなので、今年中にはもう1回観ておきたい。
ともあれ、本当に素晴らしい体験であった。ありがとう、mouse on the keys & LITE。


●mouse on the keys the flowers of romanceについての記事はこちら

at 00:10, 某スタッフ, Music(Live Report)

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2/19(金) 渋谷club asia ~ Between the Buried and Me来日公演レポ!!!!




待望の、まさに待望の再来日。その最終日に足を運んできた。前回の来日公演は時間が
合わずに断念したこともあり、私にとっては約6年振りのBTBAM。あの頃からバンドの
周囲の状況も劇的に変化し、今ではちゃんと国内盤がリリースされ、こうして日本での
ツアーも実現している……なんて思うと隔世の感すらあるが、ともあれ彼らはこうして
また日本にやって来た。小さなハコではあったが、金曜とはいえ平日にして開場前から
それなりに行列もできていて、観客の気合も十分。このような雰囲気のライブは、
得てしてとんでもないものになる、と始まる前から確信していたのだが、その確信は
裏切られるどころか、遥かに私の予想を超えるものであった、と先に述べておこう。

●Palm

前座が2010年の初来日の時と同じく、大阪出身の彼らであったことは、私にとっては
何だかとても嬉しい事のように感じられた。何の演出も無く、ふらりとメンバーが登場、
重々しいドゥーミーなギターで早速耳がやられてしまった。その後テンションMAXな
ヴォーカル氏が登場し、Palm流のヘヴィ・ミュージックを堂々と叩き付けたのであった。
叙情的な要素はほぼ皆無、ドーム、スラッジ、ハードコア、といった要素をブルータルに
融合させつつ、前回観た時にはなかった「サークルピット!!」といったような煽りも。
が、MCでは一転して大阪の気の良い兄ちゃんといった風情の顔を見せ、禁断の頭髪自虐
ネタを盛り込みつつ(笑)、「ダサいもんはダサい、カッコいいものはカッコいい」といった
シンプルなメタル哲学を表明し、観客へのリスペクトも忘れない姿勢は、素晴らしい
音楽愛を感じさせ、思わずグッときた。勿論、肝心の鳴らしている音楽が本物であれば
こその説得力である。

何といっても、彼らが着ていたバンドTシャツがね。UNSANE、EYEHATEGOD(しかも
チャールズ・マンソンのコラージュ!!)、PINK FLOYD、といったような(ギタリスト氏の
シャツだけ失念)錚々たるラインナップなんだよ。これだけでも信頼できるってもんだ。

●Between the Buried and Me

数日経って改めて感じるのは、彼らのようなバンドをこんな小さなハコで観ることができる
なんて、何かの冗談か? って話。商業的要素なんぞ一切無い音楽キャリアを歩み続けながらも、
最新作「Coma Ecliptic」を全米チャート初登場12位に叩き込んだ彼らなのである。数年前と
比べれば、勿論ここ日本での状況も変わってきてはいる。それはライブに足を運んだ人なら
肌で感じたであろう。それでも、先に断言しておくが、およそメタル的な音楽を扱っている
洋楽メディアで、今回の彼らのライブを観なかったメディアなんて、一切信用しないほうが
いい(笑)。それほどまでに素晴らしいライブであったし、このキャパのハコで、最前列で、
体験できたなんて、贅沢だなと。その思いは日増しに強くなる一方なのだ。

宇宙的なSEと共にメンバーが登場、何気にそれぞれキャラが立っているのも彼らの面白い
ところだが、ポール、ダスティのギタリスト2人の対比は、後述するが、見た目的にも
プレイ的にも如実に表れているから非常に興味深い。ベーシストのダン氏はモヒカンと
いう出で立ちながらも非常にインテリジェンスな雰囲気。シーケンサーも操っていたが、
何よりベーシストとは思えないエフェクターの数々に圧倒されてしまった。



ドラムのブレイク氏は恐ろしいガタイの持ち主で、でも何だか凄く良い人そう(笑)。
そして最後に登場したフロントマンのトミー氏。彼は6年前よりもぐっと男らしくなった
印象で、ロン毛や髭もお似合いのなかなかのハンサム。ああ、いよいよ始まってしまうと
緊張すら感じる中、ライブは最新作から"The Coma Machine"でスタートした。

全員の音が鳴らされ、まず何が驚いたって、楽曲内における各楽器の立ち位置のバランスの
良さ。抜群の音の分離具合。彼らのような複雑怪奇な音楽は、一歩間違えれば単なるテクを
ひけらかす大会になってしまうが、さながら美しい組曲の如き楽曲展開で、それぞれの役割、
押し引きを骨の髄まで理解しているプレイ及び音作りに思わず感動。ブルータルなパートに
おいても、全くもって耳に優しい(笑)ヘヴィネス。音圧に頼ることなく、完璧なまでの
バンド・アンサンブルでもって魅せるパフォーマンスに早くも圧倒されてしまった。

続いて、トミー氏がピアノで弾き語りつつ情感たっぷりに歌い出したのが……大傑作と
私の中で名高い「COLORS」の1曲目、"Foam Born (A) The Backtrack"である!! 彼自身も
敬愛しているであろう、MUSEのようなドラマティックなメロディ、そこから激ヘヴィな
パートへと突入し、そのまま2曲目の"(B) The Decade of Statues"へと雪崩れ込む
様は、もう言葉にならないほどに刺激的であったし、既に昇天寸前。本国でのツアーの
セットリストを事前にチェックしていたのだが、全く違ったセットリストが組まれて
いたというのは、やっぱり彼らなりに日本に対する思い入れみたいなものがあったの
かな、なんて考えたりも。

激烈かつブルータルな出だしから、往年のプログレ風の展開へと変化し、10分近い物語が
繰り広げられる"Telos"、トミー氏が「OLD SONG」と前置きした"Shevanel Cut A Flip"
素晴らしい。特に後者は1STからの曲ってことで、ちょいとレアかも。後半の、見た目
からしてメタル丸出しなギタリスト、ポール氏とトミー氏によるクリーン・パートの
掛け合いも美しかった。

個人的なハイライトは、最新作の中でも今までの彼らには無かったグルーヴがカッコいい
"The Ectopic Stroll"。トミー氏の明らかに向上した歌の表現力も、この曲でより伝わって
きたな。極悪なグロウルも、外連味たっぷりの大げさな歌唱も、まさに変化自在。以前
とは比べ物にならないくらいに成長したように感じた。初めて観た時も十分凄いと思った
のだけど、まだまだ彼らは成長途中なのだ、と思うと恐ろしくなるが(笑)。

彼らが一気に数段飛ばしで他のバンドとのレベルの違いを見せつけた、これまた傑作
「The Great Misdirect」の1曲目"Mirrors"でも大きな歓声が巻き起こる。美しい
ベース・ラインと緩急自在のドラムスのコンビネーションがたまりません。勿論、
そのままの流れで"Obfuscation"を投下!! テクニカルなギターの絡み、オーディエンスを
煽るように両手を目一杯広げたトミー氏の姿で、フロアは大変なことになっていた。
強烈なブレイクダウン、狂おしい絶叫は、どこぞのメタルコア・バンドなんぞ裸足で
逃げ出すレベル。中盤以降の、あまりにもエモーショナルなギター・ソロと、休符を
上手く活かしたベースがクール過ぎな、変拍子バリバリの展開は鳥肌もの。ラストの
泣きのソロでまた昇天です。

上述したように、ギタリスト2人のコンビネーションは、ルックスの対比も相まって
観ていてとても楽しいものがあった。あからさまにメタル〜プログレな雰囲気ありありな
ポール氏と、タトゥーだらけでハードコア界隈出身なオーラ満載なダスティー氏。
2人ともソロにリズムにと自在に操れる技量の持ち主だが、前者がより正統派なプレイ
を得意としていて、後者は時にトリッキーな、90年代的な飛び道具的な音を出していた
というのが興味深い。勿論、全員が突出した技術を持っていて、かつテクニックだけの
没個性なプレイヤーなどでは決して無い、というのがバンドの強みであろう。

本編ラスト曲は、プログレ的始まりと流麗なギター・フレーズが絡み合う様に大興奮
必至の"Famine Wolf"。この曲は中盤以降のオペラ風なトミー氏の歌唱が最高。完全に
歌い切ったとは言えなかったが、それこそQUEENやMUSEのようなファルセットを
ばっちり決めておりました。嗚呼、最高過ぎるぜ。

勿論拍手は鳴りやまず、アンコールにも応えてくれた彼ら。手拍子に合わせて、
ポール氏がギターを弾きながら登場したのには笑った。お茶目ですねえメタルの人は。
ラスト曲はシンセとギター、ベースのテクニカルな絡み具合に、怒涛のバスドラが
追い打ちをかけるイントロが最高の"Selkies: The Endless Obsession"であった。
この曲はやっぱり後半の、ギタリスト2人のあまりにも美しく、エモーショナルかつ
ドラマティックなギター・ソロの応酬及びハモリが全てでしょう。この歓喜、これぞ
メタルという音楽ジャンルでないと味わえない醍醐味。こういう展開も嫌味なく
やれてしまうから彼らは凄い。ライブが終わり、6年前と同じように、メンバー全員と
ハイタッチできたことも素敵な思い出になりました(笑)。


繰り返すが、今回の来日を見逃したという洋楽メディア(ヘヴィな音を扱う)があった
なら、本当に猛省を促したい。好き嫌いはともかく、彼らの音は現代ヘヴィネスに
おいて最新形であり、最先端の1つであろう。ようやくその事に気付いたらしい日本の
音楽メディアに対して、以前苦言も呈したが(笑)、やはり彼らはもっともっと大きな
舞台に立つべき存在である。OPETHもISISもTOOLも成しえないくらいの、新たな
音世界に向けて、今後も突き進んでいってもらいたいと強く願う。

ともあれ、このようなライブは数年に一度あるかないか、というくらいに素晴らしい
体験であった。ありがとう、Between the Buried and Me、Palm。


2010年 3/22(月) 吉祥寺Club Seata 〜 Between the Buried and Me初来日公演レポ。
続きを読む >>

at 22:48, 某スタッフ, Music(Live Report)

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