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12/9(金) 新木場スタジオコースト 〜 RYAN ADAMS単独来日公演レポ。

 

 

RYAN ADAMSの音楽と私個人との付き合いは、数年前に当ブログにおいても軽く触れた

ことがある。もう5年前か。あれから、聴かずに通り過ぎていたLove Is Hell以降の

ライアンの音楽もほとんど聴き直して、今回の公演に臨んだ。文字通り、待望の一言で

しか言い表しようの無い、初となる単独来日公演である。

 

この日、私のように15年前にGOLDでRYAN ADAMSを知ったであろう世代は勿論、

若いファンもいるし、外国人もいる。家族連れもいた。11年前の悪い意味(苦笑)での

伝説となったフジロックで実現した初来日に足を運んだであろう人も、きっといたのだろう。

年齢層は幅広く、男女比もほぼ同程度のものであったが、とにかくこの日を待っていた、

という熱気を感じるオーディエンスが集まった印象だ。

 

始まるまでは、本当に来てくれるのか不安も無くは無かったが、嬉々としてレコードを

ディグって(ブラック・サバスのアナログのロシアプレスとか……)いる姿をツイート

なさっていたので、ああご機嫌なんだなと(笑)。もしかしたら、過去2回の来日はどちらも

フジでの来日だったので、東京は初めてだったのかもしれない。

 

定刻から10分少々過ぎた辺りで、客電が落ちてメンバー登場。皆、普段着の兄ちゃん達だが、

ライアン氏はワッペンで―背中にはリアル・ノルウェー・ブラックのEMPERORの特大

ワッペンです―武装したGジャン(デニム・ジャケットなどとはあえて呼びたくない感じ)に

ジーパンという80年代メタラー、もしくはハードコア的な出で立ち。うん、太ったなあ(笑)。

まあそもそも太りやすそうな雰囲気ではあったが。ともあれ間近で見るライアンは、少年の

面影を色濃く残した、まさに"心に荊を持った"ままのオーラを放っていたのだ。

 

1曲目は、先日公開されたばかりの新曲"Do You Still Love Me?"。嗚呼、初めて生で体験する

ライアンの歌声……実に素晴らしい。物凄い特徴があるわけでもないのだが、聴いてすぐ

それと分かる。これぞ天性の才能。音楽の神から与えられたギフトである。新曲とはいえ、

既にチェック済みの観客も大勢いたようで、大きな歓声が湧く。歌っている人もちらほら

見かけた。初めての単独来日だからといって、過去の代表曲を羅列するようなセット・リスト

ではないことは、冒頭から明らかになったということだ。むしろ、今回のライブは、我々

オーディエンスにとっても、そしてライアン自身にとっても、初の単独だとかそういった次元

ではなく、非常に意義深いものとなったのだが、それは後述しよう。

 

2曲目は"Magnolia Mountain"。渋めブルージーな香りも漂いながらも、決して泥臭くなることは

なく、スタジオ音源よりも遥かにロックでグル―ヴィ、途中の長いギター・ソロも、素晴らしく

エモーショナル。上述したように、私はここ数年で改めて、自分がスルーしていた05年から2015年

という10年の間にリリースされたライアンの音楽と向き合ってみたのだが、今なら分かることが

ある。私が期待したRock N Roll路線でなくとも、RYAN ADAMSの本質は何一つ変わっては

いなかったということ。同時代のインディ・ロック系と共振していたような音が無くても、彼の

歌声が、メロディが、楽曲そのものが、ライアン・アダムスという稀代のSSWの魂そのもので

あったのだ。それは、ライブで体験したからこそ、より再確認できたことでもある。

 

"Kim"で個人的には最初のハイライトを迎えた。何たる美しいメロディ!! スタジオ音源よりも、

何倍もの哀切が心の奥底にまで迫りくる。続く"Peaceful Valley"の、これまた実際の音源より

遥かに長い、ほとんどジャム・セッションのようなギター・ソロ!! おそらく最終的に10分は

超える長尺な楽曲へと生まれ変わっていた。もう、ライアンがとにかくギターを弾きまくる

のが最高にカッコいい。こういう人なんだ、って今更実感しました。顔で弾くプレイヤー。

サポート・メンバーのギタリストも同じタイプでしたね(笑)。ほんと今更な感想なのだろう

けど、ライアンはギタリストとしても凄い魅力的なミュージシャンなんだなと。ライアン本人の

感情が、サポートの面々が放つアンサンブルが、観客の熱狂が、場の空気が、思った以上に

凝っていた照明の演出すらも、全て一体化しているが如きプレイ。

 

 

"Fix It"の激渋なギター・リフ、狂おしい泣きメロも最高。新曲も随所に挟み込んだセットでは

あったが、曲を知らなくても楽しめる、ではなく異常に感情移入できるのがライアン・アダムス

のライブだ。ナイーヴな男の独白を、天賦の才で珠玉の楽曲へと昇華する彼の本領発揮である。

 

"Am I Safe"だったかな、しばらくイントロを演奏して一旦ストップして仕切り直しと相成った

ところなんかは、気分が乗らないとやり直しも辞さない気分屋ライアンな一面も。とはいえ、

今回のライブは終始笑顔で、MCは控え目であったが、とにかくご機嫌であったと思う。

この楽曲でのオルタナ世代全開なノイズの放出も、全ての要素が上手く噛み合ったからこその

展開であったと感じたから。

 

"When The Stars Go Blue"も実に美しく、切々と歌い上げるライアンの歌声に聞き惚れて

しまったが、思い返せばGOLDからはこの曲くらいしか演奏しなかったかもしれない。

先に書いてしまうと、"New York, New York"すらもやらなかった。ライアン自身が述べて

いたことだが、今回の日本公演が自身の2016年のライブの締めくくりとなるそうで、そこに

来年リリースされる新作Prisonerからの楽曲を多数披露した、というのは非常に重要だと

言えるであろう。既に先を見据えたRYAN ADAMSを一足先に体験できたという事こそが、

今回のライブの肝であったと感じざるを得ない。それが、上述した意義深さということに

対する私なりの答えである。

 

後半には、これも後から分かったことだが、事前にプレスには配られていたセット・リスト

には載っていなかったらしい、OASISの名カバー"Wonderwall"が披露された。どういう心境の

変化であったのかは分からないし、日本でのオアシス人気をライアンが知っていたとはとても

思えないが……気分を変えてくれてありがとう、としか言えない(笑)。まさに絶品のカバー。

テイラー・スウィフトの作品を丸ごとカヴァーした例のアレもそうだが、ライアンの手に

かかれば、どのような曲も全てRYAN ADAMSそのものとなってしまうのが凄い。何せ、

あのノエル・ギャラガーをして、

 

「お前にこの曲をやるよ。俺たちはこんなに上手くやれなかったからな」

 

と、言わしめただけのことはある。まあ、ノエルは特にアメリカでこの曲ばっかりが有名

だということにご立腹のようですが……。

 

閑話休題。本編ラストはライアンのソロ・アーティストとしての原点となった、デビュー作

収録の"Shakedown on 9th Street"で終了。原曲よりも遥かにロックンロールしたアレンジ

で、ウイスキータウン時代から考えると20年以上のキャリアを持ったミュージシャンであり

ながら、枯れて渋くなるだけ、なんてことのないライアンは最高にカッコいい。冗談なのか

本気なのか分からないファッションも含めて(笑)。

 

アンコールでは上述した来年リリースの新作から、表題曲"Prisoner"を披露。直前のシドニー

公演でも披露していたはずだが、演奏後に驚いたような顔で興奮していたライアン。自分の

予想以上に上手くいったのかもしれないな。観ているこっちも嬉しくなってしまうほどだった

から。ちなみにこの曲、私個人的にはスミスやキュアー大好き男、ライアンの嗜好が垂れ流し

的な印象を受けた。そう、彼の音楽は所謂ルーツ色も強く、そもそもオルタナ・カントリー

などと称されていたこともあったのだが、決して泥臭くなることがなく、かといって英国への

憧憬が強すぎる、というわけでもない、不思議なバランス感覚を持っているという事実を

認識したのは、色々と発見の多かった今回のライブにおける、私個人の最もたる収穫なので

ある。私が特に好きな、ビブラートを効かせたライアンのファルセットも、モリッシーの

魂を宿しつつも、ねっとりし過ぎることもなく、あくまで1人の男の哀愁に還元されていく

のだ。そういう意味でも、彼は何も変わっちゃいない。いや、捻くれた性格が大人になって

落ち着いた感はあるが(笑)、むしろ変わったのは私の音楽的態度であろう。ライアンの本質に、

10数年前よりも近付くことができたのかな、と勝手に感慨に浸ってしまった次第である。

 

ちなみに、彼はテイラー・スウィフトとの対談でこのような素晴らしすぎる名言を残して

いる。いや、名言でも何でも無いのかもしれないが、私にとっては狂おしいほどの名言なのだ。

 

「僕は煮詰まったら、スミスのアルバムを聴くんだ。携帯の充電が完了したみたいな感じで、

5分で曲が書けるようになってしまうんだ」

 

またまた閑話休題。少し長めのMCを挟みつつ、ラストは"Gimme Something Good"で〆。

観客に向かってギター・ソロを弾きまくるパフォーマンスも最高。ライブが終わって、

鳴りやまない拍手の中で最後に浮かべた笑顔もまた、実に輝いていた。最高だぜライアン!!

 

 

今回のようなライブを観ると、月並みながら、歳を食うのも悪くないなんて思える自分がいる。

おそらく、10年前の私には、件の問題作Rock N Rollを封印(そう、彼はもうこのアルバムの

楽曲は絶対にやらないようだ)したライアンのライブに、ここまで感動することはできなかった

であろう。Rock N Rollの国内盤の帯には、確か『音楽と共に生きる天才』("音楽に突き動かされ

自由に生きる天才"でした)などといった煽り文句が書かれていたはずだが、あれから10数年経った

今も、その言葉通りの存在で在り続けるライアンの行く末を、今度はずっと見守っていきたい。

来年の新作、楽しみだ。

 

音楽と共に生きる天才に触れた2時間。ありがとう、RYAN ADAMS。

at 23:20, 某スタッフ, Music(Live Report)

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11/22(火) 恵比寿ガーデンホール 〜 BLOOD ORANGE初来日公演レポ。

 

 

拙ブログにて記事にしてから早2年、まさか来日公演が実現するとは夢にも思わなんだ。

 

というわけで、間が空いてしまったがBLOOD ORANGEの初来日公演に参戦してきたので、

いつも通り好き勝手につらつらと書いていこう。

 

今年リリースされた通算3枚目となる最新作Freetown Soundも高い評価を得て、ここ日本に

おける知名度も飛躍的に高まっているように感じられるが、事実今回のライブはチケット完売。

場所は恵比寿ガーデンホールというオシャンティなハコで、キャパは1500人程度というの

だから、ソールドアウトしたというのは、なかなかの快挙と言えるだろう。

 

今回はこの手の音楽好きな、世代もバラバラの同僚3人で行ったのだが、オーディエンスの

年齢層自体もそれなりにばらけていて、サラリーマン風のオッサンも結構いた。Test Icicles

時代から、彼、Dev Hynes氏を追いかけてますといったようなインディ・ロック好きな面々は、

思ったほどはいなかった印象。恵比寿という場所に相応しいお洒落なメンズにガールズ、

ギラギラに派手なファッションで着飾った子達もいて、勿論外人も多くいる。そんな雰囲気。

私のように、MANSUNのカヴァーで手の平返ししたような奴は、まあいなかっただろう(笑)。

 

定刻を20分ほど過ぎてからライブはスタート。まずはハインズ氏と女性コーラスだけが

登場……と、先に書いておくが、このコーラス担当の女子の存在感たるや半端なく、ほぼ

坊主に近いヘア・スタイルでまるでエイリアン3のシガニー・ウィーバーかよと思って

しまったくらいなのだが、中性的というのでもなく、その物凄く整った顔立ちと肉感的

スタイルが妙に艶っぽくて、ハインズ氏と同じくらいの観客からの熱い視線を浴びていた。

って話が逸れたが(笑)、そんな2人だけで始められたのは"By Ourselves"。特別な演出も

無い、シンプルな始まりだ。そのままギタリスト兼キーボーディスト、ベーシストに

ドラマーが加わって、アルバムと同じように続けて"Augustine"が披露された。もうこの

時点で、今日も素晴らしいライブ体験になるぞと確信していた私であった。

 

最新作の楽曲のみならず、1ST作から"Champagne Coast"が披露されたり、2ND作からの

"You're Not Good Enough"(個人的にこの楽曲の美しさには感動した)や"Chamakay"なども

披露。他の国でのセットリストをざっと確認した限り、結構日本では他とは違う内容に

なっていたというのも興味深い。ともあれ、ハインズ氏のメロディ・センスの美しさは、

ライブで体感するとより際立つことが分かったので、早速結論付けてしまうが、それが

一番の収穫だったかな。個人的には。音源ではさらりとした印象だった曲も、こんなに

美しいメロディだったっけ?! と思ったりもしたし。ハインズ氏の歌声も、卓越した

ヴォーカリストというわけではないが、押し付けがましくない上品な美を備えており、

上述した女性コーラスとの相性の良さも相まって、BLOOD ORANGEの世界観には

ぴったりの声質であったのだ。

 

PV映像でも確認できたように、彼のパフォーマンスはかなり陶酔系(笑。私の大好物なタイプ

です)で、華麗にターン、ステップ!! ビートに合わせてダンスに興じたり、と自己アピールが

想像以上に強い。が、ソウル〜ファンク、R&Bというジャンルの持つ"いなたさ"は皆無で、

何処か都会的クールネスが感じられるのは、恐らく彼がイギリス人であり、00年代英国

インディ・ロック畑という出自が、あの醒めたクールネスが尊ばれていた時代の申し子と

言える世代(彼は85年生まれである。アレックス・ターナーやルーク・プリチャードといった

面々と同世代なのだ)ならではの雰囲気が、そうさせているのかなと個人的には感じた次第。

それもまた、彼の音楽を面白くしている要因なのかもしれない。

 

アルバムではマルチ・プレイヤーのハインズ氏がほぼ1人で楽器を演奏していたので、ライブは

どのようになるのかと思っていたのだが、上述したように、実に伝統的な、シンプルなバンド編成

でのライブであった。Test Icicles時代はギタリストであったハインズ氏を含めメンバー全員が

水準以上のプレイヤーなのだが、物凄いケミストリーが生まれていたというよりは、やはり

ハインズ氏のセンスを昇華させる為のバンドといった趣が強かったかな。10年以上も前に、

「俺はギター・ソロが好き」と公言しているハインズ氏なので、熱くエモーショナルなギター・

ソロを延々と弾き続ける場面もあったりして、BLOOD ORANGEというアルター・エゴの中で、

プロデューサーとしての彼とフロントマンとしての彼とプレイヤーとしての彼とがせめぎ合って

いるような、そんな印象も受けた。やっぱ面白い(笑)。

 

MCは控え目、本当に控え目だったように思う。曲の途中で「HELLO,TOKYO」ってさらりと言った

くらい? 初来日の感慨とかを長々と語ることもなく、ひたすらストイックに演奏だけで魅せた

ライブとも言える。後半には二―ナ・シモンズのカバーを披露したのだが、その時に前置きと

して少し喋ったくらいかな。

 

アーバンな雰囲気の"Uncle Ace"、そしてハインズ氏1人で弾き語った"Better Numb"(これまた

メロディの美しさが際立っていた!!)で1時間弱のライブは終了した。アンコールも無かったし、

ショーケース的なコンパクトなライブであったが、フロアの照明が点いても鳴りやまなかった

拍手が、今回の公演の成功を端的に示していた。まあそれでも、もう少しやって欲しかった

かな。素晴らしかったが故に、物足りなさもあったというわけで。

 

 

Dev Hynes氏が今後どのようなビジョンを持って、自身のキャリアを積み上げていこうとして

いるのかは分からないが、私としては、BLOOD ORANGEは勿論、このツアー・バンド自体に

大きな可能性があると感じられたので、もっとライブの場数を踏んで、次は夏フェスなんかで

再来日すればいいと思う。日本での人気はアーティスト側にも伝わったはずだから。

 

ともあれ、素敵な夜だった。ありがとう、BLOOD ORANGE。

at 23:30, 某スタッフ, Music(Live Report)

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10/22(土) 東京キネマ倶楽部 〜 サロン・ド・キノコ〜ゲバゲバ大革命 <後編>

 

 

メジャー・デビューから早6年、何ら変わらぬ不動のキノコ・クオリティを(以下略)

 

 

それではライブ・レポ後編、参ります。前編はこちらで。

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at 23:25, 某スタッフ, Music(Live Report)

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10/22(土) 東京キネマ倶楽部 〜 サロン・ド・キノコ〜ゲバゲバ大革命 <前編>

 

 

 

メジャーデビューから早6年、何ら変わらぬ不動のキノコ・クオリティを確認して、

安心したのは言うまでもない(笑)。

 

拙ブログにおいて、本稿は2年3か月ぶりのキノコホテルの記事であり、私にとって

2年3か月ぶりのキノコホテルの実演会参戦であった。それだけ間が空いたのは、勿論

タイミングということもあるが、今年リリースされた通算5枚目のニュー・アルバム

「マリアンヌの革命」が、前作4TH「マリアンヌの呪縛」から2年2ヶ月という、彼女達の

ディスコグラフィの中では最長のスパンでの発表となったことも関係している。新作が

出てから実演会に行こう……と考えていたらこれだけの時間が経っていたということだ。

 

その2年という月日を経て、個人的通算9回目となる実演会を観て感じた事は、こんなに

カッコいいバンドのライブを2年間も観ていなかったのかという後悔と、2年間という

間を置いたことで新たに見えてきたこと、などといった様々な想いであった。

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at 01:08, 某スタッフ, Music(Live Report)

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9/17(土) 日本武道館 〜 Kalafina Arena LIVE 2016

 

 

さて、Kalafinaである。先に書いてしまうと、今回のライブに関しては完全に親友の

付き添いで、私個人は、カラフィナの音楽を知ってはいても、ライブに行くと誘われる

までは、彼女達の作品を1枚たりともちゃんと聴いたことは無かった。件の親友から

譲り受けた音源をさらっと聴いて、ライブに臨んだという体たらくである。

 

ファンでも何でもない私がこうしてライブ・レポートを書くことで、熱心なファンの方々を

(私の親友も含めて(笑))怒らせてしまうことがないかと危惧しなくもなかったが、一音楽ファン

として、ほとんど予備知識の無いアーティストのライブでこれほどまでに感動させられた、と

いう記録はやはり残しておきたいのだ。とはいえ、ある程度予想はしていた。これは長年の

ライブ人生で培った勘というやつで、きっと素晴らしいライブになるのだろう、などと考えて

いたのも事実なのだが、それは予想を遥かに上回る形で的中したのであった。

 

言い訳という名の前置きはここまでにして、実際にどのようなライブであったのかを私なりに

書いていこう。尚、セットリストを確認しながら書いていくので、曲名を記載したりもするが、

当然ながら、ライブを観ている時点では知らない曲の方が遥かに多かったし、勿論メンバーの

名前も分からない、それぞれ歌うパートで役割分担があることだけは知っている、くらいの

知識であったという事は、念の為断りを入れておく。

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at 01:00, 某スタッフ, Music(Live Report)

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9/11(日) 横浜アリーナ 〜 BUCK-TICK CLIMAX TOGETHER 3rd

 

 

24年目にして訪れた、3回目のクライマックス。それは、様々な世代の聴き手にとっての、

そしてバンド自身にとっても、音楽を鳴らすこと、聴くこと、体感することに対する、

大いなる喜びであった。煌びやかな祝祭であった。9.11という日時自体は、15年前を境に

あまりにも悲しい意味を持ってしまったことも事実ではあるが、B-Tはその歴史的事実を

きっちり踏まえた上で、この12年に1度の祝祭を見事に完遂させたのである。

 

全てが特別でありながらも、音楽を楽しむ圧倒的な自由を謳歌した一夜。その場にいる

ことのできた幸運な男の、個人的な想いをいつも通り自由に書いていこう。

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at 03:44, 某スタッフ, Music(Live Report)

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8/18(木) 赤坂ブリッツ 〜 SUEDE 単独来日公演レポ。

 

 

SUEDE。その名前が持つ意味は、音楽狂いの私にとっては、最初にその味を知ってから

20年が過ぎた今も、効力の衰えぬ甘美な毒のようなものである。ことに英国音楽に対する

思い入れというのは、世界中を見回しても、日本人という極東に住まう音楽ファンこそが、

著しくは本国イギリスよりも、ある種苛烈な、強烈なものがあるのではないかと考えるが、

それは純粋な憧れは勿論、どんなに手を伸ばしても決して届かない、畏怖と言ってもいい

感情が、常に背後に潜んでいるからであって、日本人的生真面目さでもって英国音楽を

研究し、愛し続けているのであろう。先頃復活を遂げた、THE YELLOW MONKEYの

吉井和哉氏が、どのような意図でもって、自虐的にも思えるバンド名を命名したかを

鑑みれば、あながち間違った解釈とも言えぬのではないか。少なくとも、私にとっては

そう考えるのが自然なのである。

 

三島由紀夫氏が、「作家論」という自身の著作において、森鴎外を取り上げて、「文づかひ」

という作品を評して、西欧的ロマンティシズム(この場合はドイツだが)の現場に日本人が

駆け込みで間に合って参加したところの最後の証言である、といったような事を述べている。

鴎外以降の文学者はそのような機会には二度と恵まれず、永遠に参加を拒んでいるヨーロッパ

の像が、眼前に立ちはだかるだけになる……というように書いているのだが、私はスウェード

のように、限りなく英国であり、欧州的美学に則った音楽を聴くたびに、そのことを思い出す。

繰り返しになるが、スウェードという存在、音楽に対して私が抱く想いの根底にあるものは、

強烈な憧れであり、永遠なる畏怖なのだ。

 

 

「Night Thoughts (夜の瞑想)」。2016年という時代に生まれた、妖艶な、優美な、生々しい

闇と美を兼ね備えた作品の再現。スクリーンに映し出された、いかにも90年代的な、様々な

解釈はあるだろうが、1人の男を主人公とした鬱々とした物語と共に、スクリーンの裏に

透けて見える5人の"beautiful one"が、世界を構築していく。スウェードのライブは常に

そうであるように、音源よりも心地良いラフさがあり、ロック的ダイナミズムがある。

コンセプチュアルなライブではあるが、どれほど細かい要求にもそれなりのパフォーマンスで

応えることが可能となった現代の技術の使用は最低限に留め、ロック・バンドという伝統的

とも言えるフォーマットを崩すことなく、徹底した美学と共に、我々を別の世界に誘って

いくのだ。プロフェッショナルなライブ運びと、完璧主義から生まれる緊張感を、静寂と

狂乱の歓声でしっかりと受け止めるオーディエンスも、「夜の瞑想」の世界を形作る上で

重要な要素であったと思う。それは、後述するが、この日何度となく目撃することになる、

ブレット・アンダーソン氏の屈託の無い笑顔が証明しているであろう。

 

「coming up」。商業的に最も成功した作品というだけでなく、5人体制となったスウェードが

初めて作り上げたアルバムであり、華やかなポップネスと哀愁、刻印のように刻まれる退廃、

ブリティッシュ・ロックの粋が詰まったような傑作である。発表から20年目というこの年に

おいて、この極東の地でその傑作を再現するという奇跡が起きようとは。1夜でアルバムを2枚

再現するというのも、かなり思い切った挑戦だと思うし、私も体験したことのないライブで

あったが、解き放たれたように全身全霊でロックし、飛び跳ね、漲る生気をその汗と共に

迸らせるブレット氏を中心に、スウェードここに在り、といったような、夢のような時間を

共有することができた。ラストの"Saturday Night"で生まれた大合唱は、バンドと日本の

ファンとの関係性が鮮やかに、美しく現出した最高の瞬間であったと言えよう。

 

最後は、"Metal Mickey""Animal Nitrate"という禁断の名曲で、スウェードが生み出した

奇跡の真夏の夜は終わり、我々が追い求める毒の効力は、更に永遠のものとなった。

これが、英国である。これが、suedeである。

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at 17:45, 某スタッフ, Music(Live Report)

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8/16(火) ビルボードライブ東京 〜 Mayer Hawthorne 来日公演レポ。

 

 

メイヤー・ホーソーンの音楽に詰まっている楽しさ、温かさ、飄々としたダンディズム、

スウィートでメロウなグルーヴ、ほんのりビターでセンシティブな感情の揺れ……もう

それら全てが、音源以上に確かな輝きを放ちつつ、音源以上にその魅力を存分に味わう

ことのできた、あまりにも贅沢な夜であった。

 

というわけで、デビュー作との出会いから7年目にして、ようやくライブを観ることができた

メイヤー氏の単独来日公演。正直言うと、様々なジャンルのライブを観ている私にとっても、

ビルボードライブ東京という場所から漂う敷居の高さというか(笑)、己を鑑みた上での場違い感

と合わせて尻込みしていたというのも正直なところではあるのだが、実際行ってみたらとても

良いハコでした。ライブが始まる前までは、どうしてこんな所にいるのだろう、などと思った

ことも事実だが・・・…何せ↑の写真のような場所だから……それでも私のようなアローンな

メン達も結構いたし、何より後述するが、メイヤー氏がこんな我々にもちゃんと気遣いを見せて

くれたのですよ。ええ、マジです(笑)。

 

ステージ後ろの幕が下りて、ほぼ定刻通りにライブはスタート。サポート・メンバーが登場し、

メイヤー氏も登場。ハットにスーツで決めつつ、メンバーが準備に取り掛かる中、1人中央に

設置されたテーブルの前の椅子に座って、おもむろにお酒をグラスに入れております。いやー、

憎い演出。"Out Of Pocket"のイントロ(だったかな?)から始まって、そのままライブは

"Book Of Broken Hearts"でスタート。何だこれ、カッコ良すぎだろ。サポート・メンバーは

当然ながら手練れ揃いで、特にベーシストのビッグなアフロ、コーラス担当の女性ヴォーカルの

方の強力なセクシーさにやられました。肝心のメイヤー氏だが、もうこれ以上ないってくらいに

気取ったパフォーマンスがとにかく楽しくて、何より想像以上に伸びやかなヴォーカルが本当に

素晴らしい。圧倒的な歌唱力で勝負するようなタイプではないとデビュー時から思っていたの

だけど、彼の持つ抜群のリズム感、得意のファルセットは音源で聴くよりも絶対にライブで

味わうべき。何はともあれ、これはもう早速ではあるが、断言させて頂こう。

 

2曲目の"Back Seat Lover"で、もう自由席にいたオーディエンスも立ち上がって思い思いに

踊っておりました。いや、これは仕方ない。上の階で観ていた私も駆け下りたくなりました

からねえ(笑)。老若男女、誰もがハッピーになれる。これがメイヤー・ホーソーンのライブ。

ビルボードライブ東京は基本的に2部構成なので、時間がきっちり決まっているからだろう、

セット・リストはメドレー形式で披露される場面が多かった。これがまた見事なライブ運びで、

楽曲毎の繋ぎ方も抜群。音源とはまた違ったアレンジも多く見受けられ、ライブならではの

バンド・アンサンブルに脱帽。完璧なライブ・バンド、これぞプロフェッショナルといった具合の

ライブだ。私は、アリシア・キーズのライブを自然と思い返していた。未完成な、ナイーブが

そのまま音楽になったようなインディ・バンド達のライブも大好きだが、こういった、プロの

ミュージシャン達が魅せるライブ・パフォーマンスでないと味わえない楽しさが、今宵の

ライブには満ち満ちていたのだ。

 

そんなプロフェッショナルな面子を束ねるメイヤー氏は、私の想像を遥かに超える"プロ"で

あった。"Fancy Clothes"で披露された激渋なギター・プレイにせよ、先述したような、

キザったらしくも飄々とした動き、スマホを取り出して彼女からの電話を受け(た振りをして)

てからの"Get You Back"にせよ、とにかく全力で観客を楽しませようとする態度も見事な、

一流のエンターテイナーであった。"Crime"では音源だとケンドリック・ラマーがやっていた

ラップ部分も、確かメイヤー氏がやっていたはず。楽曲ごとに色々な振付があったりもして、

クネクネ踊るようなダンスっぷりもまた楽しい。MCで一番印象的だったのは、冒頭で書いた

ことの答えになるが、海外のアーティストのライブに行ったことのある人なら一度は耳にした

ことがあると思うが、「MAKE SOME NOISE!!」っていうあれ。まあ意訳すれば「声出せー!」って

感じの観客を煽る定番のMCだが、メイヤー氏、まずはカップルに向かってMAKE SOME NOISE

してみたが、ちょっと聞き取れなかったのか微妙な反応。それで終わるかと思ったら、

「独りの奴!! 声出せ!!(意訳)」と仰られたので、我々アローンな観客が盛大に歓声上げて

おきましたよ(笑)。メイヤー氏も失笑していたような……。

 

一旦、メイヤー氏とコーラスの女性がステージから去って、しばらくはバック・バンドによる

セッション・タイム。グル―ヴィでファンキーな演奏が最高に気持ち良い。そして戻って

きたメイヤー氏、何とお色直ししておりました!! しかも眼鏡スタイル。 デビュー初期の

彼が頭に浮かんだ人も多かったと思うが、ここで1STや2NDのモータウン・マナー調の

楽曲をたくさん演奏するという見事な演出に感動。観客の歓声も一際大きかった気がする。

一番良かったのは"I Wish It Would Rain"かな。サビで雨が降っている様を両手で表現する

振付、メイヤー氏がやるからこそ嫌味にはならないんだろうなあと。観客全員、自然と

やっておりましたね。私もやりました(笑)。

 

以降はもう息をも突かせぬ勢いで突っ走る。MCで「Tuxedの曲をやるよ」と前置きして

披露された"Do It"、もう最高。途中でメンバーそれぞれの短いソロ・パートもさらりと

盛り込まれ、「俺のターンだ」と言いつつメイヤー氏もキーボード演奏を披露!! そして

エアロスミスのカヴァー、"WALK THIS WAY"!! メイヤー氏は私と同い年だし、

彼の音楽趣味を考えるとRUN DMCから知ったのかなとも思ったが、あのリフを

がっつり弾いておりましたので、結構ハードロックも聴いていたのかな、なんて

想像してみたり。まあ、RUN DMCが引用するのも当然な、ファンキーでグル―ヴィな

ギター・リフなので、今宵のライブにもばっちりはまっておりました。で、そのままの

流れで"The Walk"を披露してしまうのがまた、いやらしくも粋な展開。後半で、

"WALK THIS WAY"のフレーズをメイヤー氏が歌っていたのも印象的だったな。

 

本編ラストは"Love Like That"。最高。そしてアンコールにも応え、3RD作からの名曲

"Her Favorite Song"で大団円を迎えました。この曲も言う事なし、最高過ぎ。この曲で

ステージ後ろの幕が上がって、雨の六本木の夜景と共に演奏された、というのがもう

出来過ぎなくらいに素晴らしかった。嗚呼、これぞプロのライブ。

 

 

ライブ後の六本木は大荒れの天気だったが、気分はすっきり、晴れ渡っていた。

こんな体験があるから、ライブ通いはやめられない。本当に楽しかった。

 

ありがとう、Mayer Hawthorne。次の来日が決まったら、また必ず行こう。

 

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8/2(火) 代官山UNIT 〜 TEGAN AND SARA 来日公演レポ。

 

 

ステージ中央に、寄り添うように設置されたマイク・スタンドが2本。この光景が、

そのまま姉妹の強い絆を示しているように思えて、開演前からほんのり感動して

しまった。歳を食うと、些細なことでぐっときてしまうのはご容赦願いたい(笑)。

 

というわけで、真夏の個人的ライブ参戦第一弾は、かねてから観たいと思っていた

カナダが生んだツインズ、Tegan and Sara。彼女達の事を知って当ブログで記事に

したのが、かれこれ7年前の話で、記事を読み返すと、彼女達にとっては通算6枚目の

アルバムであるSainthoodの素晴らしさを偶然知って、今までTEGAN AND SARAの

音楽を聴いてこなかったことを後悔しつつも、興奮している私自身が確認できる。

あれから何度かの来日は実現したが、観ることは叶わず、今回ようやく生の彼女達と

巡り合うことができた。実に喜ばしい。

 

客層はといえば、何となく予想していた通り、女性の率が高く、外国人の率も高い。

私のようなアローンのメンズもちらほら。最終的には8割弱くらいは埋まっていたと

思う。これはライブ終了後の感想ではあるが、とにかく熱心なファンが多かったと

いうのが印象的だ。

 

定刻になり、SEとして流れ始めたのがWham!の"Wake Me Up Before You Go-Go"

思わずにんまり。80年代趣味と彼女達の音楽的変遷がリンクしているのだな、と。

まずはサポートとして、お洒落でスタイル良しな男性メンバー2人が登場。ドラムと

キーボード担当だ。その後登場したツインズ、物凄い歓声がフロアに響き渡った。

着実に、ここ日本においてもファン層を増やしつつあるのだな、なんていう感想は

最早周回遅れなのだと思うが、これが初めてのTEGAN AND SARAのライブ参戦で

ある身としては、やはり感慨深い気持ちになってしまう。実はどっちがティーガンで

どっちがサラなのか分からないままだったのだが、調べた限りでは、基本的には

ティーガンが左でサラが右、というポジションらしいので、それを信じて話を進めて

いこう。曖昧で申し訳ないが……。

 

ライブは5THTHE CONから"Back in Your Head"でスタート。定番の人気曲で始まる

という展開に、オーディエンスは早速大盛り上がり。おお、合唱も凄い。外人ファンの

力もあるのだろうが、前列に占めている女性ファンも大いに歌っている。続いて披露

されたのが"Goodbye, Goodbye"。彼女達の現在の音楽性が固まった7THHeartthrob

収録の、とにかく切ない美しいシンセ・ポップの名曲は、生で聴くとやっぱり良い。

2人の歌声は、歌唱力に秀でているというわけではないが、元々フォーク・ロック・デュオ

としてのキャリアも長く、更には、おそらくは姉妹でないと出せないのであろう、阿吽の

呼吸を感じさせる絡み合いが見事で、実に魅力的なのだ。2人ともリードを取れるし、

コーラスに徹することもできる。今回のライブを観た限りでは、ティーガンがリードの

場合が多いのかな。歌声も似ている2人だが、サラは若干舌っ足らずな感じです。

そう言えば、歌詞を間違えたのか忘れたのかは不明だが、何らかのミスをしたらしく、

ティーガンが「ファック!!」 と吐き捨てたのもご愛嬌、自然体のキャラクターの面白さの

成せる業だろう(笑)。

 

基本的には8TH作と最新作Love You to Deathからの楽曲を中心として、昔のアルバム

からの曲も取り上げていくセット・リスト。音楽性がシンセ・ポップへと変わろうとも、

2人の作る楽曲の核となるもの、その素晴らしさは何ら変わらないからこそ、どの時期の

楽曲を今のスタイルで演奏しても、妙なことにはならないのだろう。

 

但し、先に言及してしまうが、今回は私が彼女達の音楽を知るきっかけとなったという

意味でも、実際の好みという意味でも、個人的に思い入れのあるSainthoodからは

1曲もやらなかったので、それだけは残念。これは想像だが、あのアルバムは彼女達の

ディスコグラフィ的に鑑みても、過渡期の作品であって、NWやポスト・パンク的要素も

強いアルバムだったので、今の彼女達のモードでは中途半端になってしまうのかな、と

思ったり……単なる気紛れなのかもしれないが。でも、確か日本盤のリリースも無かった

はずだしなあ。とにかく、このアルバムの曲も聴きたかったというのは本音ではある。

 

中盤には、ティーガンとサラの2人でアコースティック・タイムも。妙に気になったのは、

2人共アコギを持ってジャカジャカやるのかと思っていたのだが、ギターを弾くのは必ず

どちらか1人だけ。2人の音楽的関係性が垣間見えるようで、何とも興味深かった。

まあ、そんなことよりも、彼女達がとにかく喋る、喋りまくることに驚いてしまった。

勝手にクールな印象を抱いていたので、これは良い意味で裏切られた感じ。英語力が

無いことが悔やまれるほどに、面白そうな話をノンストップでまくし立てておりました。

最初はティーガンが(ライブ序盤でも)MC担当なのかな、と思っていたが、話を振られた

途端に、サラも喋りまくり(笑)。日本については2人ともかなり熱心に語ってくれて、

とにかくクール!を連発してた。あと、猫雑誌多すぎぃ!!(意訳)みたいなことも(笑)。

海外のファンと日本のファンとの違いも話していたかな。ジェスチャーで分かった。

ネット上で過去の来日に行った人の話を読む限り、いつぞやの来日ではガラガラだった

そうで、色々と本人達も悔しい思いもしたらしいのだが……良かったなあと。

とはいえ、彼女達のアルバムは、今や全米トップ10にランクインするほどの人気で、

多くの大舞台に立ち、所謂セレブなアーティストからの寵愛も受けるような立ち位置な

わけで、そんな2人をこんな小さなハコで観られるというのは、やはり贅沢な体験で

あろう。きっと、彼女達はどんな場所でも変わらず自然体なのだろうけど。

 

ちなみに、PV映像や写真などで、お洒落なファッションを着こなす彼女達を見ることが

できるが、今回の来日では、ティーガンが80'Sなポップ・サイケ風のプリントが個性的な

スタジャンを羽織り、サラはロング丈の黒シャツの上に、同系色のカーディガンという

出で立ち。2人とも暑そうにしてたけど(笑)、顔は同じでも、ファッション・センスの

違いもちゃんとあって面白い。何処となくあか抜けない感じも良いです。

 

個人的ハイライトは"I was fool"かな。シンガロング必至のサビが冴える"Stop Desire"

辺りも良かった。本編ラストはそのままのテンションで、新たなキラー・チューンと

言える"Boyfriend"と、彼女達の転機になったと言える"Closer"で大団円を迎えた。

 

アンコールは再度2人だけのアコースティック・ライブ。"Dark Come Soon" "The Con"

"Where Does the Good Go"という、彼女達の素晴らしいメロディが凝縮されたような

楽曲群で〆。何度も書くが、音楽的な方向性が変化しようとも、核となる楽曲の良さが

変わらないからこそ、彼女達は自然体のまま、高い人気を保っていられるのだろう。

ライブ終了後に前方に詰めかけた観客にも、笑顔で握手を交わしてくれた2人。

私もティーガンに握手してもらいました。袖から覗くタトゥーが、最高にクールで

カッコ良かったなあ。

 

 

ニール・ヤングに才能を見出され、御代のレーベルからデビューしたという経歴を

持った2人が、過去のイメージに囚われることなく、どんなスタイルでもやっていけると

考えたという経緯は、最新作の国内盤ライナーに記載されているので、是非読んでみて

欲しい。私個人的には、過去に某雑誌でHeartthrobのレビューを担当した(書きたいと

志願したのだが)ことがあるのだが、その時は、彼女達の音楽性の変化について、一見

セルアウトと思う人もいるだろうが、凛とした態度で臨む彼女達の作るメロディに、

フェイクの影がちらつくことなどない、といったようなことを書いたのだが、ライブで

実際に彼女達の音楽を体験して、私の感性は間違ってはいなかったのだな、と確認

できたことも、個人的には大きな収穫であった。

 

ありがとう、TEGAN AND SARA。次はSainthoodの曲もやってね(未練がましい)!!

 

at 23:18, 某スタッフ, Music(Live Report)

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5/26(木) 新木場スタジオコースト 〜 M83単独来日公演レポ。




新木場スタジオコーストに行くのは、去年の黒夢のライブ以来。もうそんなに経つのか、
などと思いつつ、個人的には念願であった、M83来日公演に足を運んできた。

私が会場に着いたのが18時半くらいだったはずだが、その時点ではフロアの観客もガラガラ
という状況で、正直嫌な予感が渦巻いていたのだが……結論から言えば、最終的には8,9割方
埋まっていたので本当にほっとした。それというのも、これも先に述べてしまうが、これほど
までに素晴らしいライブを魅せてくれたアーティスト達を、フロアに空白が目立つ状況で迎えて
いたとしたら、まさに日本の洋楽史における汚点になってしまっていたであろう。

ともあれ、フランスが生んだ宅録青年は、如何にして世界中の音楽リスナーにロマンティックな
夢を提供し、あるいは80'Sなダンス・ビートでフロアを躍らせ、完璧なステージを演出するバンドを
従える、見事なフロントマンと成ったのか。この目で、確かめてきた次第である。


●seiho

前座のアーティストがいるとは全く知らなかったが、開演15分くらい? 前に突然ステージに現れた、
明らかにカリスマティックなオーラのある男。大阪出身の気鋭のアーティスト、seihoであった。
音楽メディアでその姿や名前だけは知っていたものの、どんな存在なのかは全く知らなかったのだが、
はっきり言って、騒がれるのも当然と思える才能の持ち主だな、と。ジャズもソウルもテクノも
一緒くたになったビート感覚は、彼の世代にとってはごく当たり前のものなのだろう。別段、
目新しさを感じたわけではないが、私はむしろ、彼の生み出すビートよりも、彼自身の持っている
天性のオーラのようなものに、目を奪われてしまった。

わざわざ花瓶に花を活ける美意識もさることながら、その花瓶に牛乳を入れて一気飲み(笑)という
パフォーマンス、歌ものを流しつつ、自らも感情たっぷりに歌うその姿、本来であれば、否、本来
などという言葉を使うのは語弊があるかもしれないが、とにかく普通で考えれば、ヴォーカリスト
という存在に備わるべきナルシシズムを過剰に持ち合わせたビートメイカー、そんな印象を私は抱いた。

それでいて、MCでは関西弁バリバリの庶民的っぽいキャラ。面白い男だ。こういうアーティストは
どんどん海外に進出すべきだろう。私が言うまでもないことだろうが。

●M83

拙ブログでは触れなかったが、最新作JUNKはとにかく素晴らしい出来栄えで、ライブで何処まで
やれるのだろうか、などとちょっとした不安もあったのだが(個人的に、これが初のM83ライブ体験
なので)、そんな不安などはそれこそ遠く銀河の彼方へと吹き飛ぶ、あまりにも素晴らしいライブを
彼らは披露してくれた。10年来のファンとしても、本当に感慨深い気持ちになったし、冒頭で触れた
通り、オーディエンスの数が寂しかったのが難点、なんてことにならなくて本当に良かった(苦笑)。

アンビエントなSEが流れる中、20時くらいに照明が消え、メンバーがステージに登場。M83こと
Anthony Gonzalez氏は、何だか私の勝手なイメージで、端っこにいるのかな〜などと思っていた
のだけど、ちゃんとフロントマンらしく中央におられました(笑)。何でそういうイメージを持って
いたのかというと、こういう、宅録アーティストがバンドを率いてライブをやるとなった場合に、
肝心の本人が目立たないような場所にいるという傾向が結構見られたからである。そんなイメージ、
先入観なんぞは、今回のライブで全て破壊されることになったわけだが……。

5人のメンバーが揃って、ライブは前作Hurry Up, We're Dreamingからの"Reunion"でスタート。
アンソニー氏はギターを弾きながら堂々たる歌唱である。バンドメンバーも手練れが揃っており、
とにかく上手い。ストロークスに在籍していてもおかしくないような細身のスタイリッシュな
イケメンにして、ベースもギターもキーボードも操るJordan Lawlor氏、紅一点で妖しくも
美しいオーラ全開のキーボーディストKaela Sinclair女史、金髪で髭スタイルでサックスを
吹きまくる(キーボードも兼任)お洒落過ぎなJoe Berry氏、一番朴訥で良い人そうな(笑)ドラマー
Loïc Maurin氏、と全員が個性豊かでかつ一流のミュージシャン。M83は、ライブ・バンドと
しても最高クラスのアクトなのだ、と1曲目にして理解した私であった。

2曲目は最新作からの"Do It, Try It"。ダンサンブルでリズミカルなピアノのフレーズも、
当然打ち込みではなく生演奏で思わず興奮。いや、ほんとやばいです。Jordan氏による
スラップ・ベースも気持ち良い。"Steve McQueen"辺りの、M83が元々持っている
スペーシーなサウンド・テクスチャーを持った楽曲では、フラッシュ・ライトの演出が
また素晴らしくて。星空をイメージしたような光が幻想的でもあり華やかでもあって、
エンターテイメント性という意味でも、M83のライブ・パフォーマンスがこのレベル
までの域に達しているとは正直思ってませんでした。いやはや、嬉しい驚きです。

確かな存在感と白昼夢の如き揺らぎが同居している、M83ならではの要素を兼ね備えた
"We Own The Sky"では、Anthony氏とKaela女史による美しいハーモニーを披露。
シティ・サウンド風でありながら、現代的なオルタナティヴ・ロックの香りもする
"Walkway Blues"では、Jordan氏がメインで歌唱。まーこれがカッコいいこと(笑)。
何というか、ライブにおけるM83は、才能豊かでかつ個性的で濃い面々が、遠慮なく
己の才気を発揮させているにも関わらず、破たんすることもなく、有機的に作用し、
一級のバンド・アンサンブルとして成立しているのが素晴らしい。恐らくそれは、
M83の楽曲自体の強さ、懐の広さがあってのことだと思う。Anthony Gonzalez氏、
恐るべし。

もうどの楽曲のパフォーマンスも素晴らしかったのだが、情熱的なサックスと
グル―ヴィかつ歌心溢れるドラムスで引っ張る"Road Blaster"辺りからは、全てが
クライマックスの如き怒涛の展開であった。POST ROCK的な静と動の展開が
ドラマティックな"Wait"、Kaela女史がメインで歌い、原曲ではSteve Vai(!!)が
弾いたギター・ソロを見事に弾きこなしたJordan氏の情熱的なプレイも最高
だった"Go!"、歓喜の"Midnight City"、MEWやモントリオール勢のバンドを
彷彿させる"Echoes Of Mine"、そして"Outro"と、完璧なまでにM83が描く
音世界を現出せしめ、見事に表現し尽して、本編は終了した。

アンコール曲は美麗な"Solitude"で開幕。続いて私個人的にもお気に入りの楽曲で、
調べた限りではライブではおそらく初の披露? だったらしい"Moon Crystal"
もうね、これが最高だった(笑)。70年代のイタリア映画のサントラなんかに
使われていそうな、レア・グルーヴ的なインスト曲なのだが、ライブで聴くと
すっげえ気持ち良いんです。そしてがらりとスタイルを変えて、硬質なドラムと
電子音、そしてトライバル風味なパーカッションが、ソリッドなビート感覚を
演出する"Couleurs"と続いて、ラストは大傑作Before The Dawn Heals Us
からの"lower your eyelids to die with the sun"というまさかの選曲で終了。
このアルバムがリアルタイムで思い入れたっぷりな身としては、もう感動する
しかないでしょう。そもそも今回のライブが最新作と前作中心のセットリストで、
出世作Saturdays = Youthからはたったの2曲、キャッチーな"Kim & Jessie"辺りも
無かったことを鑑みるに、今のM83のモード、というものを強く感じていたのだが、
ラストでこの選曲というのがね。言うまでも無くエレクトロ・シューゲイザーの
金字塔的作品であり、その要素が全開の楽曲であるからして、Anthonyは自身が
作り出してきた過去のサウンドを否定しているわけではなく、全てがM83として、
彼の中に存在しているのだな、などと想像してみる。勿論、アンコールのラスト
に相応しい壮大なスケール感があり、大仰とも言えるような欧州的美学が凝縮
されたような楽曲であるから、とも言えるのだが、やっぱり何だか嬉しい気持ちに
なってしまった。

ライブが終わり、割れんばかりの拍手と歓声の中で、メンバー全員が肩を並べて
それに応える。アンソニー氏は最後まで残って、改めて一礼。とはいえベタな
流れでも不思議とクールに見えるのは、フランスの血なのだろうか……。


膨大な音楽的知識と溢れんばかりの音楽愛があって、自由に時代を行き来して
多種多様なジャンルを見事な手腕で取り入れて、ライブではこれまた見事な演奏と
演出で魅せるM83の公演を観て、私は同じくフランスのPHOENIXを思い出していた。
M83もフェニックスも、時代が彼らに追い付いたというようなキャリアを歩んでいるし、
偶然にもフェニックスを新木場スタジオコーストで観ているな(笑)。

前述したSaturdays = Youthが音楽メディアを中心に絶賛され、音楽メディア連中の
手の平返しのような態度に、マニア根性丸出しで地団太を踏んでいたあの頃も、最早
遠い昔の話。ひっそりと活動を始めた宅録青年の面影を今も残しながらも、何度も
「トーキョー!!」と叫んでオーディエンスを煽り、手練れのミュージシャン達と共に
完璧なライブ・パフォーマンスを我々に提示したアンソニー氏の未来は、今後も
輝かしいキャリアを積み上げていくことは想像に難くない。それこそが、ファンに
とっては最も喜ばしいことであろう。

改めて、素晴らしいライブであった。ありがとう、M83。

at 23:05, 某スタッフ, Music(Live Report)

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